鈴木:はじまり、という意味でも、今回は北条司先生が描かれた原作漫画のイメージを意識しています。
シリアス、コミカル、色気……いまだから演じられた
「今までやってきたものがすべて必要だったなと思います」Q:以前から鈴木さんが「シティーハンター」を実写化したいと聞いていた神谷さんは、鈴木さんにリョウを演じるうえでアドバイスはされたのですか?
神谷:アドバイスは特にしていませんね。とにかく亮平くんがこの作品を作ると聞いたときは、楽しみでしょうがなかった。亮平君と知り合ってから結構な時間が経ちますが、いろいろな作品を観ていて、どんどん大きくなっているなと思っていました。とても怖い役から、コメディに近いものまで、まさにリョウちゃんの振り幅のように多彩で、期待しかなかったですね。
鈴木:ありがたいです。嬉しいです。僕はシリアスな作品とコミカルな作品を敢えて選んでやっていたわけではないのですが、例えば『HK/変態仮面』をやっているときには「冴羽リョウをやるなら、こんなことで恥ずかしいと思っていたらダメだな。リョウちゃんだって裸踊りするから」とか、シリアスな役やアクションのときは「リョウだったらどうするかな、さっきの発声はリョウっぽいな」と思いながらやっていました。
神谷:確かに『変態仮面』は二面性ですよね。やっぱり彼の作品の変遷を見ていると、ちょうどいいタイミングだったのかもしれませんね。リョウの場合は多面性ですけどね(笑)。
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鈴木:シリアスだけでもダメだし、コミカルだけでもダメ、色気も少しないとダメ。今までやってきたものがすべて必要だったなと思います。その意味で、ある程度年齢を重ねないと表現できない人物だったのかなと。
Q:鈴木さんは神谷さんの演じるリョウを意識されていたのですか?
鈴木:実は今回撮影に入る前は「神谷さんの声に近いものにはしないぞ」という意気込みだったんです。でもやっぱり演じてみると冴羽リョウのセリフは「神谷節」以外では言えない (笑)。「もっこりちゃん」とセリフに書いてあったらやっぱり神谷さんの言い方になってしまう。
神谷:シリアスもそうでしたが、特にコメディの部分はね。先にやったもの勝ちですね(笑)。
鈴木:撮影が終わったあと、もう1度アニメを観返したのですが、やっぱり神谷さんの声の入れ方ってすごい。声の高低だけであれだけの表現ができるんですからね。あらためてすごさを感じました。
神谷:先ほども話しましたが、やっぱり絵に助けられている部分が多いです。実写の方がやっぱり大変ですよ。
鈴木亮平&神谷明、同年代で出会った冴羽リョウ役
Q:先ほど鈴木さんは「今だからリョウを演じられた」と話していました。かなり前の段階からこの企画は始まったと聞きましたが、逆に言えばこのタイミングで実写化できたことは、良い巡り合わせだった感じていますか?
鈴木:ちょうど5年ぐらい前ですかね。神谷さんと北条先生と料理屋さんでご一緒したのは。そこからNetflixさんとのお話があって。いま考えると、5年前ではなくいまの僕が演じることは、ある意味で正解だったのかもしれません。
神谷:おそらく僕がリョウちゃんを演じ始めたのが、いまの亮平くんぐらいの年齢だったんです。僕も年齢的にいろいろな経験を積んで、熟成されたものを出せるようになった年齢だったのかもしれません。
「本当に少しでもズレていたらできなかったのかもしれません」鈴木:確かにシリアスな「北斗の拳」のケンシロウや、コミカルな「キン肉マン」を経ての冴羽リョウだったんですね。
神谷:本当に少しでもズレていたらできなかったのかもしれませんね。
鈴木:不思議な巡り合わせですね。確かにリョウの髪形や衣装も「これなら冴羽リョウっぽくなるかも」というものに出会ったのはこの2、3年で。漫画やアニメのスタイルを完全にコピーしても、不思議と「現実の冴羽リョウ感」は出ないんですよ。演技についても、今考えると5年前にやらなくてよかったのかなというのはありますね。
神谷:僕も亮平くんの年齢ぐらいから始まったと考えると、これからもっとグレードアップして、実写版もずっと続いて行ってほしいですね。
鈴木:確かにリョウと香のテンポの良い丁々発止を見せたいです。
神谷:あのリョウの部屋のセットに香がどうトラップを仕掛けて、壊れたり変わったりしていくのかも見たい!
鈴木:実写でできますかね。海坊主直伝のトラップ! 本当にここからがスタートになると良いです。
神谷:期待しています!
Netflix映画『シティーハンター』は全世界独占配信中
スタイリスト:臼井 崇(THYMON Inc.)
ヘアメイク:Kaco(ADDICT_CASE)
神谷明
ヘアメイク:奥野展子
スタイリング:臼井 崇(THYMON Inc.)