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「2年間脅迫されていた」研究室に不審者が…柔道銀メダリスト・溝口紀子氏 大学セキュリティ対策のあり方は

ABEMA TIMES

 両者驚いた後、落ち着かせるために「中に入って、お茶を飲んでください」と声をかけた溝口氏。

「不審者はテレビで見たときと比べて“生溝口”があまりにも厳つい体だったのだと思う。耳がつぶれているおばちゃんなんていない。私もその瞬間に格闘家のスイッチが入った。『今日も学生を2秒で締め落とした』という感じで、こっちもやられるかもしれないと構えながら、雰囲気は血走っていた。不審者の膝がブルブル震えていた。『お前、ちょ、ちょ、調子に乗るなよ』と言われて、私も『言いたいことは主張する。あなたも言いたいことがあったら言ってください』と言ったら、もうその後は会話にならなかった」

「大学の研究室に来た不審者以外にも、2年間ずっと脅迫をされていた。私は一度も会ったことはないが、私の家族にも危害を及ぼすのではないかと思ったほどだ。弁護士に相談したが『そういう人には構うな。有名税だから、いちいち反論していたら余計に炎上する。とにかく放っておけ』と言われた。2年目になって、どんどんエスカレートしたので、警察に届け出を出した。それで警察がようやく動いてくれて、ピタッと止まった」

 ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「治安がどんどん悪くなっているかのような前提は違うと思う」と話す。

「例えば、2001年に大阪の池田小事件があった。子供が8人くらい殺されて、大変な事件だった。あの頃までは小学校も開かれた場所だった。地域の交流の場になろうと言って、学校の校庭を開放していた。でも、池田小事件によって全国的に小学校の校庭を閉鎖する流れになって、リスクを気にしすぎる方に傾いてしまった。校庭を閉鎖しても登下校の時に襲われる可能性もある。今回の宮台さんの事件も同じだ。大学の敷地内で襲われたから、こういう話になっているだけだ。敷地の外で襲われていてもおかしくない。昭和20年代、30年代と比べると、刑法犯、あるいは非常に悪質な殺人や強盗傷害のような事件は年々激減している。日本の現状は、非常に治安のいい国だといえる。1つの事件が起きるたびに大騒ぎして、『治安が悪くなっているからどんどん閉鎖しないといけない』という方向に行ってしまうのは、極めて危険な議論だ」

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 一方で、ひろゆき氏は「もう覚悟があって行く人にとってみたら、普通に『社会人講義で溝口さんの授業を受けに行く』と言えば大学に入れてしまう」と指摘。その上で「自分を強くして、相手を叩きのめすしか、守り方はないと思う。本当に覚悟を持ってしまった人を止める手段がないと、大学の先生は最後、溝口さんみたいな強い人しか残らないのでは」と述べた。

 溝口氏自身は、大学のセキュリティについて、どのような体制が望ましいと思っているのか。

「防犯カメラも置かれているが、十分チェックしきれない。AIなどのシステムを導入するお金もない。最後は1対1だから、自分を鍛える以外だと、ヘルメットやさすまたを置くなどの対応になる。私が自分の経験から言えるのは、やっぱり1対1になったとき『何かあるかもしれない』という覚悟はできていた。なぜかというと、警備さんや守衛さん、事務局などから『溝口さんにはこういうストーカーみたいな人がいる』と、事前に情報の共有があったからだ。私が通っていた校舎ですごくいいなと思ったのは、守衛さんが1人ずつに『おはようございます。お疲れ様です。おかえりなさい』とすごく声掛け運動をする。アナログだが、それだけでも不審者が警戒心を持ったり、抑止力にもなったりすると思う」

 大学構内で起こってしまった事件。どのように安全性を確保しながら大学として機能を果たしていくのか。課題は山積みだ。(「ABEMA Prime」より)

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