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「1ドル=155円」円安が悪者である理由 「輸出でもうかる」どころか日本が貧しくなる

J-CASTニュース

世界の中での円の地位を復活させる必要がある。そのためには日本経済の実力を向上させるしかない。輸出を増やすのも有効だが、輸出はGDP(国内総生産)の2割未満しかないので効果は限定的だ。結局は国内経済をどうするかの話となる。少子高齢化、労働生産性の低さ、IT化の遅れ、地方経済の衰退、補助金のばらまき(負担)等々で疲弊している日本経済を、どう立て直していけるのか。

日本では、自動車や一部ITなどのグローバル企業は世界のトップクラスの能力を誇っている。しかしサービス業を中心とした産業は非効率で、競争力が非常に弱い。GDPの8割をサービス業が占めているので、ここを改善できるかどうかがカギになる。日本のサービス業の効率が悪い主な理由には「安い」のと「サービス過剰」(ていねいだとも言えるが)という二つ。サービス提供者が顧客におもねりすぎず、正当な対価を得られる環境が築けるかどうか。これが経済活性化への重要ポイントとなる。

世界で日本人ほど評判の良い国民もいない。真面目で責任感が強く、良く働き、頭が良く、数字に強く、協調性が高く、手先が器用。こんな優秀な国民が頑張った結果が、円安と経済の停滞では悲しい。頑張れば道は開けるはずだ。(小田切尚登)

筆者プロフィール

おだぎり・なおと 幅広い分野で執筆活動やレクチャー等を行っている。バンク・オブ・アメリカ等大手外資系投資銀行数社で勤務した後独立。クラシック音楽サロン「シンフォニー」代表。明治大学グローバル研究大学院兼任講師。『欧米沈没』(マイナビ新書)。

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