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【大学野球】父が躍動した神宮でついに「H」ランプを灯した早大・中村敢晴 「一球入魂の心で頑張ってほしい」

週刊ベースボールONLINE

リーグ戦9打席目で初ヒット



早大・中村敢は4年春にして、リーグ戦初安打を放った[写真=矢野寿明]

【4月14日】東京六大学リーグ戦(神宮)
立大3-1早大(1勝1敗)

 かつて父が躍動した神宮で、ついにHランプを灯すことができた。早大・中村敢晴(4年・筑陽学園高)は立大2回戦で「六番・二塁」で先発出場。第2打席で左前打。リーグ戦9打席目で、初ヒットとなった。

 父・壽博さんは西日本短大付高で1992年夏、主将(一塁手)として甲子園で全国制覇を経験した。早大では通算6本塁打を放ち、3年秋に首位打者(打率.375)を獲得し、2度のベストナイン受賞。大学日本代表でもプレーし、世代屈指の右の強打者として活躍した。

 大学卒業後は早大助監督を経て、1999年からは日本文理大(大分)を指揮し、2003年には九州勢初となる全日本大学選手権初優勝へと導いている。長男・宜聖は西日本短大付高から2019年にソフトバンクに入団し昨季まで5年間、育成選手(外野手)としてプレーした。次男・敢晴は筑陽学園高で2年春と夏の甲子園に出場。三男・旭伸は今春、早稲田佐賀高から早大に入学した内野手である。

 次男・敢晴は3年春にリーグ戦初出場。4度の代打で結果を残せず、昨秋の出場はなかった。学生ラストイヤーとなった今春、開幕カードの立大1回戦で「六番・二塁」でリーグ戦初先発も3打数無安打。先発2試合目にして、初安打を放った。父はコメントした。早大OB、大学野球指導者としての言葉が並ぶ。

「まずは個人の結果よりも、早稲田大学が試合に勝つことを願っています。本人も、チームの優勝のために、死ぬ気で頑張ると言っていました。私の考えとしても、大学の代表として各校との対抗戦に一球入魂の心で頑張ってほしいです」

 最大の見せ場が訪れた。1点を追う6回表二死満塁の好機。中村は空振り三振に倒れた。投手交代に伴い7回裏、ベンチに下がった。チームは1対3で敗れ、1勝1敗のタイとなった。試合後、早大・小宮山悟監督は「神宮でそこまでの打席をこなしていないので……。ただ、4年生なので、皆の期待に応えてもらわないと困る」と厳しい表情で振り返った。

 誰よりも泥臭く、日々の練習を積み重ね、先発の座を手にした苦労人。最上級生としての「姿」を見せるチャンスはまだある。

文=岡本朋祐
 
   

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