ナヨナヨした男を見たら「あいつ、コレか?」と右手を左頰に当てるポーズ。当然、両氏ともNG指定だが、その改善法を石原氏が伝授する。
「LGBTQの人があまり自分の周りにいないという前提が暴言を吐いてしまう原因になるかと思うので、もしかしたら自分の息子や娘がそうなのかもしれないと仮定すれば、そういった暴言は吐けませんよね。これはセクハラでもそうなんですが、その行為を自分の娘にできるのか? ということをまず考えましょう」
とんねるず・石橋貴明の「保毛尾田保毛男」を何の疑問もなくバカ笑いしていたあの時代は、もはや14万8000光年の彼方へ。
太った女性を「安産型だね」とたとえて言う場合はどうか。ユリオカ氏は迷わずNGを掲げる。
「僕は平成初期にサラリーマンでしたから、実際に上司が部下に言ってるのを聞きましたね。あと安産といえば『いいとも』でタモリさんが女性の大事な所の絵をイラストにして、安産祈願なんて言って配ってましたけどね。今だと体型のことだけじゃなくて、妊活を行っている人などを巻き込んでの多重事故になりうるかも」
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ユリオカ氏の十八番はハゲネタ。最近はネタに入る前に注釈を入れるという。
「『コンプライアンスが厳しくなって芸人ですらブスとか言わなくなっていますし、ハゲネタで笑ったら皆さんも共犯なんですよ』と断りを入れてますね。ただクローズドな寄席や劇場といったお金を出して来てくれるお客さんは、そんなテレビでの閉塞感を感じていて、ライブでしか言えないことを聞きたいというのはあると思います」
公の場でデリケートゾーンへの揶揄は厳禁。職場での会話で個性を発揮するには人畜無害でトゲのない、バカバカしく笑えるギャグを言うのみなのか。
「ガビーン」「ガチョーン」「ナハッ、ナハッ」など一発ギャグ、水着女性には「コマネチ」で応戦、下ネタが滑ってこれまたスンずれいしましたで敬礼、「へ・へへ〜ックション〜」の後「チキショーメ」と締めなどの昭和ギャグしぐさについてユリオカ氏はこう援護する。
「部下を笑わすためにこういうギャグを言う人も少なくなってる気もします。若い世代は『スンずれい─』の元ネタがカトちゃんってことを知らなそうですけど、ポーズ的にかわいらしいからアリ。一発ギャグは流行のギャグを言うよりも懐かしいのを言った方が一周回って面白い」