監督/アンドリュー・ヘイ
原作/山田太一『異人たちとの夏』(新潮文庫刊)
出演/アンドリュー・スコット、ポール・メスカル、ジェイミー・ベル、クレア・フォイ
配給/ウォルト・ディズニー・ジャパン
話題の韓国映画『ビニールハウス』とテーマは全く別なので比べることはできませんが、この『異人たち』は今年1年、強く心の中に棲みついていることは間違いない。
作品を見た後、感想を言おうと思っても涙が溢れて喋ることができません。申し訳ないけど、平たく言わせてもらえれば「見ないとダメ」な作品です。
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なかなか映画に対して言えない言葉ですけど、頑張って生きている皆さんに絶対に響くはずです。
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この映画を見て思い出したのは、一般社団法人『オセッカイダー』代表としても有名で、NHK番組『バリバラ』などでご活躍のレモンさんがいつも言っている「おせっかいは命を救える」。読者の皆さんの中に差別や偏見を持つ方はいないと信じていますが、この作品の宣伝ポスターだけで、〝同性愛の映画?〟と思い込んで見るのをやめたら、当たりの宝くじを捨てたのと同じです。
これは、家族の愛の物語です。
亡くなった身近な人と、もう一度会えたら、何を話したいですか?
最初はなかなか流れが分からなくて、なんだか違和感を感じました。でも、だんだん家族愛に満ちた、とんでもなく素晴らしい物語であることが分かっていきます。
そして、〝なるほど!〟と思った瞬間、もう涙が止まりませんでした。
自分の人生を生きるんだ
ある夜、主人公のアダム(アンドリュー・スコット)のもとに、同じビルに住むという男性ハリー(ポール・メスカル)が訪れ、部屋に入れてくれと言ってきます。