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公開処刑も効果なし、北朝鮮が打ち出した「韓流ドラマ」一掃作戦

アサ芸Biz

 北朝鮮が、「韓流作品」の視聴や流布を禁じ、罰則を強化する「反動思想文化排撃法」を制定したのは2020年12月のこと。むろんそこには、住民の思想統制の支障になる韓国文化の浸透を抑え、体制の引き締めを図る狙いがあることは言うまでもない。

 しかし、韓国ドラマやKポップの海賊版などが闇市場を通じ流通し始めた2000年代以降、それらを求める北朝鮮の若者たちは後を絶たない。

「韓国ドラマの影響もあり、近年では夫を『オッパ(お兄さん)』と呼び、交際相手の男性を『ナムジャ・チング(男友だち)』と呼ぶ北朝鮮女性も増えているようです。むろん、密告社会の北朝鮮ですから、会話は夫婦間、恋人間だけで、ということになるのでしょうが、一度入ってきた文化をそう簡単に排除することは出来ないため、現政権も相当神経をとがらせてきたようです」(北朝鮮ウオッチャー)

 しかも、韓国国境に隣接する地域では、微かではあるものの、いまだ韓国の地上波放送の電波が入ることもあり、政府としても取り締まりに苦慮している状況だったとされる。そこで、今回、金正恩総書記が、日本で「派出所」にあたる分駐所長を一堂に会して、末端まで徹底的に取り締まりを強化するとぶち上げたことが5月6日、朝鮮中央通信などにより明らかになった。

 報道によれば、正恩氏は分駐所を「社会安全政策の直接的な執行単位であり人民本位の基本拠点」と規定し、「わが国家の存立と発展の礎石である一心団結をしっかりと守る城塞となり、人民を保護する防弾壁になるべき」とする一方、「社会主義のわが祖国を侵害するあらゆる要素と断固闘争する鋭利な刃」になるべきだと強調。韓流ドラマの一掃を指示したと伝えられる。

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「正恩氏はこの数年で、反動思想文化排撃法をはじめ、平壌文化語保護法等、相次いで韓国文化流入遮断のための法律を制定。さらに韓国ドラマを見たというだけの理由で公開裁判を行い、見せしめとして多くの若者たちを公開処刑にするなど、相当強引な手段を取ってきた。しかし、彼らが初めて目にする韓国ドラマは、まさに夢の世界で、流入は一向に収まる気配がない。近年は苦肉の策として、見つかる前に自首し『不純宣伝物』をどのような経路で入手し、誰と見たのかなどをすべて話せば罪には問わない、というキャンペーンを張ったものの、若者たちもバカじゃありませんからね。そんな甘い言葉には騙されるはずもなく、検挙率は低下し、正恩氏も怒りを募らせていたと伝えられます」(同)

 というわけで、今回、その最終手段が「分駐所」総動員での取り締まり強化となったと思われるが、情報筋によれば、「韓流作品を流布させた罪で、見せしめ公開処刑も継続していく意向」とのこと。ドラマを見ただけで死刑になる…。現代社会で、いまだにこんな恐ろしい国が現存していることに、改めて驚愕するばかりである。

灯倫太郎

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