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高橋一生、岸辺露伴の「医食同源」に強く共感

シネマトゥデイ

「岸辺露伴は動かない」密漁海岸より岸辺露伴(高橋一生) – (C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS / SHUEISHA (C)NHK / NEP /P.I.C.S.

 「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの漫画家・荒木飛呂彦の原作を高橋一生主演で実写化したNHKドラマ「岸辺露伴は動かない」の新作エピソード「密漁海岸」がまもなく放送される(5月10日よる10:00~11:00・NHK総合で放送)。相手を本にして記憶を読む能力を持つ風変わりな漫画家の岸辺露伴役が当たり役となり、2020年に始まったドラマシリーズも今年で5年目に突入する高橋が、劇中に登場するある言葉をきっかけに「食」に対する考えを語った。

 本シリーズは「ジョジョの奇妙な冒険」のスピンオフ漫画である「岸辺露伴は動かない」を原作のメインとし、2020年から2022年にかけて3シーズンにわたって計8エピソードを放送。毎シーズン大きな反響を呼び、パリでロケを行った映画版『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』も制作された。ドラマの9作目のエピソードとなる「密漁海岸」で露伴が対峙するのは、幻のアワビ。家の近くにひっそりとオープンしたイタリアンレストランで客の体の悪いところを改善させる不思議な力を持った料理を提供するシェフのトニオ・トラサルディ(Alfredo Chiarenza)から、どんな病気でも治してしまうという伝説のヒョウガラクロアワビを手に入れようと密漁を持ちかけられる。

 昨年5月に映画が公開されて以来、約1年ぶりに姿を現す“高橋露伴”。「密漁海岸」は原作ファンの間でも人気の高いエピソードで、先ごろ行われた記者会見では制作統括の土橋圭介が「ファンの皆さんから映像化してほしいという声が多かった作品」と話していたが、水中も含め荒唐無稽な描写が多いことからもハードルは高いと見られていた。高橋自身は「初めから(映像化)可能と思っていた」と言い、「シリーズ1期の後ぐらいから「密漁」をやるのかなと思っていたぐらいで、あとはいつ声がかかるのかなと。『ルーヴルへ行く』もそうですが僕自身は難しいとは思っていなくて、水中撮影さえクリアすればできるんじゃないかなとは思っていました」と初期から視野に入れていたという。

トニオ・トラサルディ(Alfredo Chiarenza)、露伴の担当編集・泉京香(飯豊まりえ)

 原作エピソードの魅力については「露伴が自分の信念を貫こうとするスタイル」だという高橋。「周りが決めたルールをどうやって乗り越えていくか。自分の信念のために密漁という禁じられた行為をどうやってくぐり抜けていくのかということを画策する。まあ、法を犯すという点においてはぎりぎりのところに落ち着いてはいますが。また怪異に頭を突っ込んでいるように見えるんでしょうけれど、僕がやってみたいと思ったのはそんな露伴像でした」と話す。

 本作は食を巡るミステリーでもあり、露伴が劇中「医食同源」(※食事に注意することが病気を予防する最善の策であるという考え方)という言葉を口にするが、高橋自身、この言葉に強く共感するという。

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 「食は体に影響を及ぼすものだと思います。例えば食べるものによって吹き出物ができてしまったり、人間の体は割と素直ですよね。なのでいいものを食べていたいとは思っています。昔はそんなこと全然考えませんでしたが、最近は意識するようになりました。米1つとっても、農法によって味が全く違うとわかるので、体に入れるものに対しては気にするようにしています」

 「食生活」といえば、かつて高橋は「一日一食」が基本と発言していたこともあるが「あくまでその時そうだっただけで、その時のコンディションに合わせて決めている」と言い、現在のスタンスについてはこう語る。

 「僕は、“お腹が空いていなくても三食とらないといけない”と無理に食べるのはあまりよくないなと思っていて、“本当にお腹空いてる?”と自分の身体に聞くようにしています。本当にお腹が空いた時に食べる、という感じです」

 ところで、映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』ではパリのルーヴル美術館でロケを行う大がかりな撮影となったが、シリーズが大きくなっても気負うことはなく冷静だ。

 「露伴においては早くから自信を持っていたのと、映画だから何か変わったかというと海外に行ったことぐらいで基本的にはドラマシリーズと変わらない感覚です。もちろん観てくださる方々にとっては劇場に足を運ぶとか、尺が長くなったりとか、いろんなことを感じられると思うんですけれど、演じている側からするとあまり差はないんです。よくインタビューなどで“映像と舞台の違いは何ですか?”“映像と演劇でお芝居を変えてますか?”と聞かれるんですけれど、僕は作品によって芝居を変えているだけであって、舞台だからと芝居を変えるわけではないんです。このシリーズについてもそれと全く同じことが言えると思っていて、映画だから芝居を変えた、大変だったということはないです。だから今回テレビに戻ってきても、テレビをやっているという感覚にはならないですし。あくまで露伴をやっているという感覚でしかない。話のテイストによって、芝居の拡大、縮小というのは行ってますけれど、それ以外のことはあまり考えたことはないですね」

 シリーズを重ね、もはやライフワークになっている感覚はあるという高橋。しかし、常に頭のどこかにあるという感覚ではなく別の作品に入っているときには「スポンって抜けます」ときっちり切り替えを行っている。

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