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ウーバーイーツ配達員にとっての難敵? 動物たちとのほっこりしないエピソード【チャリンコ爆走配達日誌】

週プレNEWS

以前、この連載の「部屋にたどり着くまで10分以上かかる!? タワーマンションへの配達はつらいよ」や「業務用エレベーター利用者たちの悲喜こもごも!? 配達員トーク」でも触れましたが、タワーマンションの中には、配達員などが利用する業務用エレベーターが設置されているところがあります。そして多くのマンションで「配達員、引越し作業員、ペットを同乗する住民は業務用エレベーターを使うこと」というルールになっています。

3年前のクリスマス、とあるタワーマンションにチキンを運んだ時のこと。36階にある部屋へ向かおうと、1階の業務用エレベーター乗り場で待っていたら、住民の男性が中型犬を連れてやってきました。犬はよくしつけられているのか、こちらのリュックの中身に興味津々という感じで私やリュックに熱い視線を投げかけてきますが、吠えることは一切しません。

エレベーターに乗り込み、私が36、住民の方が28のボタンを押し「すみません。ウチの犬が」「食べ物が入っているから仕方ないですよ」と飼い主の方と軽く言葉を交わしていると、閉じ込められた空間、フライドチキン、人間以上の嗅覚、という3つの条件が揃った環境で我慢の限界が来たのか、犬が急に吠え出し、立ち上がってリュックに手を伸ばしてきました。飼い主の方がうまく対応してくれて事なきを得ました。突然の犬の乱心にも驚いたのですが、それ以上に衝撃だったのはエレベーターを降りる前に「すみません、まだ子どもなので」と言われたことでした。商品を狙われたことより、あの大きさで子犬ということにビックリしました。

犬の話が続いたので、最後は猫の話を。

コロナで外出する人が少なかった4年前の秋。浅草付近で受けたのはレストランからの配達依頼。店の前に到着し、邪魔にならない位置にリュックを置き、商品を受け取りに店内へ。4人分の弁当を受け取り「土日の夜、外食代わりにレストランの弁当をウーバーで頼む人が増えたな」と思いながらリュックの前に。そして中に弁当を入れようとした瞬間、曲げた背中にズシリと重みが。反射で背中を反らすと建物の間に駆け込む黒い影。よーく見ると、丸々と太った猫。その体型から、おそらく配達員を常習的に狙っているのでしょう。

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コロナで外に出る人間が減り、餌をもらえなくなったのかもしれませんが、もし配達する商品に手をつけられたらBAD評価どころではありません。なので思いっきり怒鳴りつけてやりました。

「この、泥棒猫が!」

ここまで49年生きてきていますが、ドラマなどでありそうなこのセリフを叫んだのは後にも先にもこの一度きりです。

他にも、猫が飛び出してきたと思ったらハクビシンだった話や、岩に乗り上げて転びそうになって岩の場所に戻ってみたら亀だった話など、動物にまつわるエピソードはいろいろありますが、そのあたりはまた別の機会でお話しできたらと思います。

文/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明

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