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StayLuck presents 浪川大輔 SPECIAL LIVE 激アツ超絶ロックナイト!!、昼夜公演をレポ

DI:GA ONLINE

StayLuck presents 浪川大輔 SPECIAL LIVE 激アツ超絶ロックナイト!!
昼公演:フォークアフタヌーン
夜公演:激アツ超絶ロックナイト!!
2023年3月5日(日)品川プリンス ステラボール

2023年3月5日(日)、声優・浪川大輔のソロライブ「Stay Luck presents浪川大輔 SPECIAL LIVE 激アツ超絶ロックナイト!!」が品川・ステラボールで開催された。
本ライブは昼/夜の2回公演だが、チケット前売り分は完売。開催直前まで注目を集めていた本ライブは、何せ昼は「フォークアフタヌーン」という名のアコースティック仕様で、さらにトークをメインディッシュとしたレアな構成で、夜は限界突破必至のロックに特化した本気ライブというのだから、これはぶっちゃけ、ファンにとっても(もしかしたら本人にとっても)生唾を飲むようなドキワク案件なのだ。目撃できずに悔しい思いをした人のためにも、ラッキーに立ち会えた人のメモリーにも、そして浪川大輔のライブを今日知ることになる人にも宛てて、今日の昼夜浪川大輔ライブで何が起きたのかを誠意を込めて伝えたい。

暗転して会場の呼吸が瞬時に整ったのと同時に、春の日差しに等しいほどの爽やかな光が、バンドを照らした。ベージュのチノパンに今回のグッズであるスカイブルーのノンストレスTシャツを軽く捲り、なんとも心地よさそうに椅子に腰掛け、歌い出す浪川大輔の姿があった。曲は「空色追想歌」だ。一人一人に語りかけるような姿勢と眼差しにギャラリーの瞳が緩んでいく。―(ファンと過ごす)この場所が好きだ、と言っている気がした。バンドに灯した黄色いサイリウムに多幸感が満ちていた。

会場である此処ステラボールは、浪川大輔が初めてソロライブをした思い出深い会場でもある。Drのキム兄が、初めて浪川のライブ入りした時の思い出を語った。「ファーストソロライブが確かここで。入る時に信じられなくらいの土砂降りで…!」その流れで浪川が「今日もこれから降るんでしょ!?」と驚愕の一言を放った。雨男伝説は今日も健在らしい。
バンド紹介から早速バンドメンバーにイジリ倒されたところで、ギャラリーからの質問コーナーへと移った。そしてお悩みにもイジられる。全員が、笑う。
メンバーそれぞれが超絶テクを保持しながらにして楽器を持たなくとも何かができる条件で集まったという贅沢なバンド、ノンストレス。ラフなトークと共に会場は驚くほど自然にユートピアと化した。

ゆったりと演出されたライブが抒情に興奮を煽っていく。「No theory」だ。ひらりと浪川大輔が立ち上がり、間奏でフリを会場の隅々にまで届けて回る。普段それぞれの場所で自分の活動を励みに頑張ってきて、心躍らせて集まったギャラリーが期待しているものをちゃんと届けてくれるー浪川大輔は、ノンストレスは、そういう声優であり、そういうバンドだと思う。その優しさをギャラリーはとてもよく知っているし感謝もしている、そんな光景が広がっていた。
ウッドベースを合図に「Alrighat!!」が始まると、待ち合わせていたようにクラップで応戦。この日この場所でしか聴くことがないかもしれないだろう、昼下がりに溶け込む少しジャジーなナイスアレンジが続き、格別なムードで観るものを魅了していた。
コロナがあり、当然のことながら人々が、そして浪川自身も大いに苦しんできた。だからこそ一層にライブへの音楽へのファンへの気持ちが入る…浪川大輔がコロナ禍からの想いを語ると、ピアノが滑らかに走り「マボロシ・ファンタジスタ」を歌い出した。歌詞、メロディ共に多くの人の心を支えている人気曲の一つだ。その流れを力強さに変えて「太陽」へと続いていく。

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「想いを込めすぎて重くなってきちゃったから…そろそろノンストレスらしくしていきましょうか!!」その合図で始まったのはゲーム「ストレスしかない ジャスチャーゲーム」。
バンドメンバーが2つのチームに分かれ、観客のジェスチャーを当てていく、というものだ。景品は豪華黒毛和牛。ライブ後の生配信で実食風景を披露するというから、ノンストレスというバンドは体力無視でどこまで親切なのだろうかと思う。集まったギャラリーそれぞれの顔をまじまじと見て、明るくツッコみ合うバンドメンバーたち。自身が罰ゲームを受ける前に不意打ちゴムパッチンをお見舞いしちゃった浪川大輔。ギフトだらけのゲームタイムを経て、ラストソング「ノンストレスナイト」へ向かった。
みんなの声が聞けて嬉しかった!―そう話す浪川の瞳が眩しい。アンコールには「スパイス」、「なりたいありたい」を贈った。
“ちょっとした幸せ”を感じて生きていきたいー浪川大輔は最後にそんなことをサラリと言った。様々な混沌が渦巻く中で、或いは様々な煩悩が渦巻く中で、浪川大輔は人が持つ唯一のモノを照らそうとしているのかも知れない。それは“思いやり”にも似た、誰もが持っているはずの価値あるモノだ。
心弾むような清々しい拍手が響いた。最後は大量の感謝の言葉でシメるノンストレス。見終えた後の人の心に、“ちょっとした幸せ”が温度を持ち、その後言葉を交わすなどした また別の誰かにちょっとしたしあわせをもたらすこともあるのだろう。その連鎖はきっと浪川大輔率いるノンストレスが願っていたものなのかも知れない。
余韻を味わいながら、ほんの少しのインターバルを経て、夜公演へと進む。

眩い黄色のテーマカラーが瞼を擦り、ラウドに、光が起き上がる。封切りは「Jump Out Loud」だ。バッキングが コーラスが 浪川大輔が、解き放たれたように突き抜けていく!
ギターがエンジンを吹かせて煽る。浪川が「声を聞かせて!」と求める。待ち侘びた、コール&レスポンスで何度も気持ちを確かめ合う。苦しい日々に心の中で終止符を打ち、大きく前へ進むために、今夜その誓いを交わすために。
「激アツ超絶Saturday Night!!」のイントロと共に、歓声が上がり、会場は完全に仕上がりを見せた。Dr.が、Gtが上手で煽る。“みんなで声を合わせましょう!”の勢いを更に加速させて「Hurricane Rock Star」「ジキルとハイド」へと加速した。一瞬の隙も見せない熱気で溢れていた。
大きく振りかぶるバンド、上手下手にかけ抜ける浪川大輔。眼差しを真っ直ぐに離さないギャラリー。ノンストレスであるために此処があるのだと再確認するようで、それが昼公演を経て今、境地へ到達する流れを互いの魂が打ち合わせていたようで。
「声出し最高ーーー!!」
浪川大輔が、叫んだ。

楽しく、おもしろく。それこそが浪川大輔ライブの醍醐味であるが、今夜はさらに超絶ロックナイトのタグを持つ。熱が冷め止まぬうちに「combat」「デリンジャー」「run」へと連れていく。ハードロックの要、ギターソロにも熱が入る。舞い暴れる鍵盤、願い届けるように歌う浪川大輔。激しいドラムスが鳴るや、デビュー曲「ROCK STAR」だ。バンドパフォーマンスも加速度を増して止まらない。今度はキーボードソロで吠えまくり、カットアウトで大歓声が起きた。

「combat」「デリンジャー」あたりで早速指がつりそうになったとカミングアウトする愛すべき浪川大輔。塩分や水分を摂るにもバンドに暖かくいじられて、皆が笑う。我々がノンストレスという集団の存在に日々救われていると知るひとときでもあった。
次に鳴らされたのは人気の高いアルバム『賽(さい)』より、今夜限りのスペシャルメドレーだ。「夜咲きの勿忘草」のイントロ0.1秒で会場が湧いた。「恋花火」「世々ノ道」「暁」とアンセムが駆け巡っていった。この一瞬だけでも、噛み締める喜びがある。
浪川にとってロックは、常にそばにあり、憧れでもあった。デビュー曲のタイトルも「ROCK STAR」だ。何かに反発したいわけじゃない。それだけ浪川にとって、ノンストレスメンバーの心臓には音楽としてのロックが生きているのだ。

ライブに声が戻ってきた解放の初日である今宵、浪川大輔は、さらに音楽のギフトを届けてくれた。まずは、「地球丸ごとハグしたいんだ」。軽快に、だが真剣に浪川の声が音に混じっていく。アニメ『ヘタリア World★Stars』のイタリアの声そのままに、陶酔するほどの職人技に目が細まる。「君に届け」が流れると、この曲を選んでくれた!と言いたげに弾む歓声が上がり、一瞬でピュアネスに染まった。浪川大輔の凄みは、スタジオ外でも、ライブであっても、歌うことであっても、声でして目の前の世界を変えてしまうところだと思う。カバーラストは「ever free」だ。世代ボーイズ9割支持を得るだろう、伝説のロッカーhideの名曲だ。もしかしたらまだ何者でもなかったかもしれない浪川は、メンバーは、この曲とどんなふうに付き合い、何を思っていたのだろう。そんな彼らは今、ステラボールのステージで駆けつけた人々とこの曲でロックを味わっている。

歌い終わりに、カバー選曲の裏話を話してくれた。
世界全体が不安定な今だからこそ、という理由でも「地球丸ごとハグしたいんだ」を選んだというくだりも、「ヘタリアの声は、苦しい」と不意に漏らす一言で爆笑を起こしたくだりも、全てに浪川大輔とノンストレスの魅力がダダ漏れしていた。「君に届け」は、浪川自身がブレイクするきっかけとなった思い出の作品の主題歌でもあり、「ever free」は浪川が好きなhideの楽曲の中でも今日の自由なライブに合わせての選曲だという。
浪川大輔のライブは、初見参加でもノンストレスに、トークも素晴らしく楽しいのだ。それに、浪川大輔という大看板を掲げながらも、バンドメンバーが等しく皆に愛されている。フランクに突っ込み合い笑い合える空間がある。ああ、そんな場所があったなら。誰の何を気にすることなく、笑い合える空間があったなら。その空間が浪川大輔のライブにはあると知っているから、明日を迎えられるの人も多いのだろうと思う。

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