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インド映画が熱い! 実話を元にした「スーパー30 アーナンド先生の教室」からインドの教育格差と新たな希望に触れる

キネマ旬報WEB

実は、本作でアーナンドを演じているリティク・ローシャンは、その身体能力の高さから、アクションとダンスはボリウッド随一として、絶大な人気を誇っているスターだ。日本では2020年7月に公開された「WAR ウォー!!」(2019)では、素晴らしいダンスとアクションの数々を披露して観客をうっとりさせた。しかし本作では、その身体能力を封印し、さらにイケメンの二枚目スターという姿も封印、無精ヒゲに覆われた陽に焼けた顔と粗末な衣服で、アーナンド・クマールその人になり切っている。

代わりに踊るのは“スーパー30“に選ばれた子供たちで、英語コンプレックスをなくすためにアーナンド先生から「明日は春の祭りホーリー祭だ。大手進学塾前の広場で、20分間英語を使って芝居をしろ。一言でもヒンディー語をしゃべったら村に帰らせる」と言われて人々の前で踊ることになる。子供たちは、全員が見たことのあるヒンディー語の大ヒット映画「ショーレー(炎)」(1975)のクライマックスシーンを演じ、盗賊に捕らえられた恋人の命を助けるために踊るヒロイン、バサンティに、「バサンティ、ノー・ダンス(踊るな)」と言いながらステップを踏んでいく。本作中一番の、ハイライトシーンである。

そして、前半にある恋人スプリヤーとのシーンはボリウッド映画の面目躍如、甘く麗しいシーンが登場する。スプリヤーは金持ちの娘という設定から、カタック・ダンス(北インドの宮廷で発達した優雅な古典舞踊)のクラスで踊るシーンなどが登場するのだが、さすが女性の自立を描いた作品「クイーン 旅立つわたしのハネムーン」(2014)をヒットさせたヴィカース・バハル監督、後半に彼女の活躍する場を用意していて、思わず拍手したくなる。
 
「王になれるのは王の子供だけ」という身分社会、階級社会インドに風穴を開ける、「王になるのは能力のある者だ」という当たり前の主張を実践したアーナンド・クマール。その闘いの目撃者になれる秀作である。

文=松岡環 制作=キネマ旬報社

 

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「スーパー30 アーナンド先生の教室」
●4月28日(金)リリース (レンタルDVD同日リリース)
Blu-ray&DVDの詳細情報はこちら 

●Blu-ray:5,280円(税込)、DVD:4,290円(税込)
【映像特典】
・日本版予告

●2019年/インド/本篇154分
●監督:ヴィカース・バハル
●脚本:サンジーヴ・ダッタ
●出演:リティク・ローシャン、ムルナール・タークル、ナンディーシュ・シン、アーディティヤー・シュリーワースタウ、パンカジ・トリパーティー

●発売元:フルモテルモ 販売元:ハピネット・メディアマーケティング
©Reliance Entertainment ©HRX Films ©Nadiadwala Grandson Entertainment ©Phantom Films

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