続いて前走の格。ユニコーンSでは青竜SなどのOP特別組、あるいは地方や海外の重賞に押される形で、前走1勝クラスの馬が【0-0-5-52】と連対できていなかった。2~3歳ダート路線は新馬、未勝利戦の数に比して1勝クラスやOPの番組が非常に少ないせいで、ひとつクラスが上がるとレースレベルが急激に上がる。芝のようにポンポンとステップアップはできない。今年で言うと、伏竜S組を差し置いて1勝クラス勝ちたての馬が人気になるようなら要注意だ。
経験豊富な追い込み馬・アラレタバシル
「1番人気が強いコース」「差し有利、前走逃げた馬が大苦戦」「父サンデーサイレンス系は低回収率」「実力がある馬ならキャリアは多い方がいい」「前走の格を重視」などのポイントを押さえたところで、登録馬について具体的に考えていこう。
最有力はアラレタバシルだ。前走は伏竜Sで後方から追い込み、タイム差なしの2着に入った。キャリア8戦(ダートに限っても4戦)を消化しており、レース経験という面でも申し分ない。差しが利くコースに替わるのはもちろん大歓迎で、あとは実績通り1番人気になれば全てのデータに合致する。
もう1頭人気を集めそうなのがミッキーファイト。前走の勝ち時計1:52.5は、良馬場の中山ダ1800mとしては2歳戦史上最速のタイムだった。能力は非凡なものを持つ。ダイナカール牝系の超良血馬で半兄にジュンライトボルトという惚れ惚れするプロフィールだが、懸念は5か月の休み明けと実戦を2度しか経験していないこと。盤石とは言えない。
ほか、伏竜S組のラオラシオン、ノットイナフ、ハーバーライトはいずれも傾向におおむね合う。先述した通り、上がり3位で6着のハーバーライトがまず好印象。ノットイナフも向正面からムチを入れて仕掛けた2走前の勝利を見るにスタミナ型で、距離延長での前進を見込める。
ダートの2戦を圧勝したムルソーはどちらも逃げ切りで砂を被った経験なし。データからは手を出せない。だが、前走の勝ち時計は同週の古馬3勝クラスとわずか0.1秒差の好記録ではあった。この相手強化と不利な条件も一蹴して勝つようなら、一気に東京ダービーの最有力候補へと躍り出る。
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