陸奥親方の定年退職により、大関霧島が同じ時津風一門で元横綱鶴竜が師匠を務める音羽山部屋へ転籍した。陸奥親方は再雇用の「参与」として相撲協会に残り、霧島とともに音羽山部屋に移った。
相撲ライターが言う。
「3月の春場所では首の負傷が響き、5勝10敗と散々な結果でした。場所前の稽古でアクシデントに見舞われたそうで、NHKの放送では伝えらなかったが、本人は『痛くて全然稽古ができず、寝られなかった』と話していました」
3月末から始まった春巡業も「頚部挫傷、両肘挫傷、右上腕三頭筋腱炎」のため休場、4月11日の静岡県御殿場市での巡業から合流した。
ほんの一場所負け越す間に、幕内の土俵は様変わりした。新入幕の尊富士が優勝し、大の里が三賞を獲得。5月の夏場所から大関琴ノ若が「琴桜」を襲名し、横綱を目指す。豊昇龍も手強い。
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2度目のカド番で夏場所を迎える霧島は、並み居る強豪相手に大関陥落の恐れもある。
「音羽山部屋に転籍となっても、霧島はこれからも同じ環境で稽古できます。モンゴルの先輩・元横綱鶴竜が身近にいるため、あれこれアドバイスももらえるでしょう。霧島にとって相撲巧者の音羽山親方のアドバイスは陸奥親方以上にためになるはず」（前出・相撲ライター）
霧島は横綱照ノ富士を大の苦手にしている。それを克服するには音羽山親方の知恵が必要なのだ。
「鶴竜は流暢な日本語を話しますが、実は英語やロシア語も得意。一家は全員インテリです。相撲では白鵬に苦杯を嘗めさせられたが、力士のデータは全部頭に入っている。もちろん、照ノ富士の弱点もです」（同）
これまでは陸奥親方の手前もあって遠慮してきたが、これからは貪欲に同郷の元横綱から学び取っていくだろう。霧島の夏場所が俄然、楽しみだ。
