top_line

「エンタメウィーク」サービス終了のお知らせ

200~1000円程度の高単価品増加!! 物価高騰で100円ショップ苦境「卸業者の倒産が目に見えて増えた」

週プレNEWS

「この1、2年で、100円ショップを主要取引先にする卸業者の倒産が目に見えて増えた。プラスチックの仕入れ値は下がる気配がなく、小売り側が値上げしてくれないと、メーカーも卸もますます苦しくなります。もっと”脱100円化”を進めてほしい」

100円ショップが近年、売り上げを伸ばしているガジェット(電子機器)類にも異変が。半導体設計会社に勤める電子回路の設計エンジニアで、『「100円ショップ」のガジェットを分解してみる!』(工学社)の著者でもある山崎雅夫氏が解説する。

「100円ショップのガジェットの大半は中国製で、円安と人件費高騰のあおりを受け、もはや100円の品を見つけるほうが難しい。ダイソーとキャンドゥで300~1000円の高単価品が主流になる一方、100円均一価格を貫く(業界2位の)セリアでは、ガジェット類がほぼ姿を消しています」


ダイソーでは電気関連商品の多くが「脱100円化」。ただしガジェット類はきちんと品質も向上している
ただし、単に価格が上がったわけではなく、ガジェット類の品質は確かに向上しているとも山崎氏は指摘する。

「例えば、ダイソーが販売するブルートゥースの完全ワイヤレスイヤホン『TWS001』(1000円)は、よくその価格で作れたなと思えるクオリティです。ノイズキャンセル機能はありませんが、取得に100万円以上かかる『技適マーク』もきちんと取得しており、ただ音を聴くだけならこれで十分です。

広告の後にも続きます

また、最近の100円ショップのガジェットは”ワンチップ化”が進んでいます。アップルの『AirPods』には10個ほどのICチップが搭載されているのに対し、先述の『TWS001』を含め、100円ショップの品は多くが1個だけ。機能を絞っているとはいえ、再生から充電、ブルートゥース通信までをチップひとつで完結させている点に技術力の高さを感じます」

そのICチップは大半が中国製だ。100円ショップのガジェットは、急速に成長する中国のハイテク部品産業に支えられている面も多い。

「100円ショップのすごみのひとつは、『パソコン用のファンガードがバーベキュー用の焼き網に生まれ変わる』といった生産共通化をもたらす商品企画力です。その点、ガジェットに関しては、中国で部品の共通化が進んでいることが大きい。例えば、ダイソーの『人感センサー付きLED電球』(500円)に搭載されるセンサーコントローラーを少し改造し、USBコネクタをつけ、外装を変えて発売されたのが『人感センサーケーブル』(300円)です。照明器具に接続すると人の動きを感知して自動点灯させる便利グッズで、見事にヒット商品となりました」

取材・文・撮影/興山英雄

  • 1
  • 2
 
   

ランキング

ジャンル