岸田文雄首相の政権運営を左右するといわれた4月28日投票の衆院3補欠選挙で、自民党は島根1区で敗北、東京15区と長崎3区での不戦敗を含め3戦全敗という悲惨な結果となった。
それを尻目に立憲民主党が全勝したことから、裏金問題や補選で惨敗しても首相や党執行部が責任を取らないこの政権与党の機能不全ぶりが浮き彫りとなっている。
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自民党が旧民主党に政権を奪われたのは2009年だったが、止まらぬ自民党の〝劣化〟に、再び立憲民主党への政権交代が現実味を帯び始めているのだ。
全国紙政治部記者が言う。
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「自民が全敗した以上、首相は当面解散できないでしょう。党執行部は当初、全敗しても7月7日投開票の東京都知事選と衆院選の〝七夕ダブル選挙〟を仕掛け、3選を目指すとみられる小池百合子都知事と連携すれば衆院選での勝ち目はある、とみていた。しかし、頼みの綱の小池氏も失速。シナリオが大きく崩れ、政権交代の機運が高まっているのです」
というのも、昨年12月の江東区長選、今年1月の八王子市長選などでは小池氏支援の候補者がことごとく当選した。
ところが、4月の目黒区長選では地域政党「都民ファーストの会」が支援した候補が現職に敗れ、今回の東京15区の補選でも同党推薦の乙武洋匡氏が5位に甘んじた。小池氏の神通力に陰りが出ているのは明らかなのだ。
そうした状況下で首相が睨んでいると評判なのが、このまま9月の任期満了に伴う自民党総裁選になだれ込み、再選を果たした上で来年の通常国会冒頭の1月解散、または来年度予算成立後の4月解散に持ち込むという戦略だ。
来年7月の参院選とのダブル選挙は公明党が嫌っているだけでなく、負け幅に拍車がかかりかねないため、その前の決着を望んでいるのだ。
政治部デスクがこう語る。