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大人なふたりの横浜日帰りデートストーリー。平日夜の小旅行プラン

東京カレンダー

平日夜の仕事終わり、小旅行気分が味わえるとっておきの場所、横浜。

とある男女のデートストーリーとともに、横浜を代表する焼き鳥の名店&2軒目にぴったりのオーセンティックバーをご紹介。

相手の心をグッと掴む、日帰りデートプランがこちら!


【18:00】「いま背景の空がすごく綺麗だから、写真撮ろうか?」
     「ありがと。ロープウェーって案外高くてドキドキする」


横浜で仕事があると1ヶ月前に分かっていた。東京の中央区に住んでいる自分にとって、移動50分の日帰りでも立派な旅気分。せっかくならと、名高い焼き鳥店を予約した。

彼女の都合が合えばラッキーくらいの感覚で、予約は2名。やる気を伏せる誘いは1週間前。

「横浜なんだけど」と、断られてもダメージが少ない枕詞で誘うとOKの返事が来た!32歳同士、ふたりで会うのは二度目だ。

仕事は夕方前に終わり、予約は19時過ぎ。桜木町駅で適当に落ち合うことにすると、17時半、中目黒を出た彼女が到着した。

街が夕日に赤く染まり始める時間帯。目の前はロープウェー乗り場。

「とりあえずロープウェーってどう?」

ビールみたいな言い方で照れをごまかし、小さな箱に乗り込む。遊園地気分だ。

運河側に進むと高いビルがないから空が広く、茜色に染まる雲の下で街が輝き始めていた。



小窓の向こうの赤レンガは外国の趣。東京にはない景色に、一気に高揚する。

「もう終わり?」と彼女も同じ気分のよう。散歩の序章として、この5分はてきめんだった。


【19:15】「お酒のラインナップもいいし、一度行ったら通いたくなるね」
     「うん。美味しい焼き鳥のコースが味わえて、横浜大好き(笑)」


数年ぶりだという「横浜赤レンガ倉庫」を散策しながら、多くない横浜の思い出を語る。

外国船も停まる港町はいまも異国の風が吹き、旅心をくすぐった。19時過ぎに『里葉亭』へ。



福富町までの道中には横浜ならではの歴史建築が見えて、やはり旅情が高まる。

しかし、店周辺はディープで猥雑な雰囲気だ。やや不安な気持ちのまま店の扉を開くと、正統派な焼き鳥店の空間で、そろって安堵した。

メニューを開けば“ケンゾー”のワインがほぼ全種類並ぶ。焼きの名手のいる老舗と聞いていたが、想像以上のレベルの予感だ。



1本目のハツから衝撃の美味しさだった。プリッとした食感で最高にジューシーだ。ハツが彼女との強烈な共有体験になるとは。お互い「すごいね」と、シンプルな感想で一致。

ぎゅうぎゅうに詰められた皮も初めての味わい。きれいな脂だから酒で流したいとは思わず、むしろ舌に感じる余韻を楽しみたい。なるほど、ワインの出番だ。

なめらかで芳醇な白レバーにasukaを飲めば、華やぐ果実が串をフレンチに勝る一品にする。



そんな洗練がありながら、大将は飾らず。突き詰めた仕事をしながら緊張感はなく、価格も都内の高級焼き鳥より良心的だ。

客層は、ただ焼き鳥と酒が好きな大人たち。店には街場の楽しいムードが漂っていて、〆の「フライライス」で童心に返る。

「こういう焼き鳥は横浜にあったんだ」

食べ慣れた彼女が理想を見つけた口ぶりだ。距離を縮めたいとの思惑を忘れるほどの味で結果、ふたりで盛り上がるという展開。自然な流れで2軒目につながったのだった。


【21:30】もう少し…、二軒目のバーへ


気持ち良く酔って満腹になった彼女が、ご機嫌に歓楽街を進んでいく。

2軒目のバーのめどは付けていた。正直、女性から誘われることも多く適当な自分だが、久々のデートの本気リサーチが楽しかった。

手練な彼女を追う身にとって、ともにアウェーの横浜は既視感がなく助かる。歩き始めて3分で『Grand Noble』に着いた。



雑踏から一変するオーセンティックな空間が、僕たちの視線を心なしか艶やかにする。

シェーカーの音や手にするグラスのくびれが彼女の横顔の美しさに拍車をかけていた。

カクテルの世界大会でチャンピオンに輝いたオーナーの作る一杯は丹精で甘美だ。


【23:00】「今日は横浜まで付き合ってくれて、ありがとう」
     「今度は私が行きたくなったときに来てくれる?」


「グラスの口あたりが繊細なのもいい」

彼女の感想に同調する時、その口元から視線をさっとそらしてしまった。頭では大人っぽく口説こうと思っているのに。

彼女が2杯目のカクテルを迷っていたので、僕がもう1杯の気になるものを頼んだ。石造りのバーにしっとりとした空気が流れる。

味見をし合う。少しだけ僕に近づいた彼女が、「こっちの方が好き」と言うので交換した。

ともにお酒が強く3杯目といきたかったが、明日も仕事なので大人しく帰ることに。



関内駅への道、どちらともなく腕を組んだ。「まだ寒いね」と、口実を言いながら。最後は横浜駅で見送って解散。

楽しい時間の余韻に浸っていると、彼女から一通のLINEが届いた。ロープウェーで窓の外を見て笑う僕の画像だった。

“今日はありがとう。また近々飲もうね!”

車窓から住宅街の明かりを眺めていたら、またすぐに会いたくなっていた。今週末の予定を聞いて、次は土曜に決まった。


今回デートで行ったお店はこちら!

1.横浜を代表する焼き鳥店で、創業70年の実力に感嘆する
『里葉亭(関内本店)』


歴史を感じる佇まいに心躍り、こだわりの串に心から満足する


怪しげなムード漂う歓楽街・福富町の一角で、昭和の焼き鳥店の匂いを放つ『里葉亭』。

横浜イチどころか、国内屈指とうたわれる店で、地元民はもちろん県外から、近年ではインバウンド客も押し寄せる名店だ。

昭和30年初頭に創業した『里葉亭』は、先代からおまかせコースを提供。いまや定着しつつあるコース式は、ここが先駆けだという。


常に進化を続ける、その探求心が旨さの所以


串は名物ぞろい。しょうがを載せたハツにはじまり、ギュッと詰まった皮に大ぶりな生レバー。和牛のタンや一品料理も随所に。

軟らかなひな鶏を使い、途中、熊野地鶏や高坂鶏などを挟み、緩急を付ける。



レアに火入れした「生レバー」は大ぶりで、食感はとろっとろ。後半はゆずこしょうで味変を。



「手羽の唐揚げ」も創業当時から変わらぬメニュー。

薄めの衣でパリッと揚がった皮と肉の旨みを味わえる。



季節で変わる一品料理。

この日は鴨にもろみ醤油、ねぎにカラスミを合わせた「かすみ鴨と下仁田ねぎ」。



「タン」は珍しく和牛を使用。ミディアムレアで抜群の歯切れ。


名物の「フライライス」は必ず食べたい!


〆は名物の「フライライス」。

いわゆる、カレー味のチャーハンなのだが、店の始まりがGHQ相手の『Bar LIBERTY』というバーだった頃の名残(店名の里葉亭もここから)で、ファンの多い逸品だ。



「長く続く歴史を守りつつ、新しいものに挑戦したい」とは3代目の榊原伴次さん。

老舗然とした構えながら、「ケンゾー エステイト」をフルでそろえ、従来のコースとは別に高坂鶏コースを出すなど、時代に合わせたアップデートを惜しまない。


新たにランナップされた「高坂鶏コース」にも注目


その革新を続ける姿勢こそが、この店を名店たらしめている理由なのだ。


【横浜の「食」トリビア】
横浜の焼き鳥シーンは老舗の存在感が強い


野毛に代表される酒場が昔から元気な横浜。ゆえに、つまみとなる焼き鳥店も目立つ。特に老舗の存在感が大きく、『野毛末広』『焼鳥 若竹』『鳥伊勢』などが人気。

一方、『里葉亭』出身の『1000』や『汐汲坂 恵びね』などの高級店も増えつつある。


■店舗概要
店名:里葉亭(関内本店)
住所:横浜市中区福富町仲通3-2 井上共同ビル 1F
TEL:045-251-7676
営業時間:17:30~(L.O.21:00)
定休日:水曜
席数:カウンター10席、テーブル4(12席)
※関内本店の予約は電話にて

<WEB予約なら支店の『横濱 里葉亭(横浜駅鶴屋町店)』で>
店名:横濱 里葉亭(横浜駅鶴屋町店)
住所:横浜市神奈川区鶴屋町2-15-3 クレイン横浜ビル 5F
TEL:045-548-8969
営業時間:17:00~(L.O.20:30)
定休日:月曜
席数:カウンター11席、テーブル18席


2.品のいい大人たちが醸す心地良い空気が、酔いを深めてくれる
『Grand Noble』


上質なカクテルやアール・ヌーヴォー調の落ち着いたインテリアが高い支持を得ている『Bar Noble』。

今年20周年を迎える名店だけに満席なことも多いゆえ、目と鼻の先にあるこちらへ誘うのが実はスマート。

ヨーロッパの古城をモチーフにした内装、外界から遮断された空間はデートの締めくくりに実に相応しい。



オーナーバーテンダーの山田高史さんは、2011年に開催された「ワールド・カクテル・チャンピオンシップ」で総合優勝した名手。



1杯目にはぜひ、受賞作品の「グレートサンライズ」を。


チャームも美味!


ブランデーやラムのラインナップに合わせて、チャームは関内『ニアネス』の焼き菓子など、甘いものを提供。


■店舗概要
店名:Grand Noble
住所:横浜市中区吉田町12-2 パークホームズ横浜関内 101
TEL:045-315-2445
営業時間:【火~土】19:00~(L.O.24:30)
     【日】18:00~(L.O.24:30)
定休日:月曜
席数:カウンター6席、テーブル8席
※チャージ 800円(サービス料込み)


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