英語のリスニングが上達しない人の特徴

毎日英語のリスニング勉強をしていても、中々上達しないと悩んでいる人も多いだろう。もちろん、リスニングは一朝一夕で上達するものではないが、もしかしたら、英語のルールを理解していなかったり、勉強方法が間違っていたりするのかもしれない。英語のリスニングが上達しない人の特徴を見ていこう。

単語や文法の知識が乏しい

まずはじめに、単語や文法の知識が乏しいことが考えられる。英語の「音」を正しく理解できていたとしても、単語の意味や文法が分かっていなければ、文章の意味も理解できない。

学生時代に単語を学習する際、単語帳の表に単語、裏に意味を書いて、覚えるまでひたすら繰り返していたという人も多いだろう。「単語の意味を覚える」という目的ではある意味正しい学習方法であるが、英語の「音」と単語が結びつかなければ、リスニングでは役立たないのだ。

また、文法の知識が不足していると、英単語の意味やフレーズを理解できても、文全体の意味まで読み取ることは難しい。短文を何とか乗り切ったとしても、長文になると全く歯が立たないということもありえるだろう。

英語特有の音やテンポに慣れていない

続いて、英語特有の音やテンポへの不慣れが考えられる。英語には、日本語にない発音の強弱やイントネーションが存在する。普段日本語を耳にしている日本人にとって、英語特有の音やテンポに慣れるのは難しく、スムーズに聞き取りにくいのだ。

英語の発音ルールを理解できていない

英語の発音ルールが理解できていないことも、リスニングが上達しない大きなポイントだ。英語には、「リエゾン」と呼ばれる、2つの音がつながって発音される音変化がある。具体的な例を見てみよう。

「give up」を「ギブ アップ」と発音した人、これはリエゾンを理解していない人だ。ネイティブは「ギバップ」とつなげて発音する。

このように、英語は音と音がつながって発音することも多いため、リエゾンを理解しているかどうかで、リスニングにかなりの差が生まれてしまうのである。

頭の中で英文を日本語訳してしまっている

続いて、英文を聞いた途端すぐに日本語訳してしまう癖が付いている人も要注意。リスニングの途中で翻訳してしまうと、訳すことに意識が向いてしまい、次の単語や文章を聞き逃してしまう可能性がある。「一部だけしか内容を理解できなかった」と感じたことがある人は、脳が「日本語訳しなければ」と癖付いているのかもしれない。

はじめから完全に理解する必要はなく、まずは最後まで聞く。すぐに日本語訳するのではなく、英語を英語のまま理解することが重要なのだ。

「聞き流し」だけで勉強した気になっている

「聞き流し」とは、通学・通勤中などに何となく英語のラジオを聞いたり、リモートワーク中に海外の英語番組を流したりなど、とりわけ集中せずに英語に耳を傾けることである。初心者でも取り掛かりやすく、人気の英語学習法ではあるが、「聞き流し」だけで勉強した気になるのは非常にまずい。

流れてくる音声を理解できる英語力が身に付いているのならば話は別だが、意味の分からないことをいくら聞いても、全く身に付かないのだ。「聞き流し」が効果的になるのは、発音ルールや単語、文法をある程度理解してから。「英語に慣れる」という意味で初心者が「聞き流し」を取り入れるのはいいが、並行して単語や文法、発音の学習を行うことが必須である。

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英語リスニングが上達する効果的な勉強法

それでは、英語リスニングを上達させるのは、どのような勉強法がいいのだろうか?効果的な勉強法を解説しよう。

語彙力の強化&文法を学習し直す

まず1点目が、語彙力を強化し、文法を学習し直すこと。「高校レベルの英単語・英文法をマスター」することを目標にするとよいだろう。いきなり高校レベルは難しい、と思う人は、まずは中学レベルを目標にしてほしい。

特に、中学・高校で学ぶ文法は、リスニングだけでなく全ての英語学習に役立つ重要な文法が網羅されている。つまり、中学・高校で学ぶ内容をおさえておけば、その知識をベースに、いくらでも英語力を伸ばせるのだ。

発音のルールを学ぶ

2点目は、英語の発音ルールを学ぶこと。先程、英語には、2つの音がつながって発音される「リエゾン」という音変化があると説明した。リエゾンが起きるパターンは主に以下の3種類だ。

1.「子音」+「母音」で音がつながる場合
2.「母音」+「母音」で音がつながる場合
3.「子音」+「子音」で音がつながる場合

単語と単語の連結=リエゾンに慣れることが、リスニング力上達のコツ。動画や教材、レッスンを通して、リエゾンを学び、正しい発音を身に付けよう。

発音練習についてより詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてほしい。

英語の発音の練習方法|初心者も上達する4つのポイントとは

ディクテーションを行う

3点目は、ディクテーションを行うこと。ディクテーションとは、聞いた英文を一言一句漏らさず書き取るトレーニングである。一言一句正しく聞き取る必要があるため、自然と集中し、英語の「音」を聞き取ろうと脳が働く。今まで「なんとなく」理解できていたものを、「正しく」理解することで、リスニング力や推測力、分析力などさまざまな英語力の向上が期待できるのだ。

英語で話す機会を増やす

最後は、英語で話す機会を増やすこと。習うより慣れろではないが、机に向かっているだけではやはり十分身に付いたとは言い難い。他人と英語で会話することで、会話のスピード感や臨場感に徐々に慣れていき、聞き取れる内容が増えていくだろう。

身近に英語を使う人がいない場合、英会話教室やオンライン英会話など、英語のプロを利用するのもおすすめ。講師と会話を重ねることでアウトプットを増やせるだけでなく、苦手箇所の克服や、自分では気づかなかったポイントのアドバイスをもらえる。また、会話のスピードを調節してもらえるので、現時点での英語力にあわせて会話できるのも高ポイントだ。

ここからは、リスニング力の向上に役立つ、編集部おすすめのリスニングアプリ・オンライン英会話サービスを紹介しよう。