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「健康的な空気」は13ヶ国・地域のみ 2022年世界大気汚染レポート

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 化石燃料の燃焼、森林火災などの影響で年々深刻化している大気汚染。大気汚染が誘発する呼吸器系疾患により、世界では毎年数百万人が死亡している。特に健康被害の原因とされるのが、大気中に浮遊する直径2.5ミクロン以下の微小粒子状物質「PM2.5」だ。世界各地でこの物質をモニターしているスイス企業が、最新の大気汚染状況を示すランキングを発表した。その結果とは……。

◆2022年度の大気汚染 非常に危険な水準を記録
 スイスの空気清浄機メーカーIQエアが13日に発表した2022年世界大気汚染報告書によると、世界131ヶ国と領域の大気質を調査した結果、健康に良好な大気質と判定されたのは、13ヶ国・領域しかなく、2022年度の大気汚染は非常に危険な水準に達したことがわかった。

 IQエアは、世界各地における呼吸器に影響を及ぼす微小粒子状物質(PM2.5)の空気中の濃度に基づいた空気質指数(AQI)を測定し、年間報告書として発表している。指数の基となるデータは、131ヶ国・領域・地域の7300ヶ所以上に設置した3万台以上の大気質モニターから収集されたもの。

 PM2.5は大気中に浮遊する極めて小さく最も危険な粒子で、吸い込むと肺の奥深くまで到達し、血液中に取り込まれる。発生源としては化石燃料の燃焼、砂嵐、森林火災などが挙げられ、ぜんそくや心臓病、呼吸器疾患といった健康被害との関連が指摘されている。毎年大気汚染を原因とする健康被害で数百万人が死亡している。

◆世界8ヶ国 WHO基準値の10倍以上
 世界保健機関(WHO)は、大気中の微小粒子状物質「PM2.5」の許容濃度を、1立方メートルあたり年間平均5マイクログラムとするよう指針を出している。

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 IQエアの測定値がWHOの基準を満たした国と地域は、オーストラリア、エストニア、フィンランド、カリブ海のグレナダ、アイスランド、ニュージーランドの6ヶ国、グアムを含む太平洋諸国とプエルトリコを含むカリブ海諸国の7領域となった。

 一方、WHOの基準値の10倍以上となった国は、チャド89.7マイクログラム(以下単位略)、イラク80.1、パキスタン70.9、バーレーン66.6、バングラデシュ65.8、ブルキナファソ63.0、クウェート55.8、インド53.3の8ヶ国となった。

 数十年間大気汚染ワーストランキング入りしていた中国は、2022年に大気質が改善し、本土524都市のうち約64パーセントがPM2.5の年間平均値に減少が見られた。しかし、石炭を継続的に使用していることが気候と環境への大きな懸念材料となり、どの都市もWHOの基準を満たさなかった。

 都市別に見ると、パキスタンのラホール97.4、中国のホータン94.3、インドのビワディ92.7、同じくインドのデリー92.6となった。大気汚染が最も深刻な都市を抱えるインドとパキスタンは中央・南アジア地域においてAQIが最も悪く、人口のおよそ6割がWHOの推奨レベルの7倍以上の地域に住んでいる。

 アフリカ、南米、中東の発展途上国では、観測所があまり設置されていないためデータが不足しており、同報告書に偏りがある点は否めない。たとえば、アフリカの54諸国のうち、19ヶ国しかデータが集まらない。IQエア北米支社のCEOグロリー・ドルフィン・ハンメス氏は「世界のどの国や都市の大気汚染が深刻な状況にあるかを正確に測定するには、さらに多くのデータが必要なのです」と説明する(CNN、3/14)。

 
   

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