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時空を超えて痛快な“辻褄合わせ”に奔走するSFラブコメ『時をかけるな、恋人たち』

キネマ旬報WEB

本作は、物語以外にもこだわりが満載。各話のサブタイトルとそのロゴは、タイムトラベルや時間がテーマの映画を引用している。例えば第1話『アバウト・タイムパトロール』は「アバウト・タイム~愛おしい時間について~」(13)、第6話『バック・トゥ・ザ・エイティーズ』は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(85)、第8話『サマータイムパトロール・ブルース』は上田脚本で永山主演の「サマータイムマシン・ブルース」(05)など。一部はタイトルを借りただけのものもあるが、内容が即したものもあるため、引用した映画と見比べてみるのも面白い。また、エンドロールで本編の後日談が描かれるのも楽しく、余韻を高めると共に全編飽きさせない工夫がある。

衣装やSFガジェットにもユーモアがあり、ハイテクだけど懐かしさや親しみが感じられるレトロフューチャーテイスト。タイムマシンはキックボード型で、年代を入力するパネル部分は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のデロリアン風。たくさんの機械類があるタイムパトロール基地内のセットも、よく見ると使われているパーツ類はところどころにレトロな家電を使っていたり、記憶消去装置“フォゲッター”も理容室の椅子や歯科医院のライトを改造していて、あえてアナログっぽさを残している。未来人を送り返す基地内の回廊も、目の錯覚を利用して果てしなく続くように見せている。永山瑛太演じる未来人・翔は、アンテナのような髪型に、マニキュアとペディキュアもしていたりと、そのファッションも未来の流行を活かした設定。画面の隅々までこだわっており、見どころが満載だ。こちらの内容は、Blu-ray BOXとDVD BOXに収録されている映像特典のメイキング集でも触れているので、ぜひ堪能していただきたい。

4月26日にリリースされたBlu-ray BOXとDVD BOXには、オリジナルブックレットと映像特典ディスクが封入。一部前述もしているが、映像特典ディスクに収録されているのは約68分のメイキングの他、脚本の上田と監督の山岸によるコメンタリー付の第1話と各話のPR集。コメンタリーでは、タイムパトロール基地のセットが実は今年の3月に閉館した五反田TOCビル内に組まれていたこと、最終回で明かされる第1話の伏線について、未来人の髪型やメイクの裏話、小道具や画作りのこだわりについてなど、上田と山岸が貴重な作品秘話を明かしている。また、メイキングでは、昨年7月下旬のクランクインから9月下旬のクランクアップまでの現場の様子を見ることができ、吉岡と永山の現場コメントも収録。それらからは、吉岡と永山の信頼関係の深さや現場を楽しんでいる様子、永山が第1話で翔との記憶をなくしている廻と再会するシーンを最初の山場だと感じて、再会の嬉しさで挙動不審になっている姿を現場で試行錯誤しながら何度も演じ、キャラクターを作りこんでいる姿などが収められている。特に二人がクランクアップ時に現場スタッフに向けて語ったコメントは、このドラマへの出演を決めた際の深い想いを振り返ると共に、参加できた喜びや感慨に溢れており、このドラマの現場の充実ぶりが実感できるものとなっている。

 

文=天本伸一郎 制作=キネマ旬報社

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  『時をかけるな、恋人たち』

●4月26日(金)Blu-ray&DVD BOXリリース(レンタル同時)
Blu-ray&DVD BOXの詳細情報こちら

●Blu-ray BOX 価格:22,000円(税込)
【ディスク】<3枚組>
●DVD BOX 価格:17,600円(税込)
【ディスク】<4枚組>

【Blu-ray&DVD共通】
★映像特典★
・メイキング集、PR集
★オーディオ特典★
・オーディオコメンタリー(第1話 脚本・上田誠(ヨーロッパ企画)×監督・山岸聖太)
★封入特典★
・オリジナルブックレット(28P)

●2023年/日本/本編249分/映像特典74分
●脚本:上田誠(ヨーロッパ企画)
●監督:山岸聖太、山口淳太

●出演:吉岡里帆、永山瑛太、伊藤万理華、西垣匠、田中真琴、夏子、石田剛太、じろう(シソンヌ)

●発売元:カンテレ 販売元:ハピネット・メディアマーケティング
©カンテレ

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