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市長の抑圧に立ち向かうため若者たちが決起 パリの素顔に切り込む 「バティモン5」本編映像

映画スクエア

■川和田恵真(映画「マイスモールランド」監督)
今のフランスにある複雑なレイヤーが見事に描かれ、暮らす場所、人種、宗教、それぞれが立つ場所によってここまで見えるものが違うのだということがありありと伝わった。
誰かの都合や怒り、復讐のために他者の家や安心を奪うことはあってはならない。アビーが市長になるような、そんな未来があって欲しいと切に願う。

■佐々木俊尚(作家・ジャーナリスト)
「お洒落で小綺麗なパリ」ではない、いま最も熱く昏いフランスの「団地映画」。
汚れた 公設団地で暮らす移民たちの絶望があますところなく描かれ、
どこにも出口のない迷路に、観ている側も殴られるように思いきり連れ込まれる作品だった。

■SYO(物書き)
作り手が我々と同じ時代を生き、傷ついている安心感。
物語も感情も技法も今・この瞬間の感覚で出来ている。
だからわかる。突き刺さる。魂が揺さぶられてしまう。
現実を描く風で現在を描けていない映画とは訳が違う。
この団地に吹き溜まる痛みは、世界とつながっている。

■スプツニ子(アーティスト/ 東京藝術大学デザイン科准教授)
衝突する世界で見つける、人間性の深淵。この映画が問いかけるのは、私たちの社会における“排除”とは何か。

■武田砂鉄(ライター)
権力者が「必要のない人」を作り出す。
理由を奪う。生活を奪う。尊厳を奪う。
どう抗えばいいのか、突きつけてくる。

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■ダースレイダー(ラッパー)
フランス革命によって誕生した民主主義精神は、その後に成立する国民国家体制と合わさることで大きな矛盾を抱えることになる。どこまでが、誰が主権を有するのか? その矛盾が当のフランスの移民たちの団地であるバティモン5で一気に噴出する。僕らはこの問題を乗り越えることが出来るのか?

■寺尾紗穂(音楽家/文筆家)
誤解が偏見を呼び 
偏見が憎悪を呼ぶ 
絡まった移民問題は
感情的な対立を伴う  

この映画に希望はない 
ただ作品が示す俯瞰的視点が 
人々に共有されたとき
そこに希望が生まれるだろう

■名越啓介(写真家)
移民として厳しい環境で育った監督の本作品は、様々な角度からの視点があった。 
小さい頃から主人公と同じような現場を目撃し、考え、悩んで、笑って、同じような日常を過ごしてきたからこそ生まれた作品だと思う。 それだけでなく一歩引いた外からの目線も表現されていて監督の冷静な人間性も垣間見れた。世界中の「よくある」移民団地の問題の中から、「よくある」で片付けられない「滲み出た本質の声」が聞こえてくる素晴らしい作品だった。

■プチ鹿島(時事芸人)
ニュースで現状を知っているつもりだった?と突きつけてくるような作品。「理不尽」という言葉が頭を巡るが、「諦めるのはもうやめよう」などハッとするセリフもあちこちにある。パリ五輪の今年にぜひ観て欲しい。

■増田ユリヤ(ジャーナリスト)
私自身、何度も取材で足を運んだバンリュー。生々しい現実が見事に描かれていて胸が詰まる思いがした。それでも差別や排除に正面から立ち向かうアビーのような女性や移民の支援に情熱を注ぐ人々が確かに存在する。それがフランスだ。フランス人とて3代遡ればルーツは移民。誰もが平穏に暮らせる日々を願ってやまない。

■美波(俳優・アーティスト)
「あなたの知らないパリがある。」
フランスで日々深刻化している移民問題。人々が安心して暮らせるユートピアは、この地球上にあるのだろうか。決して他人事では済ませて欲しくない。私たちの国でも起こっている様々な人権問題に目を背けないようにしたい。

■森達也(映画監督・作家)
フランスは移民の国だ。だからハレーションは起きる。政治も(日本と同様に)問題だらけだ。
でもというかだからこそ、アビーの「政治家が変わらないなら、私たちが声をあげなきゃ」の言葉には強く共感できる。つらい映画だ。でも観てよかった。

■森千香子(同志社大学教授)
五輪で沸くパリの周縁で進行する、郊外団地の再開発。立ち退きの危機に瀕した移民が行政に決死の戦いを挑む。監督の個人的経験に基づいた衝撃作。

【作品情報】
バティモン5 望まれざる者
2024年5月24日(金) 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国公開
配給:STAR CHANNEL MOVIES
© SRAB FILMS – LYLY FILMS –  FRANCE 2 CINÉMA – PANACHE PRODUCTIONS – LA COMPAGNIE CINÉMATOGRAPHIQUE – 2023

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