浅井:不動産を買うときには、いろいろな費用がかかります。その費用も考えてシミュレーションをしましょう。
鈴木:不動産仲介会社に支払う仲介手数料はかかりますよね。
浅井:そのほかにも、不動産ならではの費用がかかります。固定資産税などの税金や、不動産を登記するための費用などです。
山田:購入するときの費用は、不動産の価格以外にいくらくらい必要なんですか?
浅井:購入時の費用は、不動産価格の7~10%くらいかかると考えましょう。不動産取得税のみ、あとから支払います。
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鈴木:費用は削減できないんですか?
浅井:基本的に購入にかかる費用を削減することはできません。不動産仲介会社に嫌われてしまうので、仲介手数料を下げようと交渉するのもやめておきましょう。
購入にかかる費用は主に6つ
①仲介手数料
売買が成立したときに、不動産仲介会社に支払う手数料。上限額が法律で決められている。200万円以下の物件の場合は物件価格の5%、200万円から400万円の場合は、物件価格の4%+2万円、400万円を超える場合は物件価格の3%+6万円とされている(消費税別)。
②印紙代
不動産の契約時に契約書や領収書などに貼り付ける。金額は契約の代金によって異なる。
③火災保険料
火災などによって、不動産が損傷を受けたときのための保険料。保険会社によって、また、保険がカバーする内容によって金額は異なる。不動産取得時に一定期間分の料金を支払う。
④固定資産税
毎年1月1日に不動産を所有している人に対して、市区町村が課す税金のこと。購入日から日割りで計算して税金を支払うことになる。市区町村によっては、都市計画税もかかる。
⑤不動産の登記費用
不動産を登記するための費用として、不動産登録免許税という税金がかかる。また、不動産登記をしてもらう司法書士に対して、不動産登記手数料を支払う。
⑥不動産取得税(支払いは約半年~1年後)
不動産を取得したことによる税金。各都道府県に1度納税する。約半年~ 1年後に納税通知書が届いたら支払う。
*空室の場合は、リフォーム費用がかかる場合もあります。
運用中にかかる費用も知っておこう
山田:不動産投資をしている間は、どんなことに費用がかかるんですか?
浅井:大きく分けて、建物の修繕にかかる費用と入居者が退去したときにかかる費用、税金、そして保険料です。
鈴木:運用中の費用は全部で、どれくらいかかるんですか?
浅井:物件の築年数や状態によって、家賃収入の10~30%と開きがあります。新しい物件ほど、建物の修繕にかかる費用は安くなります。シミュレーションでは、1年間の家賃収入の15%(木造と軽量鉄骨の場合※1)が毎年かかると考えます。
鈴木:運用中の費用は、削減できるものでしょうか?
浅井:火災保険料とPMフィー※2は削減することができます。また、物件のリフォーム費用や修繕費は、内容や業者によって異なるので、工夫次第で削減できます。
※1:運用中にかかる費用は構造によっても変化する。木造と軽量鉄骨は15%、重量鉄骨は20%、鉄筋コンクリートは25%としてシミュレーションする。シミュレーションシートでは、入力した構造に合わせて自動で数値が変わる。
※2:PMはプロパティーマネジメントの略。賃貸物件の管理にかかる費用のことで、不動産を管理する会社に対して支払う。
イラスト ©長野美里
浅井佐知子
不動産鑑定士/不動産投資コンサルタント
※本記事は『0からわかる! 不動産投資超入門』(ソシム)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。