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電力の地産地消で経済発展を 再エネ促進ぶれずに12年、岩手県宮古市が見据える「次のステップ」

J-CASTニュース

宮古市では再エネ導入に加えて省エネも推進し、2050年には二酸化炭素(CO2)の排出量実質ゼロを目指す。そこで「推進計画」では、CO2排出量削減目標達成に向けた再エネの導入目標を設定している。まず21~30年度までに、太陽光発電の設備容量を2万5109kW増。家庭用太陽光発電(4.5kW)の約5580件分に相当する量だ。また風力発電は「大型陸上風力発電(1基当たり4000kW)約13基分」に当たる5万3053kWを計画している。ほかに水力発電やバイオマス発電・熱利用も予定。風力発電はこれまで実績がなく、かなり野心的な数字だ。

達成のためには、民間業者の大規模太陽光や風力発電も選択肢に入る。外部の企業が宮古市で事業を行う場合、「地域に利益を還元してくれるなら、市も支援していく仕組みにしていきたいです」(エネルギー推進課・三上課長)。

メガソーラー建設ではしばしば、環境破壊が問題視される。こうした行為に歯止めをかける「宮古市再生可能エネルギー推進条例」が2023年3月、市議会で議決された。第8条では「再生可能エネルギー事業者の責務」を定めた。「地域の自然環境、景観及び生活環境に十分配慮し、事故、災害及び公害の防止に努めるものとする」としている。「推進計画」でも、地域の合意形成を図りながら再エネ導入の促進・規制区域を分ける「ゾーニング」を行うとしている。

震災後、各地で誕生した新電力の中には近年、電力卸市場での価格高騰で経営が悪化し、契約者の負担が増すケースを聞く。それだけに宮古市では、市場からの電力調達を減らし、地産を増やす取り組みが欠かせない。中型風力のように「これから」の事業もある。一方で、震災直後から一貫して再エネ導入を進め、稼働中の太陽光発電所に市が出資するなど「本気度」は強い。今後は一般家庭への再エネ売電も視野に入ってくる。復興の次のステップへ、挑戦は続く。(この連載おわり)

(J-CASTニュース 荻 仁)

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