――ワガママボディにも程がある。そして顔面もエグい!
渡辺 ダイナミックシールドと呼ばれる今の三菱車に共通するデザインで、実に野性味のある面構えです。トライトンは三菱の金看板ですから、世界中の誰が見てもインパクトのあるデザインを心がけたのだと思います。
――ちなみにお値段は?
渡辺 グレードは「GLS」と豪華版の「GSR」の2種類があり、498万800~540万1000円です。
野獣フェイス爆誕!「三菱 トライトン」価格 498万800~540万1000円 一般道でも徹底チェック。牽引力などを重要視するラダーフレーム車なので、ワイルドな走りを想定していたら、まさかのSUV的な乗り味に衝撃
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室内はヘタなSUV顔負けの上質な仕上がりになっている。ナビやUSBポートなども標準装備
――つまり、超ヘビー級ボディの持ち主で、価格は実質500万円台であると。道の狭いニッポンで売れんスかね?
渡辺 昨年12月の発表から今年3月10日までの受注台数は約1700台。ちなみに月間販売計画は200台です。
――この数字はスゴい?
渡辺 約1700台の台数自体は特に多くありませんが、三菱の国内販売店舗数は約600ヵ所。トヨタの約5000ヵ所と比べると12%程度。三菱にとっての1700台は、トヨタに置き換えると1万4000台に相当します。
――なるほど。
渡辺 しかもトライトンの価格は、前述のとおり実質500万円台と高価で、カテゴリーも日本ではニッチ市場となるピックアップ。こういう販売面で不利な条件を考慮すると、上々の滑り出しでしょう。
搭載エンジンは2.4L直4ディーゼルターボのみとなる。燃費はWLTCモードで11.3㎞/L
ガッシガシと物を積める大きい荷台。ちなみに5名乗車時の最大積載量は500㎏を実現
――どこで売れてんスか?
渡辺 売れている地域のトップ3は北海道、愛知県、東京都の順番です。ちなみにトライトン購入者の82%は他社からの乗り換えで、グレードは豪華版のGSRが88%を占める断トツぶりです。
――購入者の年齢層は?
渡辺 意外と若い人が多いです。年齢の内訳は20代が10%、30代は21%、40代は32%。合計すれば40代までで60%以上を占める。私のようなオジサン世代には、懐かしのピックアップ復活ですが、若い人たちには新鮮に映るようです。
――人気のワケは?
渡辺 基本的にトライトンはピックアップトラックですが、トヨタのランドクルーザーのような悪路向けSUVとして注目されているようです。まぁ、このタフでワイルドな見た目は理屈抜きに男心を刺激しますよ。一方、三菱ユーザー的には、19年に国内向けの生産が終了しているパジェロの代用という面も。
――試乗した率直な感想は?
渡辺 トライトンは、新開発のラダーフレーム、そしてパジェロやランエボの走行技術を徹底的に磨き上げて搭載しています。昨秋、私は北海道にある三菱のテストコースで試乗し、高い悪路走破性を確認していますが、そのスゴさを再確認しましたね。
開発陣を徹底取材した渡辺氏。写真はセグメント・チーフ・ビークル・エンジニアの戸邉哲也氏
――これだけ巨大なクルマだと死角が怖いっス。
渡辺 トライトンは移動物検知機能がついたマルチアラウンドモニターなどで、クルマの周囲が360度モロ見え! これはうれしい技術でした。
――公道試乗の感想は?
渡辺 ラダーフレームを搭載したトラックとは思えぬ走りでSUVに近い乗り味ですね。ただ、ステアリング操作に対する反応は少し鈍い。
――ほかに気になった点は?
渡辺 ディーゼル特有のノイズですね。車内では静かなのですが、外に出ると少しばかり耳障りでした。
「トヨタ ハイラックス」価格 407万2000~477万2000円/トライトンのライバルはトヨタのハイラックス。ニッポン上陸は2017年。タイからの輸入車になる。GRスポーツも用意!
撮影/山本佳吾