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「サッカー本大賞2024」宮市亮『それでも前を向く』が大賞に「日本サッカーを強く逞しくしてくれたら」 

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■第11回「サッカー本大賞2024」レポート

 4月24日、東京の神田明神にある明神会館にて「サッカー本大賞2024」の授賞式が行われ、宮市亮氏(横浜F・マリノス)の『それでも前を向く』が選ばれた。同作品は大賞と読者投票による【読者賞】にも選ばれ大賞・読者賞のダブル受賞となった。

 同作は18歳でイングランド・プレミアリーグの強豪アーセナルに加入した宮市さん自身が書かれた一冊。大きな怪我に数度見舞われながらも、海外クラブでの生活や様々な国の選手たちとの交流などをポジティブな筆致で記され、また宮市選手自らが執筆されたことが選考委員たちに評価された。

  総評として選考委員の佐山一郎氏は、宮市選手自身が書かれた『それでも前を向く』を、王貞治さんが書かれた『回想』(日本図書センター)とHIVで亡くなられたテニスプレーヤーのアーサー・アッシュさんの『静かな闘い』(アーノルド・ランパーサド ・共著/日本放送出版協会)といった名著と並べると評価。実際に選手自身が書かれた本としてサッカー本、スポーツ本に一石を投じる一冊だと語った。

 宮市さんはサッカー本大賞受賞式当日はアジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL)準決勝第二戦の蔚山現代があるために欠席となったが、ビデオメッセージにて「読んでくれた人のなかから一人でも多くの方が日本サッカーをより強く、より逞しくしてくれることを祈っております」とコメント。

 特別賞は『オシムの遺産(レガシー) 彼らに授けたもうひとつの言葉』。著者の島沢優子さんは受賞の挨拶で、本書を書かせていただいた感謝を伝えるためにボスニアヘルツェゴビナの首都サラエボでオシムさんのお墓参りのエピソードを伝えた。(受賞挨拶は後述)

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【戦術・理論賞】は『フットボールヴィセラルトレーニング』(カンゼン)が受賞。著者ヘルマン・カスターニョス氏の代理として担当編集者の石沢鉄平氏が賞を受け取った。

【名著復刊賞】にはエドゥアルド・ガレアーノ『スタジアムの神と悪魔――サッカー外伝・〔改訂増補版〕』(飯島みどり訳/木星社)」が受賞。元本は1998年にみすず書房から刊行されたもの。)授賞式は本書の関係者が出席できなかったが、訳者の飯島みどり氏からの手紙を司会の井上マー氏が代読した。

  授賞式当日は選考委員をはじめ、著者やサッカー関係者、出版社などが出席。サッカーに造詣の深いお笑い芸人の井上マーさんを司会に終始和やかに行われた。

 2014年に始まったサッカー本大賞は、サッカー関連のwebサイト運営や関連書を刊行する出版社のカンゼンが主宰となり、今年で11回目。リアルでの授賞式開催は5年ぶりとなる。
サッカー本大賞2024の選出方法は前年2023年(※1/1~12/31)に刊行されたサッカー本(※技法書 、テクニック本は対象外)を対象に、選考委員の一次選考によって優秀作品として選出。優秀作品の中から二次選考を経て大賞が決定する。そのほか優秀作品から読者が投票する「読者賞」などがある。

選考委員(五十音順、敬称略)

金井真紀(かない・まき)文筆家・イラストレーター
佐山一郎(さやま・いちろう)作家、編集者
陣野俊史(じんの・としふみ)文芸評論家、フランス語圏文学者
幅允孝(はば・よしたか)有限会社BACH(バッハ)代表、ブックディレクター

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