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アマチュアにありがちな「オーバー・ザ・トップ」にならない「逆ループ」スウィングとは⁉【解説「ザ・ゴルフィングマシーン」#78】

みんなのゴルフダイジェスト

サム・ベネット選手は、クラブを低く引いて始動しますので、一見すると低いトップを目指しているように見えますが、写真Bでわかるとおり、最終的なトップではオーソドックスな位置に両手が収まっています。

低く引くことで上半身をしっかりとねじり、そこにできたスペースに両手を垂直落下的に振り下ろすことで、肩もほぼ垂直にターンしていることは以前の記事でも紹介しましたが、その結果両手の軌道が体に近いところから遠いところに持ち出される「逆ループ」の状態になっていることがわかります。

「インサイドアウト」が基本じゃないの?

一般的にはトップの高いプレーンから、ダウンスウィングにかけてインパクトへの低いプレーンに移行することで「インサイドから」クラブヘッドを動かしていくというのが通説に感じられます。例えばレッドベターの「A Swing」などはその極端な例ですし、「シャローイング」で有名になったジョージ・ガンカスのGGスウィングなどもその典型例でしょう。

多くのアマチュアが当初アウトからクラブが下りてきてスライスになることから、なんとなく「インサイドからシャローにアタックしてドローを打つ」ことがカッコ良く感じられることもあるでしょう。

しかしサム・ベネット自身はジュニア時代はスライスに悩み、それを緩和してストレート寄りのフェードボールを打つことを考えて試行錯誤した結果、今のスウィングになったということですので、「スライスが出るからドローにしなきゃ」と真逆のボールを打つことを目指すことが必ずしも正しいわけではないのかもしれません。

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ちなみにザ・ゴルフィングマシーンではこれらの手法の違いは、「プレーンアングルのシフト」として分類されていますが、細かく分けると全部で八種類のやり方があるとしています。

「逆ループ」のメリット

次に両手を「逆ループ」にすることのメリットですが、両手をインサイドに(体幹に引きつけるように)引いて高いトップを作ってから、左サイドに(体幹から離れるように)振りおろすことで、インパクト時点での両手と体幹の干渉をほぼ確実に避けることができます。

そもそも前回の記事から始まったこの議論の内容は、インパクトに向けて体幹と両手が近づきすぎて詰まる、「アーリーエクステンション」という現象について対策を行うにはどうすればよいかというものでした。

「逆ループ」の両手の使い方ではインパクトに向けて、両手が体から離れて行きますので、体を伸び上がらせなくても充分にボールをクラブに届かせることができます。インサイドアウトを目指すとこの逆の現象が起きるため、実は「アーリーエクステンション」、言い換えれば「あおり打ち」の状態になりやすいと言えます。

またサム・ベネット選手がそうであった通り、実はスライスの対策としても有効なのではないか、と私は考えています。つまりそもそも「体に引きつけてバックスウィングして、体から離れて行くダウンスウィング」がクラブを振る動作として心地よく感じるタイプのゴルファーにとっては、この動作でボールをストレートに近づけていくことが上達の早道になる可能性が高いです。

このあたりはレッスン活動の中で、臨床実験(?)を繰り返していくことでゴルファーのタイプ別の処方箋を作っていければと考えています。

歴史を振り返れば、過去も現在もこの「逆ループ」の両手の軌道は、決して珍しいものではありません。ドローボールが打てないとゴルフにならないわけでもありません。自分に合った手法を探していくことを考えてみてもよいのではないでしょうか。

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