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「相手の戦術を個人戦術で機能させないことができる」1対1でもAZ菅原由勢は「負けるわけねえ、という感じ(笑)」。“終盤の炎のプレー”にファンも喝采【現地発】

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「相手の戦術を個人戦術で機能させないことができる」1対1でもAZ菅原由勢は「負けるわけねえ、という感じ(笑)」。“終盤の炎のプレー”にファンも喝采【現地発】(C)SOCCER DIGEST Web
 オランダリーグで4位のAZは現地5月5日、3位のトゥベンテに2-1で競り勝ち、その差を勝点2に詰めた。AZは残り2節に来季のCL(予備戦)出場権を懸ける。

 立ち上がり5分に早くもトゥベンテに先制点を許したこともあり、AZの右SB菅原由勢は攻撃志向のポジション取りでプレー。43分にはチームメイトが左サイドで幾重ものショートコンビネーションから作ったビッグチャンスを、菅原が仕留めようとしたがシュートはゴールの枠を捉えきれなかった。

 そんな菅原が本領を発揮したのが、CFパブリディスのシュートで2-1と逆転した66分から。前掛かりになって反撃しようとしたトゥベンテの戦意を削ぐように、菅原は右サイドに広がるスペースに味方を走らせたり、相手SBが処理しづらそうなロングボールをシンプルに蹴ったりすることを徹底した。

 57分から対峙したトゥベンテのウインガー、ミッチェル・ファン・ベルヘンとの1対1に菅原が全勝したことも大きかった。菅原は「交代選手(ファン・ベルヘン)の特徴を見たら、前半、ウイングバックみたいに高い位置を取った僕の背後のスペースを使いたかったんだと思う」と敵の采配意図を汲み取っていた。
 
「『僕が(サイドの攻防で)負けたらチームが負ける』という責任感を持ちながらやりました。AZがボールを持っても、僕はちょっと上がりづらくなった。そこは相手も考えていたのかもしれない。だけど、相手の戦術を個人戦術で機能させないことができると思っていた。相手のツボにハマらず対策できて、そこで優位に立てたのは大きかった」

 ファン・ベルヘンがピッチに入るまでプレーしていたナシ・ウヌバルは、選択肢の一つにドリブルがあるタイプ。一方、ファン・ベルヘンは第一の選択肢がドリブルで仕掛けるというタイプ。菅原はファン・ベルヘンのようなドリブラーに対して滅法強い。

「相手は僕に対して1対1で勝負を仕掛けようと思っていたようなので、『負けるわけねえ』という感じでした(笑)。

 相手に自由を与えず選択肢を削っていって、クロスを上げるしかない状況にすることを意識していた。今まで素晴らしい対戦相手の選手とやり合ってきたし、今日の選手(ファン・ベルヘン)も寄せないとやられてしまうスピードがあった。僕のレベルを上げてくれたのは、そういう素晴らしい選手たちとの1対1。そのことは間違いないから、本当に楽しめてます」

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 AZはアヤックス(現在5位)に連勝していることもあり意外だったが、今季のAZはトゥベンテに勝利するまで上位3チーム(PSV、フェイエノールト、トゥベンテ)に対して5戦全敗だった。

「AZが今の順位(4位)にいる理由はそこ。トゥベンテが安定した良いシーズンを送っているのは間違いない。僕らはそれ以上に不安定なシーズンを送っている。勝点をしっかり取っておけば、自ずともっと高い順位にいたはずです。AZには安定性が足りなかったと思います」

 これまで何度も菅原が魅せてきた『試合終盤の炎のプレー』が今日も出た。今回は、自身の背後に蹴り込まれたロングボールを、身体を崩しながら懸命にヘッドに当てたバックパスが正確にGKに届いたシーンだった。
 
 この瞬間、サイドライン際に座っていたAZファンが一斉に席を立って喝采を送った。そしてAZの勝利を告げるタイムアップの笛。3位トゥベンテにプレッシャーをかける大きな勝点3だ。

「正直、トゥベンテのことは気にしてない。AZは一つ一つ勝つだけでしか(3位への)可能性を広げられないので、自分たちに集中するだけだと思います」

 過酷な戦いを強いられることで有名なゴー・アヘッド・イーグルスとのアウェーゲーム、名将ロン・ヤンス率いる好調ユトレヒトとの試合に、AZと菅原は人事を尽くして天命を待つ。

取材・文●中田 徹

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