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高齢期の「創作」と「発信」が鍵 抑うつ予防効果も? 「世界最高齢のアプリ開発者」若宮正子さんに学ぶ“3つのメリット”

オトナンサー


「創作活動」が健康維持に好影響?

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 NPO法人「老いの工学研究所」理事長を務めている筆者は先日、「世界最高齢のアプリ開発者」として知られ、88歳になる今も活躍中の若宮正子さんの講演会に行ってきました。

 講演前に控室で少しお話をしましたが、お元気そのもので、筆者が聞いた大阪での講演の前日は青森県、数日後は宮崎県、その翌日には島根県に向かわれるとのことで、講演は年に約120回。また、驚いたのはマネジャーやお付きの人がいなかったこと。この日も、事務局との待ち合わせ場所となっていた新大阪駅まで、1人で移動して来られたそうです。

 講演の最後に、聴衆(若宮さんより一回りくらい若い人たちが中心)に対しておっしゃっていたのは、「創造的に生きよう」でした。「1人で勉強するのもいいけれど、何かを創り、人に伝えるような活動をすることが大事」だと強調されていました。ご自身が「根っからの情報発信型人間」だそうで、アプリ開発に加えて、表計算ソフトのExcelを使って絵を描く「エクセルアート」の創始者としても知られる人なので、創って発信することの健康効果を実感しておられるのかもしれません。

「創作と発表」が健康にいい理由

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 高齢期の健康維持にとって運動の重要性はよく知られていますが、それ以外の活動について、筆者は以前から「創作と発表」の健康効果に注目していたので、わが意を得たりの気分でした。「創作と発表」には次のようなメリットがあります。

 1つ目は「上達が実感できる」こと。学習によって分かったうれしさ、知った喜びは味わえますが、それだけだと自分がレベルアップしていることはなかなか分かりません。一方、俳句や短歌、写真、絵画、楽器演奏、歌唱、踊りといった創作や発表は、だんだんと上手になっていく実感が得やすいものです。

 加えて、高齢期ならではの感情や感性を表現できますから、「若い頃にはできなかったが、年を取ってからできるようになった」ということもよく起こります。この点では、運動やスポーツという、身体的な衰えがある分うまくなるのがなかなか難しいものよりも、前向きな気持ちになれます。

 2つ目は「褒め合える、認め合える」ことです。絵画や写真、書道などをたしなむ高齢者サークルの展覧会にお邪魔すると、訪れる知人や仲間が、作者をとにかく称賛している場面によく出会います。どちらがいい、悪いといった比較や勝ち負けは一切なく、巧拙も関係なく、作品のいい部分を探して褒めておられます。見ている筆者も温かく、ポジティブな気持ちになってきますから、本人はもっとそうでしょう。

 3つ目は「目標ができる」こと。書道などのように段級制度があれば、分かりやすい目標ができます。時間とお金をつぎ込んで、昇級・昇段に熱心に挑んでいる高齢者はたくさんおられます。一緒に作品づくりをしていれば、自分よりも上手な人は分かりますから、そんな人の存在も目標になります。そこでは、「教え、教えられる」という関係、「尊敬し、尊敬される」という関係が生まれます。人に教えるうれしさ、教えられるという若い頃に戻ったようなワクワク感を味わえますから、普段の交流とは違うものになります。

 創作や発表は、このように気持ちの張りやポジティブな感情を発生させ、社会的な関係の構築にもつながりやすく、その結果、精神的な健康の維持・増進に寄与し、身体的機能や認知機能にも好影響が及びます。実際、国立長寿医療研究センターの野口泰司氏による、3万7627人の高齢者を3年間追跡した研究では、芸術文化活動を行っている人は、そうでない人に比べて新規の抑うつ発生が20%少ないという結果が出ています。

現代は「意識しないとアウトプットができない」

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