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「オッペンハイマー」には辛辣なアメリカ批判が潜んでいた/大高宏雄の「映画一直線」

アサ芸プラス

 主人公ロバート・オッペンハイマーの伝記映画にして、そこを突破していく卓越した作品の構造が素晴らしい。国家の獰猛さが、いくつものシーンで如実に顕在化する時、戦争の本質が露出してくる。本作は、そこを突いている。

 この作品が米国で大ヒットし、アカデミー賞で作品賞をとったことは非常に興味深い。皮肉ではなく、なかなか懐が深いと言えようか。日本映画に「オッペンハイマー」のような作品は今のところ、ない。

(大高宏雄)

映画ジャーナリスト。キネマ旬報「大高宏雄のファイト・シネクラブ」、毎日新聞「チャートの裏側」などを連載。新著「アメリカ映画に明日はあるか」(ハモニカブックス)など著書多数。1992年から毎年、独立系作品を中心とした映画賞「日本映画プロフェッショナル大賞(略称=日プロ大賞)」を主宰。2023年には32回目を迎えた。

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