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ももいろクローバーZ 結成15周年イヤーのラストを飾る7thアルバム『イドラ』インタビュー

KING RECORDS TODAY

ももいろクローバーZが、最新アルバム『イドラ』をリリースした。2年ぶり7枚目となる今作タイトル『イドラ』は、ラテン語で「偶像」という意味。「アイドル」の語源のひとつとされている言葉だ。すでに配信リリースされている8曲に加え、リード曲「Heroes」や約8年ぶりの楽曲提供となる清竜人が手がけた「Friends Friends Friends」、ラップチューン「桃照桃神」など、インスト音源を含む新曲7曲の全15曲が収録されている。昨年の結成15周年ツアーを振り返りながら、アルバム『イドラ』に込めた思い、今あらためて振り返る“アイドル”としての自分たち自身など、語ってもらった。

“ザ・王道のアイドルライブ”「QUEEN OF STAGE」


――ニューアルバムのお話を伺う前に、昨年開催していた全国ツアー『MOMOIRO CLOVER Z 15th Anniversary Tour「QUEEN OF STAGE」』は振り返るとどのようなツアーでしたか?



百田夏菜子(以下、百田):アルバムを引っ提げてツアーすることはこれまでもあったんですが、どのアルバムも世界観が強いので、必然的にツアーもとても世界観の濃いものになるんです。でも、『QUEEN OF STAGE』はアニバーサリーツアーで、アルバムのリリースツアーではないツアー自体、きっと初めてくらいで。何もないところから、みんなで最初の段階から打ち合わせして作っていくのも面白かったですし、いろんな土地でいっぱいライブをできたことが素直にうれしかったです。

玉井詩織(以下、玉井):“ザ・王道のアイドルライブ”に憧れはあったんですけど、これまでやったことがなかったんですよ。でも15周年ツアーをやることになって打ち合わせをした時に、今までが特殊な構成だったからこそ、そういうアイドルにとって王道のライブがももクロにとっては新鮮なんじゃないか、という話にたどり着いたんです。いろいろな道を通ってきた15年をもって、あえてアイドルの王道ライブに真っ向勝負してみよう、って。それでタイトルも王道な『QUEEN OF STAGE』にしたんです。実際、やってみたら全部が新鮮でした(笑)。ツアーのためだけの振り付けを作るというのも新鮮でしたし、それぞれのソロコーナーも久々で、楽しかったです。自分たちもワクワクできたし、モノノフさんたちにも新しいももクロを楽しんでもらえたんじゃないかなと思います。

佐々木彩夏(以下、佐々木):セットリストで過去を振り返るというテーマで選曲したメドレーを披露していたんですが、ツアーで毎回感極まっていました。メドレーの時には、後ろのモニターに大きく昔の映像が流れるから、それは恥ずかしかったんですけど(笑)。でもみんながそれを見ながら「私はこのタイミングでももクロにハマったんだよな」とか、いろんな思い出を巡らせてるのが伝わって、気持ちを通じ合わせながらライブができたんです。各地でモノノフさんも感動して涙を流していたり、「15周年おめでとう!」ってたくさん言ってくださって、贅沢な経験をさせてもらってるなって思いました。

高城れに(以下、高城):15周年ツアーは、歌のハモリも含めて今までとまったく違った演出があったり、表現の幅が広がるライブができたと思います。15周年イヤーは、楽曲制作においても自分たちの意見を盛り込んでいただいたり、メンバー同士やスタッフさんたちとのコミュニケーションが多い一年でもあったんです。それはツアーでもそうで、「こういう衣装がいい」「こういうテーマでやりたい」と自分たちの意見を反映してもらえたことも新鮮でした。初心を思い出しつつ挑戦もたくさんして、やり遂げた実感がすごくあったんですよね。ここから次はどんな表現が私たちにできるのか、どんな楽曲を与えてもらえるのか、この先のワクワクが大きくなりました。

アルバムのテーマは“英雄(ヒーロー)の冒険”


――そんな15周年イヤーやツアーを経て、ももいろクローバーZの7thアルバム『イドラ』が完成しました。

佐々木:『イドラ』はラテン語で“偶像”という意味なんです。英語のidol(=アイドル)の語源になったとされる言葉でもあって、今回のアルバムでは私たちなりのアイドルというものを勇者やヒーローに喩えていて。アイドルはかわいかったりきらびやかなイメージもあるけど、強かったりみんなを励ましたり、そういう力強い部分もアイドルらしさであって、そうした勇者の冒険みたいなものをアルバムで表現しました。アルバムの新曲6曲、インストを含めると7曲が軸となって、ストーリー性を感じながら一枚を通して聴いてもらえるなと思ってます。

――リード曲は、まさにその姿を表した「Heroes」ですね。
https://www.youtube.com/embed/C97wWVZjWo0?si=p9z4rtnBk4DXXAnw
高城:今回のアルバムのテーマが“英雄(ヒーロー)の冒険”なので、モノノフさんや何か新しいことを始めようとしてる人、道に迷っている人とか、そうしたみなさんの背中を押せるような曲になってます。「Heroes」はメロディも歌詞も前向きで爽やかですね。特に、私は2番のサビ〈キミが笑うならば/それが全て/ここにいる理由だと思えた〉という歌詞がとっても好きなんです。今まで15年以上やってきて、どんなことがあってもモノノフさんが笑ってくれるならそれがすべてだなと本当に思うので、今の私たちにぴったりな曲だなと思いました。



玉井:私もそこの歌詞が好きです。いいですよねえ。〈キミが笑うならば/それが全て〉って、とってもストレートな言葉だし、私たちがステージに立つ意味と重なるなって。見てくれている人が笑顔でいてくれたら、それ以上の理由はないって素直に思いますね。

佐々木:この曲は、私が珍しくAメロの頭を担当させてもらっていて、それもうれしいです(笑)。〈ほら 手を握る/そこには/嘘なんてひとつもないよ〉って歌詞は、みなさんそれぞれが通ってきた道に対してのアンサーでもあるし、そういう言葉を言ってあげられる優しさを持ったヒーローでありたいという自分の気持ちだったり、いろいろな思いが感じられて素敵なフレーズだなと思いますね。

百田:私は〈神頼みは最終手段〉というフレーズが好きです。メロディも含めて、このフレーズはインパクトが強いと思うんです。今回のアルバムは、自分たちが神さまを連想させるようなビジュアルのキャラクターになったていたり、とても壮大なスケールで描かれている作品でもあるなか、頑張りながらも「テヘ!」って笑って最終手段で神頼みしちゃってる感じがして、なんか人間味が感じられて好きなんですよね。

――身近なヒーロー感も、ももクロっぽいですよね。日本郵政とのコラボレーションで生まれた「MEKIMEKI」など、新曲についてはいかがですか?



佐々木:私たちが日本郵政グループスポーツ応援アンバサダーを勤めさせていただいていて。その一貫で「カラダうごかせ!ニッポン!」プロジェクトで、体操のためのバージョンが先にが公開されていて、そこにアレンジを加えて歌詞を乗せたものが「MEKIMEKI」なんです。曲調は体操のための曲なので、テンポが上がったり急にゆっくりになったり、面白い展開だと思います。体操自体は覚えやすくてとても簡単なはずなのに、MV撮影の翌日は筋肉痛になりました(笑)。ぜひみなさんにも覚えていただいて、ライブでも全員でトライできたらいいなと思っています。

――「桃照桃神」では、ラップも取り入れていますね。

百田:サビがすごくキャッチーで、かっこいいラップ曲ですよね。“ももてらすももみかみ”という造語が、アルバムのコンセプトとも馴染んでいるなと思います。メンバーみんなのラップに勢いがあってかっこいいし、「モノノフ」という言葉がダイレクトに歌詞にも入っているし、ライブでより盛り上がれる曲。「今日は勢いつけていきたいな」という時なんかには、ぜひ聴いてほしいです。

高城:私は最近ラップの曲をよく聴いているので、個人的にも「桃照桃神」は好きな曲です。それに、私たちが歌うかっこいいラップ曲というのも新鮮だなと思っていて。アルバム自体が壮大な世界観であるぶん、この曲がいいスパイスになってるなって。かといって、構えず気楽に聴ける曲調でもあるので、すごくお気に入りです。

――「追憶のファンファーレ」はいかがですか?

玉井:「追憶のファンファーレ」はアルバムのストーリーのなかで挫折を表してる曲で、スローテンポな曲調。私が歌い始めを担当しているんですが、〈なんだか疲れちゃった/ずっと戦ってきたから〉という、少しネガティブな歌詞から始まるんです。でも、過去の自分からエールをもらったり、今の苦い経験がのちの自分にとってはエールになるかもしれないし、背中を押されて「また一歩踏み出してみよう」「また前に進んでみよう」と思えるような楽曲になっています。

個人的にサビの歌詞が、逃げてしまったり、恥をかいたこと、失敗や嫌なことも全部が未来の自分につながっていくから前に進んでいこうというメッセージが込められていて、大好きなんです。誰しもが人生で苦しい思いをしたことがあると思うし、それをただ「頑張ろう」と奮い立たせるのではなく、「わかるよ、疲れちゃったよね」って寄り添って励ましてくれてる感じがするんですよね。スローではあるけれど暗すぎないテンポ感とメロディで、気持ちを前に向けさせてくれる優しさがいいなと思います。

佐々木:「Friends Friends Friends」は、友達はもちろんですけど、それぞれが思う大切な人に置き換えて聴いてほしいなって思います。大事な友達、家族や恋人、パートナー――私たちならメンバーやモノノフさんだったりが当てはまると思います。人と人との愛情が詰まっている曲ですね。この曲は、6年か7年ぶりくらいに清竜人さんに書いていただいたんです。歌詞がかわいくて、私たちの曲でこんなに〈大好き〉とか〈愛してる〉という言葉が入った作品って、実はあんまりないんですよ。メロディもサウンドもキラキラしていてアップテンポですし、おもちゃ箱をひっくり返したような曲。清竜人さんワールドが炸裂するなかで、かわいい歌詞を恋愛に限らない、さまざまな捉え方をしていただけるように私たちなりに歌ってみました。

歌詞は、〈出会いは夢で 別れだけが現実だけど/その狭間で 私たちは一生友達でいよう〉というところがすごくきれいな言葉だなって。先日、番組の収録でガチャピンとムックに「ずっと友達でいようね」って言われて、そこでもふと思い出したフレーズで、思わずキュンとして泣きそうでした(笑)。大人になるとなかなか言わない言葉だし、そんなことを久しぶり言われたら「ずっとお友達でいる!」って。相手に素直な思いを伝えるのって本当に素敵だなと思ったんです。

――そして、アルバムラストを締めくくる「idola」は8分越えの超大作ですね。



高城:「idola」は、アルバムの最後の最後で不思議な世界にグッと引き込まれるようなすごい曲ですよね。アルバムはポップな曲が多めだけど、それが「夢だったの?」と思わせるような感じもあるし、この先も続いていく覚悟のようなものも感じられる曲だなと思います。

百田:過去イチで難しい曲でしたね。このアルバムのタイトル曲なだけあって、想像しきれないほど壮大な世界観で、使われてる言葉もすごく難しいんです。だけど、この曲じゃないと締めくくれないと思うくらい、アルバムにおける存在感も感じました。この曲でアルバムを締めるというのも新たな挑戦だなと思いましたね。好きなパートは最後の〈大きく名前を呼んで〉というところです。アイドル活動をしてきたなかで、たくさんの方に名前を呼んでいただくんですけど、それって本当に幸せなことだなって感じるんです。日常では名前を呼ばれる場面がそう多くはないから非現実的でもあるし、あんなに名前を呼んでもらえるのはアイドルの特権だなって思ったりもします。これからもたくさん名前を呼んでもらえたらうれしいなとあらためて感じました。「idola」というタイトル通り、アイドルらしさが最後の最後にフレーズで込められていると思います。

――16年目に突入して、この先やってみたいこと、挑戦したいことは何かありますか?

佐々木:メンバーと海外旅行に行く!

百田:あ、最近あーりんがタイでライブをしてきて、「すごい楽しかった」って言ってたよね。それ聞いて、「みんなで海外ライブをしに行こう!」って話をしていました。

高城:やっぱり海外でライブをしたいですね。

百田:アメリカツアーしたのもすっごく前だしね。

佐々木:8年前とかだよね。アジアツアーとかも行ったよね!

玉井:あとフランスの『JAPAN EXPO』とか。

佐々木:ドイツも行ったし、あとマレーシアも行ったことあるよね?

百田:久々に海外のライブに挑戦したいなって思います。

高城:楽曲も増えたし、海外の音楽好き、アイドル好きのみなさん、そして海外のモノノフさんたちに、今のももクロのライブを届けたいです!



取材・文:土屋恵介
ヘアメイク:竹内美紀代(KIND)、MIU(KIND)、横山藍(KIND)、RIKO(KIND)
スタイリスト:飯嶋久美子(POTESALA)



Information


ももいろクローバーZ 7th ALBUM『イドラ』
発売日:2024年5月8日(水)

【初回限定盤】
形態:CD(4枚組)+Blu-ray(2枚組)
価格:¥12,000(税抜価格:¥10,909)
品番:KICS-94140

<収録内容>
[CD]
・DISC1:「イドラ」(収録内容未定)
・DISC2:「イドラ」(off vocal ver.)
・DISC3:「QUEEN OF STAGE」(2023.10.15 ツアーファイナル公演) LIVE CD 前半(仮)
・DISC4:「QUEEN OF STAGE」(2023.10.15 ツアーファイナル公演) LIVE CD 後半(仮)

[Blu-ray]
・DISC1:「イドラ」メイキング映像(仮) + MUSIC VIDEO(内容未定)
・DISC2:「QUEEN OF STAGE」15th Anniversary Tour MOMOIRO CLOVER Z (2023.10.15 武蔵野の森総合スポーツプラザ ツアーファイナル公演)

【通常盤】
形態:CD Only
定価:¥3,300(税抜価格:¥3,000)
品番:KICS-4140

<収録内容>
【初回限定盤】CD DISC1と同内容

<DISC1「イドラ」収録楽曲>
01. 序章 -revelation-
02. Heroes
03. Brand New Day
04. Re:volution
05. MEKIMEKI
06. MONONOFU NIPPON feat. 布袋寅泰
07. 一味同心
08. 桃照桃神
09. Majoram Therapie
10. 追憶のファンファーレ
11. いちごいちえ
12. L.O.V.E
13. Friends Friends Friends
14. 誓い未来
15. idola

<特典Blu-ray「QUEEN OF STAGE」セットリスト>
01. QOS OPENING
02. 走れ! -ZZ ver.-
03. DNA狂詩曲(ラプソディ)
04. PUSH
05. 笑ー笑 ~シャオイーシャオ!~
06. Another World
07. じゃないほう
08. バイバイでさようなら
09. Guns N’ Diamond
10. PLAY!
11. ゴリラパンチ
12. Nightmare Before Catharsis
13. Re:volution
14. HAND
15. リバイバル
16. A-rin QOS REMIX MEDLEY
17. 赤い幻夜
18. 天国のでたらめ
19. GOUNN
20. MONONOFU NIPPON feat. 布袋寅泰
21. QUEEN HISTORY MEDLEY
22. 行くぜっ!怪盗少女 -ZZ ver.-
<ENCORE>
23. overture ~ももいろクローバーZ参上!!~
24. DECORATION
25. 誓い未来
26. 吼えろ

特設サイト:https://mcz-release.com/sound/idola/
ダウンロード・ストリーミング:https://mcz.lnk.to/idola