ざっくり学ぶキャブレターの種類と構造
固定ベンチュリー型と可変ベンチュリー型
キャブレターはその構造で種類分けされています。大きく分けると、固定ベンチュリー型と可変ベンチュリー型の2種類です。可変ベンチュリー型にはピストンバルブ型(VMキャブ)と負圧式(CVキャブ)の2種類があります。
空気を絞ったところで燃料が霧吹きされる
端的にまとめると、インテークから取り入れた空気の通路の途中に幅が狭くなるところ、あるいはピストンバルブのあるところに、ジェットというものがあります。
下側にあるのですが、空気がその狭いところ(ピストンバルブのあるところ)を通過すると、燃料は溜められているところ(フロートチャンバー)からジェットを経て霧状に噴射されるのです。
気圧の高いところから低いところへ移動する法則等が利用されています。
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インジェクションとキャブレターの違い
インジェクションとキャブレターの違いについてすでに少し触れていますが、ここではもう少し詳しく見ていきましょう。
インジェクターの有無
インジェクションが採用されている自動車やバイクにおいて、インジェクターと呼ばれるパーツが燃料を噴射します。これに対してキャブレターでは燃料を噴射するのではなく、負圧を利用して吸い上げて霧吹くような設計ですから、インジェクターは使われていません。逆も然りで、インジェクションの車両にキャブレターはありません。
インジェクションには直噴がある
インジェクションの車両には直噴式というものがあります。シリンダー内部へ直接燃料を噴射するというものです。シリンダーの中へ燃料を直接噴射する仕様はインジェクションならではだからです。上記でざっくりと解説したキャブレターの構造を思い返せば、その違いを理解しやすいでしょう。
混合気を作るのに電気を使うかどうか
しかしインジェクションは電子制御であり、インジェクターも電子制御されていますから、燃料噴射に電気がマストだとわかります。その点、キャブレターは気圧さや負圧を利用して混合気を作っており、この点は大きな違いと言えるでしょう。
おまけ:バッテリーレスのキャブ仕様バイクの話
自動車ではなくバイクのキャブ車の話になりますが、バッテリーレス仕様のバイクもあります。例えば昔の車種を挙げると、ホンダ XLR 250 BAJAという市販車オフロードバイクです。
単気筒・250ccのよくあるオフロードバイクですが、バッテリーは非搭載で、エンジン始動時には専用のレバーをキックする仕様。エンジンが動いている間だけ発電が行われて、ライトやウインカー等の電装部品が点灯・点滅します。
当然キャブ車にも電気は必要で、電気がなければスパークプラグを点火させることは不可能。このバイクはバッテリーレスですが、キャブのバイクでセルモーターが搭載されているものがありますし、自動車のキャブ車には当然のようにセルモーターが備わっています。
キャブレターの歴史は長いですから、時間を経ていろいろな仕様が誕生したとわかるでしょう。