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劇場版『名探偵コナン』を支えた6人の監督 『100万ドルの五稜星』永岡智佳の作風とは?

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『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』©2024 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

 劇場版『名探偵コナン』シリーズの第27作となる『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』が4月12日に公開された。前作『名探偵コナン 黒鉄の魚影』が興業収入138.8億円という、シリーズ初の100億円超えを果たしたが、これに迫り超える勢いを見せている。人気漫画のTVアニメが大ヒットしたことで1997年に始まった劇場版『名探偵コナン』シリーズが、これだけの作品になったのは、時代を映しつつファンの期待に応える映画を作り続けた監督たちの力があった。

参考:『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』青山剛昌ワールドが融合!? 物語の重要な転換点に

・こだま兼嗣
 
 1997年4月公開の第1作『名探偵コナン 時計仕掛けの摩天楼』は、1996年に始まったTVアニメ『名探偵コナン』で最初に監督を務めたこだま兼嗣がそのまま監督を務めた作品だ。『シティーハンター』のTVアニメや劇場アニメを手がけて、アクションとサスペンスをコミカルな展開も交えながら描いてきたこだま監督だけに、『名探偵コナン』シリーズが持つミステリとしての面白さに、アクション性も乗ったバランス感に優れた映画に仕上がっていた。

 興行収入は11億円で、今と比べると少なく見えてしまうが、当時のアニメ映画で10億円超えは原恵一監督の『クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡』に並ぶ規模。映画でも高い支持を得られることが分かって、そのままシリーズ化の道を突き進んだ。原作者の青山剛昌にとっても映画化は相当に嬉しかった模様。漫画を描くモチベーションも高まり、世紀を超えて続く人気作品へと発展していった。

 こだま監督は、劇場版シリーズで7作品を監督している。第3作の『名探偵コナン 世紀末の魔術師』では、最新作でその正体に驚きの展開が加わる怪盗キッドが登場し、さすがはキッド様といった演出を見せてくれる。途中で退場するからといって安心してはいけないという怪盗キッドに対する心構えを、持たせてくれた映画だった。

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 『シティーハンター』的ともいえるスリリングなガンアクションも出てきて楽しませてくれるが、ミステリとしての軸をしっかりと持っていて、悲劇的な結末を迎えたロマノフ王朝に関わるインペリアル・イースター・エッグの謎に迫るという、ワクワクするストーリー。ミステリものとして評価された『名探偵コナン』の醍醐味を、アクションのような見せ場も作りながらしっかりと描くところが、こだま監督の劇場版シリーズにはあった。

・山本泰一郎
 
 第8作となる『名探偵コナン 銀翼の奇術師(マジシャン)』からは、山本泰一郎監督が登板。25億円から30億円といった興行収入を上げるようになっていたシリーズを引き継いだ。TVアニメは堅調でファンも育つ中、4月に劇場で楽しむスペシャルムービーといった位置づけになっていた劇場版への期待に、しっかりと答えてキャラクターのファンを楽しませ、ミステリやアクションといった要素も楽しませてくれる映画を送り出してくれた。

 ムーディーなBGMが断続的に流れるところがあって、推理のドラマに引きつけるというより感覚的に味わう映画という雰囲気もあった『銀翼の奇術師』。怪盗キッドがまたしても絡んで、劇場版に欠かせないキャラクターであることを印象づけた。こうした積み重ねがコナンに負けない人気を怪盗キッドにもたらし、最新作での衝撃の展開へと至らせたのだとしたら、重要な役割を持つ作品を手がけたとも言える。

 山本監督は、第13作の『名探偵コナン漆黒の追跡者』で、第5作『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』に続いて黒ずくめの組織を登場させ、江戸川コナン=工藤新一との対決関係を改めて世の中に示した。シリーズが長く続くとキャラクターが増えて、オールスターのような見せ方が難しくなる。その中で山本監督は、怪盗キッドなり黒ずくめの組織といった軸を選んで映画として描き、造形に厚みを加えて次につながるようにしていった。これが、次は誰がメインなのかといった劇場版シリーズへの期待感を煽り、毎年の楽しみにしたのだとしたら、萌芽は山本監督にあったと言えそうだ。

●『100万ドルの五稜星』永岡智佳監督は、“キャラクターを見せるドラマ作り”が得意?

・静野孔文
 山本監督は、こだま監督と同じ7作を手がけて、劇場版『名探偵コナン』シリーズを静野孔文監督に引き継ぐ。この頃はもう、30億円超えは必至の人気シリーズに成長していただけにプレッシャーもあっただろう。いつものように作っていれば観客には喜んでもらえて、興行成績も確保できるが、それでは成長とともに離れていってしまうことも考えられるからだ。

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