まず『S』と『R』の打感や弾道のインプレッションの違いを、試打者の癸生川プロは、
「『S』は、球が上がりやすく、つかまりやすい。右に飛びづらいという印象かな。構えたときに感じた見た目のイメージ通りの球が出るので、振りやすい感じがします。『R』はスピン量が変わるというイメージなのかな、球の高さは変わりますよね」。
この癸生川プロのコメントを聞いた小島プロが、シャフトフレックスが変わったことで打ったときに“感覚”として何が変わるのか。特に、『LITE』の特性である軽さに関してのインプレッションを深く探っていく。
小島 重さの違いは感じましたか。
癸生川 重さは、感じる程の変わりはないけれども、しなり方はちょっと違うというふうには思ったかな。
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小島 なるほど。実際に、シャフトは『S』よりも『R』は4グラム軽くなっているんですが、でもその分、しなりが増している。(スウィング中に)しなりを感じると重さも感じるので、その分、軽さの違いは感じなかったということなんですね。
『S』と『R』とのスウィング中の“感覚的な違い”は、若干のしなりの違いだけで、4グラム程度の軽さなどは影響をしないことがわかった。では、“データ的な違い”はどう出ているのか。小島プロが分析する。
「まず『S』ですが、ほぼセンターでヒットしていますが、スピン量が2917rpmで、多少スピンは入るのかなという印象ですね。ただ、このスピード帯(38m/s)のプレーヤーはボールが上がりにくいケースもあるので、適正にスピンでボールを浮かしてくれるメリットになるかなと思います。他のデータを見ても、きわめてシンプルというか、つかまり過ぎるわけでもなく、右に逃げるでもなく、非常に整った数値に見えます。ロフト『10.5度』しか発売していないという、ある意味の“自信”が垣間見える感じです」。
ところが、非常に優秀だった『S』 に比べ、『R』のデータを見ると、ところどころ落ち込んだ数値が見える。この理由に関して小島プロが解説する。
「落下角度は48.1度(+9.6度)、キャリーが184.9ヤード(-9.6ヤード)、トータルが195.8ヤード(-17.7ヤード)、ここまで落ちる理由は、『S』のときと比べて『R』は風がかなり吹いた、その影響です。ただ、癸生川プロがインプレッションとして挙げた『スピン』は、確かに増えます。でもこれは単純に打ち出し角スピン量という“球を上げてくれる要素”が増えた結果であって、『R』になって、しなりが加わったことで球が“吹け上がる”といったスピンの入り方ではない。その意味で、『S』と『R』は、高い球が好きなら『R』、中弾道が好きなら『S』といったように弾道の好みで使い分けができるものかなと思います」。
みんなのゴルフダイジェストのYouTube「みんゴル試打班『ガチギアトラック』」では、この後、このテーラーメイド『Qi10 MAX LITE』ドライバーで、芯を外したショットを打った時の寛容性や、『LITE』の特性などに関しての検証をしているので、ぜひ動画を確認してクラブ選びの参考にしてみてはどうだろう。
動画はこちら