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地味に見えるけどチームの軸?「セカンド」というポジションを深堀り!【山本萩子の6-4-3を待ちわびて】第108回

週プレNEWS


1月よりも、野球の季節がやってくる2月以降のほうが「新年の挨拶」をする機会が圧倒的に多い、野球大好き山本です。

では、セカンドというポジションの重要性はどのくらいのものなのでしょうか。もっと考察を深めたいと思います。

セカンドはファーストとの距離が短い分、送球にはより正確性が求められます。また、頻繁にベースカバーに入るため敏捷性も必要。セカンドやサードに投げる時は、腰を回転させて逆方向に投げないといけません。さらに、難しいゴロを捕球した後は、体を回転させながらファーストに送球するので空間把握能力も大事だと思います。

巨人や横浜で長く活躍された仁志敏久さんとお仕事で一緒にした時に、仁志さんの考えるセカンド論を聞かせていただいたことがあります。いわく、「セカンドほど頭を使い続けるポジションはないだろう」とのことでした。

ほかのポジションにも共通する部分があるでしょうが、配球やボールカウント、アウトカウント、試合展開などをすべて頭に入れ、1球ごとにポジションを変えたりと、見えないところでプレーの準備を続けていたそうです。地味かもしれないけど、そんな努力の積み重ねがあの華麗な守備につながったんですね。

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セカンドには現在、守備で球場を沸かせる華やかな選手がいます。それは、広島の菊池涼介選手です。

NPB記録となるシーズン535補殺や守備率10割(無失策)を記録し、10年連続でゴールデングラブ賞を受賞していますが、菊池選手の魅力は守備範囲の広さと肩の強さでしょう。守備には明確な指標がないので評価が難しいところもあるのですが、菊池選手のダイナミックな守備はメジャーリーガーを彷彿とさせます。

一方で、山田選手の守備は菊池選手に比べると派手さはないかもしれませんが、打球の判断や予測がすばらしい。名人ほど難しいことを簡単に見せるといいますけど、山田選手はその域に達しているのかもしれません。

さて、武岡選手はキャンプから調子がよく、一軍でも若者らしいハツラツとしたプレーを見せてくれています。山田選手に代わって途中出場した開幕戦では、相手のワイルドピッチがあった時に三塁から思い切りよくスタートし、本塁を陥れました。紙一重のプレーでしたが、その判断のすばらしさに、近い将来に主力選手になる可能性を感じました。

今は考えたくないことではありますが、いずれ私たちは”ポスト山田問題”に直面します。その時に、武岡選手、北村選手といった若手選手が、チームを支えていく力になることは間違いありません。

セカンドは攻守で強みを発揮する選手が多いことから、「強いチームの軸はセカンドにある」という見方をしている方もいるでしょう。今年のヤクルト躍進のカギもセカンドが握っていると思うのですが……みなさまいかがでしょう。

みなさんの理想のセカンド像についても聞かせてください。それではまた来週。

★山本萩子(やまもと・しゅうこ)
1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。
2019年から5年間、『ワースポ×MLB』(NHK BS)のキャスターを務めた。愛猫の名前はバレンティン

構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作

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