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『チェンソーマン』にいたら強そうな悪魔は? 考えるほど末恐ろしくなる“チェンソー”というモチーフ

Real Sound

pixabayより(イメージ)

※本稿は『チェンソーマン』のネタバレを含みます。

 TVアニメが好評放送中で、マンガアプリ「少年ジャンプ+」で連載中の第二部でも衝撃を与えている『チェンソーマン』(藤本タツキ)。容赦のない残酷な展開やぶっ飛んだキャラクターたち、シュール&カオスな笑えるシーンも魅力だが、「悪魔」の設定が奥深い作品だ。

(参考:【写真】『チェンソーマン』デンジ&パワーのフィギュアがかわいすぎる

 作中には「○○の悪魔」が多数登場し、その強さや能力は「名前」によって決まっている。さらにその名前/言葉が一般に恐れられているほど、悪魔の力が増すという設定だ。その点、主役を張る「チェンソー」というモチーフが絶妙で、ビジュアル映えするマシンであると同時に、スプラッター映画等の影響で“恐ろしさ”のレベルも相当に高い。現実には、扱いづらいチェンソーよりナイフで襲われる方が危険な気がするが「必要以上に恐れられている」のが面白く、確かに轟音と生々しい痛みのイメージは強烈で、作中最強クラスの悪魔になるのも頷ける。

 「チェンソー」や「銃」など武器になるものだけでなく、「未来」や「永遠」「支配」などの概念から、「コウモリ」や「クモ」「ヘビ」などの嫌われがちな生物、「台風」のような自然現象まで、作中に登場する悪魔のレパートリーは幅広い。未登場のもので、恐ろしいのは何の悪魔だろうか、と考えてみるのがファンの嗜みだ。

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 もっとも、「恐ろしさ」の評価は時代や文化によっても変わる。『チェンソーマン』が連載を開始したのは2018年12月だが、2022年現在で考えると、ある時期には「感染症」や「ウイルス」の悪魔が最強クラスになっただろうし、その後の感染者数などの推移と相関して強さが変化している気がする。妖怪のイメージにつながる国(日本や中国)以外で「狐」はさほど強くないかもしれないし、一面的な見方にフォーカスしたものなら「SNS」や「学校」の悪魔はけっこう強そうだ。

 そうした外的要因に左右されないされづらい普遍的な恐怖として、誰もが考える「死」の悪魔は作中に登場するだろうか。チェンソーマンにはその悪魔を食うことで概念ごと消失させる能力があり、これを考えると「消失させられないもの」は悪魔にはならないかもしれない。「人間」の悪魔も面白そうだが、こちらは「犯罪」などと同様にイメージが散漫なためあまり強くないかもしれず、『チェンソーマン』では魔人として登場する「暴力」の方が具体的で恐ろしい。

 序盤に登場した「トマト」の悪魔は弱キャラだったが、苦手にしている人が一定数いることと、血を思わせる色合いもポイントだろうか。チェンソーマンに死ぬほど嫌いな食べ物があれば、「消失させたいが、そのためには食わなければならない」というジレンマが生じて面白そうだ。「パクチー」や「ゴーヤ」の悪魔はけっこう強そうな気がするが、「怖い」と「嫌い」はわけて考えるべきか。「高所」や「閉所」など、苦手な人が多い“環境”も強いかもしれない。「カミナリオヤジ」は「カミナリ」も「オヤジ」も怖いイメージはあるが、「雷の悪魔」はどことなくカッコいいし、「父親」は敬愛の対象にもなるので、微妙なところだろう。

 それにしても、考えるほど「チェンソー」は怖さ、不気味さ、フェティッシュな魅力を兼ね備えた絶妙なモチーフだ。「どんな悪魔が強そうか」というテーマと同時に、「チェンソー以外に主人公格のモチーフはあるか」ということも考えていきたい。

(向原康太)

 
   

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