top_line

【完全無料で遊べるミニゲーム】
サクサク消せる爽快パズル「ガーデンテイルズ」

「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」パク・ウンビンにインタビュー!「”善良な影響力”を持つ作品に出演したい」

MOVIE WALKER PRESS

日本と韓国だけでなく、世界的大ヒットを記録したドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」のシンドロームの中心にはパク・ウンビンがいた。いまでは彼女以外の女優がウ・ヨンウ役を演じることは想像できないと思っている人が多いかも知れないが、実はパク・ウンビンは数回にわたってユ・インシク監督からのラブコールを見送り続けた。

決して作品やスタッフへの信頼がなかったわけではない。むしろ“この作品はきっと名作になる”という確信はあったが、ウ・ヨンウという人物になる自信がなかったという。しかし粘り強く説得してくるユ・インシク監督に勝てず出演を決めて、結果、誰にも真似できない“ウ・ヨンウ”を誕生させた。

パク・ウンビンにとってウ・ヨンウとして過ごした7か月間はかけがえのない時間だった。楽しい時も、苦しい時もあったが、いつも彼女が出した結論は“最善を尽くして、心をこめてウ・ヨンウを演じる”ということ。そういう努力が実を結び、韓国の視聴率調査会社・ニルソンコリアによると、0.9%の視聴率でスタートを切った「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」は、最終回の視聴率を17.5%まで引き上げた。また、放送期間中は言うまでもなく、放送が終わってからも1か月以上Netflixのグローバル非英語テレビランキングで1位を守り、世界的人気を誇った。

■「”ヒット作”よりは”いい作品”を作くりたかった」

「出演を決めた時点で“クオリティが高くて作品性のあるドラマになるだろう”とは思っていましたが、ここまで人気が出るとは想像もできませんでした。正直、好みが分かれるかも知れないと思ったので、“ヒット作”よりは“いい作品”を作ろうという心意気で撮影していました。なにも期待していなかったせいか、序盤から思ったより反響が大きくて、”ちょっと怖いんだけど”と思ったりしましたね(笑)」

■「自閉スペクトラム症を持つウ・ヨンウ、障がいでなく個性として見てほしかった」

ウ・ヨンウは自閉スペクトラム症を持つ天才新人弁護士。誰も傷つけずに演技するためには、実際自閉スペクトラム症を持つ人を真似するのはよくないというのがパク・ウンビンの考えだった。障害で苦しんでいる人たちを、演技のための手段として使いたくはなかったという。

「どの作品でも、キャラクター固有の個性や性向があるんじゃないですか。ウ・ヨンウも同じく、障がいを持つ人ではなく、個性が強い人として認識してほしかったです。ただ、前作の『恋慕』の撮影が終わってから2週間後に『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の撮影が始まったので、ちゃんと工夫して役作りをする時間が足りなかったのが心残りでしたね」

子役として演技活動と学業を並行してきたパク・ウンビンは、「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」を撮影しながら、小学校と大学時代、実際に自閉スペクトラム症を持つ子たちに会った記憶を思い出したという。

「小学校の時、同じクラスに自閉スペクトラム症の子がいたんです。当時私はクラス委員長だったので、その子のお母さんに宿題や準備物などをお伝えしたりしていましたが、いつも自分より体が大きい子供の手を繋いで歩いてたそのお母さんの姿が何故か私の中ではすごく切ない記憶で残っています。大学ではボランティア活動の一環として、お絵描きが大好きな自閉スペクトラム症の高校生に会ったこともあります。こちらから話しかけても全然反応してくれなくて、戸惑いながらも、私の接し方が悪かったのかなと悩んだ覚えがあります。その出会いをきっかけに、大学で特殊教育と障碍者に関する授業を受けたりしましたね」

パク・ウンビンは当時、「障害を”間違い”や”有害”なものでなく、”人とは少し違う才能”として見るべき」という先生の教えがあったからこそ、ウ・ヨンウというキャラクターに息を吹き込めることができたと語った。「弱点がある人には、その弱点を超える才能もある。決して人の可能性に勝手に限界を決めてはいけない」という彼女の考えがウ・ヨンウの土台になったとのこと。

「視聴者をウ・ヨンウの味方にするのが最も大きい課題でした。少し変わったところもあるけど、キラキラ輝いていて、美しい人だと感じさせたかったです。史上最も台詞が多い作品だったので、ちゃんと覚えたうえで、ウ・ヨンウの魅力が伝わるように演技をするのが大変でした(笑)」

■「カン・テオとのラブストーリー、非現実的だとは思わない」


パク·ウンビンは甲論乙駁があったウ·ヨンウとイ·ジュノ(カン·テオ)の関係と障害者が愛する権利についても、慎重に自分の意見を打ち明けた。放送当時、「障害者への偏見や差別を乗り越えて、堂々と弁護士として成功するウ・ヨンウの活躍が見どころなのに、カン・テオと関係のせいで、ありきたりな恋愛ものになってしまった」という批判があったからだ。二人の恋があまりにも非現実的すぎて、ドラマに没入できないという意見もあった。
「個人的には、2人の恋が非現実的だとは思いませんでした。お互いに心を開いて、理解して、包容して、より特別な存在になるのは、誰にでも可能なことじゃないですか。ユ・インシク監督はこの作品で、ウ・ヨンウが弁護士として成長していく姿だけじゃなくて、そういうもう一つの可能性も見せたかったのではないかと思います。自閉スペクトラム症の人とそうじゃない人の恋も普通に受け入れられる時代になってほしいという思いを込めて」

世間的に大流行した「ウ・トゥ・ザ・ヨン・トゥ・ザ・ウ、ドン・トゥ・ザ・グ・トゥ・ザ・ラミ」という台詞は、後輩のチュ・ヒョニョンのアイデアだった。最初は「ウ・ヨンウヨンウ、ドン・ドングラミ」という台詞だったが、「もっといいアイデアがあったら変えてみてもいいよ」というスタッフの提案で、いまの形になったという。

「ドラマの中でもドン・グラミが考案した挨拶をウ・ヨンウに教えるという設定だったので、二人の独特な挨拶に関してはチュ・ヒョニョンさんに任せました。自分はそこに少しだけ面白いニュアンスを加えたくらいですかね。ここまで流行るとは思わなかったですが、たくさんの方にパロディしてもらったりして、嬉しいです(笑)」

ただ、”ウ・ヨンウらしいリアクション”については、かなり苦戦していたという。ウ・ヨンウは決して共感能力がない人ではないけど、自分だけの世界が明確な人物なので、人とは一味違うリアクションをしなければないない、というのがパク・ウンビンのミッションでもあった。

「反応が薄いと思われがちだけど世の中に無関心なわけではなく、自分の世界で自分なりに反応しているように見せるためにはどうすればいいか悩みました。なるべく目を合わせないようにしたり、台詞にちょっとしたボディーランゲージを混ぜたりしていて、最初はとても難しかったんですが、どんどん慣れてきて、自分がウ・ヨンウになりきっていると実感しましたね。たとえば相手役の目じゃなくて、眉間を見ながら演技をしたりしましたが、画面ではそこがうまく伝わらず、普通に目を合わせている風に見えるシーンもいくつかあったので、そこは少し残念です」

■人生初のアジアファンミーティング開催!次期作も”善良な影響力”のある作品になりそう
パク·ウンビンが作品を選択する基準は、その作品が”善良な影響力”を持っているかだ。メディアに顔を出している人だからこそ、善良な影響力を与えたい、誰かの役に立てるような演技がしたいとのこと。「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」をきっかけに数え切れないほどたくさんのCMや作品出演のラブコールが相次いでいるが、いつもより慎重に次期作を選んでいる理由でもある。

またパク・ウンビンは、10月から初めてのアジアファンミーティングツアー「EUN-BIN NOTE : BINKAN」を開催し、マニラ・バンコク・シンガポールでの公演を終え、残りは11月19日の東京公演のみとなっている。

「『恋慕』から『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』まで、息をつく暇もなく毎日緊張の中で走ってきたので、一旦少し休憩しながら次期作を検討したいと思っています。海外のファンの方々に会いに行くのは初めてなので、とても楽しみにしています。皆様と共に、いい思い出が作れたらいいなと思っています」

取材・文/李永実
 
   

ランキング(映画)

ジャンル