戸田さんは数々の有名俳優の中で、最も飾らず変わらない人だといいます。
本人はスター扱いされることを嫌い、「私は、ストーリー・テラー(物語の語り手)です」と口癖のように今でも言うです。
スピルバーグ監督と戸田さんの最初の出逢いは「E.T.」が最初だったとのこと。
「頭の中でお芝居をしながらセリフを書く」という戸田さんは、「『E.T.』の最後のシーンは、翻訳しながら泣いてましたよ」と当時を振り返っています。
日本で映画「E.T.」が公開された後、戸田さんはテレビ番組の取材に同行し、スピルバーグ監督の自宅を訪れました。
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戸田さんを驚かせたのは、スピルバーグ監督が仕事をする事務所にゲーム機しか置かれていなかったこと。
また、スティーブンさんの飼い犬や子役に混じり、本人も一緒に遊ぶ姿を目にした戸田さんは、「こういうハートを持っているから『E.T.』みたいな、優しい映画ができるんだな」と実感したといいます。
一方、ルーカス監督はというと、スピルバーグ監督とは正反対のタイプだと明かしました。
戸田さんは大学を卒業後、翻訳の仕事を探していたもののなかなかチャンスに恵まれず、20年後に初めて映画翻訳を手がけたのが「地獄の黙示録」という映画でした。
同映画の監督の自宅で開かれたパーティに招かれた戸田さんは、ここで初めてルーカス監督と会うことに。
ところが、宴もたけなわになったころ、ルーカス監督がやっとコソコソと現れ、監督と少し会話をした後、帰ってしまったのです。
後に仕事で会うことになりましたが、ルーカス監督は常に伏し目がちで非常にシャイな性格だという印象が強いと明かしました。
戸田さんは、「映画好きだったというのがスタートラインですから、まっとうできたことがとても嬉しい」と述べ、「40年経った映画を皆さんが見に来てくれて嬉しい」と述べています。
「午前十時の映画祭」で選考委員を続けてきた戸田さんは、「昔の映画は良い作品が多く、選りすぐって作品を上映しているため、どれを観ても損はない」と断言し、「今後もぜひ観続けてください」と締めくくりました。
「午前十時の映画祭14」は、グランドシネマサンシャイン池袋で絶賛開催中。