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働いていた時の感覚が抜けず「何もしない」老後に焦り…定年後の生活を豊かにする〈無駄を楽しむ心〉の育て方【心理学博士の助言】

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仕事に追われる日々を送り続けていため、定年退職後の「時間の多さ」に不安を感じてしまう人は少なくないでしょう。そこで本稿では、MP人間科学研究所で代表を務める心理学博士の榎本博明氏による著書『60歳からめきめき元気になる人「退職不安」を吹き飛ばす秘訣』(朝日新聞出版)から一部抜粋して、老後の生活を豊かにする方法について解説します。

勤勉に動かなくてもよいと気楽に構え、自己を解き放つ

朝起きて、朝食を済ませると、かつての出勤時間。どこかに出かけるか、すぐに何かに取り掛からないと、ダラダラしているようで自己嫌悪に苛まれる。勤勉に働いてきた人には、そんな感覚に陥る人も少なくない。

とくに早起きする必要もないのに、長年の習慣で6時には目が覚めてしまう。でも、どこも行くところがなく、することもないので、一日があまりに長く感じられ、苦痛でしようがないという人もいる。毎日の予定が埋まらないと落ち着かないという人もいる。

40年も働いていると勤勉さが抜けないのだ。自由気ままな暮らし方に慣れていないまじめ人間ほど、自由な状況に置かれると身動きが取れなくなってしまう。

自発性のある人は、現役時代のようなストレスがなくなり、自由気ままな生活を思う存分楽しむことでイキイキしている。一方で、現役生活の中で自発性が枯渇してしまった人は、与えられた役割がないと動くことができず、自由な状況がかえってストレスになり、イキイキ働いていた頃を懐かしんだりする。

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そのような人は、もうひたすら予定に追われるような生活をしなくてもよいのだから、自分を時間割の枠にはめ込もうとする発想を捨てるべきだろう。

自分を自由な状況に慣らすことも必要だ。たとえば、あえて何もしない時間をもつようにする。そうすると、自分の内側から動きが生じてくる。気になることが出てきたり、やってみたいことが浮かんできたりする。しなければならないことがないときの動き。それこそが自発的な動きである。

何もしていないときこそ、自分との出会いのときであり、新たな自己発見のチャンスでもある。

しなければならないことに追われているときは、いわば流されているようなものである。すべきことを自分で選んでいるわけではない。そこに個性は乏しい。何もすべきことを与えられていない自由な状況こそ、個性があふれ出すきっかけになる。

自分らしく生きたいというのは、多くの現代人が口にする言葉だが、自由な状況でこそ問われるのが自分らしさである。

時間はいくらでもあるのだから、何もせずに自由に漂ってみればいい。そのうち気になることが出てきたら、試しに動いてみればいい。もう勤勉に動く必要はないのだから、気ままに過ごし、自由な状況の中に自分を解き放ってみよう。

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