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THE ONE、テクノロジーとポップカルチャーの祭典<大阪コミコン>に刻んだ衝動

BARKS


THE ONEが、2024年5月3日〜5日に「テクノロジーとポップカルチャーの祭典」をテーマにインテックス大阪で開催された<大阪コミコン>に参加。5月3日に特設リングステージの舞台へ上がり、3日間に渡る祭典の幕開けを飾るという大役を担うライブを行った。

◆ライブ写真

この日のライブを行うにあたり、THE ONEは、ギタリストのCharが考案したピラミッド型のギター&ベースアンプ、その名も“Pyramid Amp”(注釈を参照)を舞台の左右に設置。1本の弦楽器でギターとベースを同時にプレイするハイパーバリトンギターを駆使する安達仁は、フェンダーBajosexto guitarを、ギターとベースの音を同時に弾くことができるハイパーバリトン仕様に改造して臨んだ。

この日のライブでは、ギターの弦音をギターアンプに、ベースの弦音をベースアンプに繋ぐ形で演奏。「大阪コミコン」が標榜する「テクノロジーとポップカルチャーの祭典」に相応しい、次代を担う楽器たちを用い、国境を超えて人々の心に響く音楽を届けてくれた。

勇壮なSEに乗せて、3人が舞台へ登場。安達仁の奏でるアルペジオの音色に乗せて、両手でマイクを強く握りしめた大石裕太郎が、広い会場中にいる人たちへ想いを伝えるように歌いだす。角本雄亮がしなるスネアの一打一打を叩きだし、そこへ安達仁のザクザクと歪む音が重なるのを合図に、楽曲は一気に唸りを上げ、熱を抱いた音を轟かせた。


冒頭からTHE ONEは、激しくもエモーショナルな「Go beyond your limits」を手に、会場に足を運んだ人たちに心を揺さぶる衝撃を与えてゆく。何気なくライブを見ていた人たちも多かった客席だったが、演奏が進むごとに強烈な歌と音の衝撃に心を奪われ、3人の姿を食い入るように見つめていた。大石裕太郎の歌声が巨大な会場を揺らすたびに、THE ONEの演奏するステージに向かって足を運ぶ人たちが増えはじめる。「奇蹟を起こせるのは あきらめない奴だけ」──自分たちの経験を踏まえたメッセージの数々が、観ている人たちの気持ちを奮い立てる。

続く「起源」でも大石裕太郎は、胸の内から沸き立つ想いを、揺さぶるその身を共鳴体にして歌っていた。揺るがない意志を刻んだ言葉の数々を届ける彼の歌声を、激しく駆ける安達仁と角本雄亮の演奏が力強く突き動かす。ハイパーバリトン仕様にした安達仁の掻き鳴らすMIDDLEとLOWが絡み合った音と、ときに雷鳴のごとく強烈な音を叩き出す角本雄亮のビートが、大石裕太郎の気持ちに火をつける。だから彼は身体を深く折り曲げ、剥き立つ想いへ突き動かされるまま全力で歌いあげていた。2曲の演奏を終え、場内のあちこちから共感の声が上がっていたことが、この会場に生まれた空気を物語っていた。

角本雄亮の叩き出すタイトなビートに乗せ、安達仁の掻き鳴らすギターが切れ味鋭い音を響かせる。ソリッドな演奏の上で、大石裕太郎がエモーショナルな声を魅力に「Lonely night」を歌いはじめた。安達仁のハイバーバリトン使用の楽器が、ギターとベースの音を交互に演奏。重厚なベース音とシャープなギターの音が交錯する演奏の上で、熱情した声で大石裕太郎が歌いあげる。サビで3人が見せた、胸をくすぐるキャッチーな歌声や演奏。初見で聴いても一緒に口ずさめる歌に合わせ、場内では拳を振り上げる人たちの姿も。音の抜けが良い巨大な会場らしく、ドラムを叩く音に力が入るごとに、その打鍵が音の響きを倍増しながら、この場を揺らすような様を見せていたのも印象的だった。激しく攻めるだけではなく、クールさを抱いた中で熱を膨らませる演奏も、気持ちを嬉しく揺さぶっていた。


とても激しくて攻撃的な「Flames」の演奏が始まったとたん、スタンディングで見ていた人たちはもちろん、それまで椅子に座っていた人たちも一斉に立ち上がり、演奏に合わせてクラップを始めた。突き刺すような演奏陣の音が、騒ぎたい感情のスイッチを次々と押していく。奮い立つ想いを強い言葉に乗せて歌いあげる大石裕太郎の姿に向かって、場内のあちこちで腕の振り上がる景色が生まれていた。けっして暴れ騒ぐわけではないが、この場にいた誰もが、心の中に燃え立つ想いを感じていた。だから、腕を振り上げずにいれなかった。

たとえ馬鹿にされようと、相手にされまいと、己の心に描いた夢を信じて発信し続けたことで今、3人はTHE ONEという形を透して描いた夢にグンと一歩近づけた。けっして揺らぐことのなかった熱い想いを、3人は「Flames」の演奏に乗せて消えない足跡として胸に刻み続けていた。「出来るとか出来ないじゃなくて 今すぐにやるしかないだろ」「誰に何を言われても 僕らの夢は終わらない 信じ続けることだけは忘れないで」と大石裕太郎の歌う希望を抱いた強いひと言ひと言が、触れた人たちの気持ちも熱く掻き立てる。


ここまで強気な姿勢で歌や演奏を突きつけてきたTHE ONEだが、「つよがりな弱虫」では、歌心を持ったキャッチーな曲を通して観客たちとの心の距離をぐっと縮めてきた。大石裕太郎は晴れた声で、高い天井さえ飛び越え、その先に広がる青空へ向かって響かせるように歌っていた。タイトなビートの上で鳴り響くギターの音色も、この空間を自由に駆けめぐる。この曲の演奏中、みんな優しい笑みを浮かべ、3人が届ける温かい心模様を、胸の内でギュッと抱きしめていた。

最後は、ふたたびこの会場に熱情した音を降り注ぐように、疾走するエモロックチューンの「We never give up」を演奏。大石裕太郎が振り上げる手の動きに合わせ、場内でも一緒に手を振り上げれば、「君とならどこまでも走っていける気がするよ」と歌うサビでは、場内中の人たちが高く腕を振り上げる景色も誕生。短い時間とはいえ、THE ONEは、この場にいる人たちと夢に向かう想いを分かちながら、出会った人たちの心に消せない歌をしっかりと刻んでいった。

THE ONEは、5月22日に、新宿ROTTで<THE ONE 1st ONE MAN LIVE>を行うことも決定している。本日この場で見せた衝撃を、次はワンマン公演の場で発揮してくれるに違いない。


※注釈:Charが長年思い描き続けた“理想のアンプ”を具現化した製品、“Pyramid Amp”。
ひと目でわかる超個性的な“ピラミッド型”の筐体は、観る者を釘付けにする圧倒的存在感。
プリ部には12AX7×2、パワー部にはクラスDのソリッドステート回路を採用しており、ピラミッドの両側面には4インチ・スピーカー・ユニットを2基搭載。
小口径ながらレンジが広く、レスポンスにも優れているため、卓上アンプとしても素晴らしいギター・サウンドを響かせる1台に仕上がっている。

Charオフィシャルサイト、ZICCA.NETにて、絶賛販売中:https://zicca.net/pyramid/


PHOTO◎金子梨佳
TEXT◎長澤智典

セットリスト

Go beyond your limits
起源
Lonely night
Flames
つよがりな弱虫
We never give up

<THE ONE 1st ONE MAN LIVE>

2024/05/22(水)
OPEN : 18:15/START : 19:00
場所:新宿ROTT
出演:THE ONE 

チケット詳細
https://t.livepocket.jp/e/blyra

配信チケット
https://twitcasting.tv/c:info_harksb/shopcart/300861

関連リンク

◆THE ONE オフィシャルサイト
 
   

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