オーバーハングはカタログに載っている?
オーバーハングは車選びの際に必ず確認するべき要素の1つと言っても過言ではありません。しかし、カタログに必ずしも記載されているとは限りません。
正確にオーバーハングを知るには、四面図を入手する必要があります。四面図とは正面・後方、側面、上部の車両図にいくつかの寸法が記入されたものです。ディーラーで問い合わせたり、ネットで探すと見つけられるでしょう。
もう1つの方法はざっくりとしていますが、車両の全長からホイールベースの数値を引き算することです。フロントオーバーハング + ホイールベース + リアオーバーハング = 全長ですから、四面図がなくてもカタログの主要諸元情報からオーバーハング全体の長さを把握できます。
カタログの主要諸元情報からオーバーハングを算出する方法
例えばトヨタ アクアは全長4,050mmでホイールベース2,600mmで、フロントオーバーハングとリアオーバーハングの合計値は1,450mmとわかります。
トヨタ ヤリスは全長3,940mm、ホイールベース2,550mmで、オーバーハングは1,390mmです。フロントとリアの詳細はわかりませんが、オーバーハングの数字だけ見ればヤリスのほうが短いことになります。
今やトヨタを代表するスポーツカーのGRヤリスは、全長3,995mm、ホイールベース2,560mmです。計算するとオーバーハングは1,435mmです。
このように、ボディサイズの近い車種でもオーバーハングは異なります。全体のバランスが考えられており、奥が深い要素です。
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オーバーハングの長い車両を運転する時のポイントは?
オーバーハングの長い車両と短い車両の運転時の違いを考えると、長いほうが少しコツが必要です。どのような運転を心がけると良いのでしょうか。
常に前後の位置を把握する
車両最前部と最後部がどの位置にあるのかを常に把握することが大切です。これはオーバーハングの短い車両を運転する際にも当然求められる要素と言えますが、長い分だけ早く接触しやすいです。
特に、日頃運転しない自動車(レンタカーや代車など)が普段運転するものよりオーバーハングが長い場合、「まだいけると思った」事案になりかねません。
対策としては、運転を始める前に、運転席から見える最端部の感覚と実際の位置をリンクさせるところから始めるとよいでしょう。地面とのクリアランスも確かめておくと無難です。障害物前で停止する際には、感覚を頼りにしつつも、少し多めに間隔を持たせましょう。
後退で駐車する際には、自信がなければ一度自動車から降りて、あとどれくらい下がれるのかを確かめるのが確実です。
地面にボディ下を擦らないようにする
オーバーハングが長いと地面にバンパー等を擦りやすくなります。車道と歩道の境にある段差や、急勾配なショッピングモールの駐車場の通路などは要注意です。
真正面から勾配・段差へアプローチするのではなく、斜めから進入・脱出すると擦りにくくなります。
長いオーバーハングに加えて最低地上高が低くなっていると、擦ってしまうリスクも高くなりますので、気をつけましょう。