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【独占動画】「生きとし生けるもの」妻夫木聡×渡辺謙スペシャル対談

テレ東プラス


 

妻夫木聡×渡辺謙、作・北川悦吏子、監督・廣木隆一という強力布陣でおくる、テレビ東京開局60周年特別企画ドラマスペシャル「生きとし生けるもの」【5月6日(月・休)午後8時】。

【動画】妻夫木聡×渡辺謙「生きとし生けるもの」予告

人生に悩む医者・佐倉陸(妻夫木)と、彼の患者で余命宣告された作家・成瀬翔(渡辺)が、「人は何のために生き、何を残すのか」という永遠の問いの答えを求めながら日本各地を巡るヒューマンドラマ。
北川作品は20年ぶりとなる妻夫木、今回初出演となる渡辺は、脚本からどんなメッセージを受け取ったのか。



――北川悦吏子さんが「この15年来、脚本家としてどうしても書きたいと思っていたテーマだった」と語る本作。脚本を読んで、どんな感想を持ちましたか?

妻夫木「北川さんが書く世界観は独特で、少しファンタジックなところもありますが、“こういう世界があったらいいな”と思わせてくれるんですよね。登場人物についても“こういう人がいたらいいな”とか“こういう相手がいたらいいな”と、自分とどこか重ね合わせて、一緒に人生を生きているような感覚にさせてくれる。

今回の作品も同様に、脚本を読んで、生きる上での喜び、哀しみ、希望、絶望…その全てを受け止めて、僕は“陸とともに旅に出たい”と素直に感じられた。出なければいけないという、どこか使命感にも近いものを感じていたかもしれません。
僕らの仕事のほとんどはフィクションですが、それくらい“この嘘を真実にしてもいいんじゃないかな”と思わせてくれる脚本でした」


――妻夫木さんは「オレンジデイズ」(TBS系)以来20年ぶりの北川作品。渡辺さんは初めての出演となります。

渡辺「僕は、これまで医療ものの作品への出演はほとんどお断りしていたんですよ。自分自身が20代、50代の時に入院した体験があるため、“本当に苦しむ患者の気持ちを描けるの?”という葛藤があったからです。今回も、その思いを綿々と書き募ったメールを北川さんに送って、お断りを入れました。

ところが、北川さんからその3倍くらいの長いメールが届きまして、彼女もまた難病と向き合いながら執筆活動を続けていて、独特の死生観を持たれていることを知りました。患者がただ苦しいだけ、つらいだけではなく、“喜びや幸せってなんだろう”ということを置き手紙のような形で書きたいとも綴られていました」

――そして完成したのが、人生に悩む医者と余命宣告を受けた患者が「人は何のために生き、何を残すのか…」その答えを探しながら日本各地を巡る物語でした。

渡辺「脚本を読ませていただいて、“医者が患者の死をコントロールしてもいいものか……テレビでこれをやって大丈夫なのか”と一瞬思いましたが、成瀬のある種、生きることへの執着、陸をはじめとする、彼を支える人々の愛が丁寧に描かれていた。北川さんが感じてきた“生きること”“死に向かうこと”。それらを演じてみたいと思わせてくれる脚本でした。

また、死という非常に根源的なドラマを描きながらも、そこは“北川節”と言いますか、ライトで明るい光景で最後はちゃんと落ちる。そして、それが結果、陸の再生にもつながる。そういう前を向いたドラマになるのだなと思いました」


――長年がんと闘い、余命宣告を受けた独り身の作家・成瀬と、とある事情で外科から内科に移り、妻子とも別れた主治医の陸。実際に演じて得たもの、感じたことは何でしょう?

妻夫木「何のために生きているのか――僕は家族のために生きているということを、はっきりと感じるようになりました。結婚して子どもができるまでは、そういうこともあまり考えなかったですし、役者という職業が好きで、日々邁進するのみ。言ってみれば、いつ死んでもいいくらいに思ったことがあった。でも逆に、今は家族ができて“死ねないな”と強く思います。

1分1秒生きることが、とても貴重なのだと思えるようになりましたし、コーヒーを飲んでいるその瞬間だけでも幸せを感じられるようになりました。昔はコーヒーの匂いを嗅いで、“ああ、おいしい。いい匂いだな”とか感じることがなかったんですけど、今は少しずつ物事に対して冷静に見れるようになってきた。この作品を通じてより一層、“生きる”ということを身に染みて感じるようになりました」

渡辺「“生きる”と言葉にしてしまうと大仰な感じがするんですけど、今、妻夫木くんが言ったように、例えば、夜寝る前の布団に入ったときの幸せであるとか、そういう小さな瞬間、幸せの積み重ねなんだよね……ということを改めて感じるようになりました。
おそらく北川さんもつらいことや苦しいことがあった中で、そうした小さな幸せみたいなものを日々見つけて生きていらっしゃるんだろうなと、陸や成瀬らの姿を通じて感じました」


――陸と成瀬、同じような状況に置かれたとして、ご自身だったらどんな行動を取ると想像しますか?

妻夫木「仮に僕が余命を宣告されたとして考えることは、やはり家族のことになりますよね。最期の瞬間近くにいなかったとしても、みんなが健康で元気だったらそれでいいな……という。今は本当にそれだけです。年齢とともに、自分の欲でああしたい、こうしたいということがあまりなくなってきたこともあります。

あとは、いただいた仕事に全力を尽くすことが、僕にとっては一番幸せな瞬間なので、最期の時まで役者をやっていられたらうれしいですね」

渡辺「僕は成瀬と同じで、考えても何も思い浮かばないと思います。仕事にしろ人生にしろ、目標やゴールを設定していないので、きっとその瞬間も、目の前に来るものとどう向き合うかで精一杯なんだろうなと想像します。

目の前のものと必死で向き合う……例えば、一つの作品をやっていても大変な日もあれば、楽しい日もあるし、無駄な1日もたくさんありますが、それが積み重なることで作品になっていくわけです。そうやって人生も、最期の時まで何かしら積み重ねていけばいいと思っています」

【妻夫木聡 プロフィール】
1980年12月13日生まれ。福岡県出身。1998年、ドラマ「すばらしい日々」で俳優デビューし、2001年「ウォーターボーイズ」で映画初主演。映画「悪人」、「ある男」、大河ドラマ「天地人」、ドラマ「オレンジデイズ」、「Get Ready!」など主演作多数。

【渡辺謙 プロフィール】
1959年10月21日生まれ。新潟県出身。1980年、俳優デビュー。1987年、大河ドラマ「独眼竜政宗」で主演を務める。映画「ラストサムライ」、「硫黄島からの手紙」、「沈まぬ太陽」「許されざる者」、「GODZILLA ゴジラ」、ドラマ「わが町」シリーズなど、代表作多数。

妻夫木聡スタイリスト:小松嘉章(nomadica)、ヘアメイク:勇見勝彦(THYMON Inc.)
渡辺謙スタイリスト:JB、ヘアメイク:倉田正樹(アンフルラージュ)
衣装協力:BURUNELLO CUCINELLI
問い合わせ先:ブルネロ クチネリ ジャパン株式会社/03ー5276ー8300

(取材・文/橋本達典)

【ストーリー】
余命宣告を受けた作家・成瀬翔(渡辺謙)は、長年がんと闘ってきた苦しみから主治医の佐倉陸(妻夫木聡)に「殺してくれ」と懇願する。陸はなぜかあっさり引き受けるが「死ぬ前に生きませんか?」と続けた成瀬に「死ぬまでにやりたいこと」を尋ねると「風を浴びたい」との答え。そこで陸は成瀬をバイクで旅に連れ出してしまう。
2人の失踪は上司の小宮滝人(田中哲司)や看護師・菅田陽子(大政絢)らの知る所に。しかも研修医・吉岡薫(杉野遥亮)は陸が人を死に至らしめることができる薬を薬品棚から持ち出すのを目撃していた…。
旅の中で“ボーヤ先生”“オッサン”と呼び合うほど友情が芽生えていく2人。久々の故郷、初恋の人・中野百合(原田知世)との再会、そして成瀬の旅の本当の目的が明らかに。一方の陸も、あることがきっかけでメスを握れなくなった自分の苦い過去を語り始めるのだった。人生最後の旅を通して「人は何のために生きるのか」を模索するロードムービー。

【作】北川悦吏子
【監督】廣木隆一
【音楽】大友良英
【出演者】
佐倉陸…妻夫木聡
成瀬翔…渡辺謙

中野百合…原田知世
吉岡薫…杉野遥亮
菅田陽子…大政絢

井上雪子…丘みつ子
小宮滝人…田中哲司

幸田ちひろ…満島ひかり

 
 
   

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