立て続けにメガヒットを飛ばしている、「週刊少年ジャンプ」連載のアニメ化作品。この波に続きそうなのが、現在放送中のTVアニメ「チェンソーマン」だ。悪魔が日常にはびこる世界で、悪魔を駆除する“デビルハンター”として生計を立てていたデンジ。ヤクザにだまされて殺されるも、チェンソーの悪魔“ポチタ”の力で復活する。そんな主人公・デンジの声を担当するのは、声優・戸谷菊之介。アニメではまだ2作品しか出演経験がないにも関わらず、大抜てきされた戸谷に、本作への思いを聞いた。
■「最高にうれしかったけど、同時にプレッシャーも感じた」
ーーまずはデンジ役が決まったときの率直な感想を教えてください。
デンジ役に決まったことは、ちょっとドッキリっぽく教えてもらいました。別件で呼ばれて事務所に行ったら、カメラを持ったマネジャーさんが部屋に入ってきて、「戸谷くん、デンジ役に決まりました！」と教えてくださったんです。「うわーっ、マジですか!?」と興奮している僕の姿が、動画に残っています(笑)。最高にうれしかったですが、同時にデンジ役を務めさせていただくことへのプレッシャーも感じました。
■「何回も読み直しているくらい好きな作品」
ーーアニメ化の話を聞く前から、原作は読んでいたのでしょうか？
友達に薦められて読み始めたらめちゃめちゃ面白くて、その日のうちに第1部の最終巻まで一気に読んじゃったほど。読後は衝撃が走り、思わず涙が流れました。何回も読み直しているくらい、好きな作品です。
■「“すごいアニメになる”という予感しかしなかった」
ーー原作のどんなところに、引き込まれましたか？
予想もつかない展開が次々に起こるし、キャラクターもみんないい！独特な考え方をするキャラクター同士の関係性が、面白いんです。
ーーアニメ化の一報を聞いた時点では、いちファンとして喜んでいたそうですね。
オーディションを受けられると思っていなかったので、ティザーを普通に楽しんでいました。だからこそオーディションの話が来たときは、「絶対に受かりたい」と思いましたね。
ーーティザーから既に、クオリティーの高さが伝わってきた本作ですが、戸谷さんはアニメーションを見てどう思いましたか？
画のきれいさや躍動感は、ティザーの段階で感じました。アフレコで使ったVTRでも、「すごいアニメになる」という予感しかしませんでした。あの作画に声や音楽が加わったらどうなるのか、僕自身も楽しみです。
■「アフレコに行くのが楽しくて仕方ない」
ーー戸谷さんが演じるデンジは、かなり個性的ですよね。役作りは難しかったのではないでしょうか？
デンジの気持ちを理解しようとはしたんですけど、借金地獄に陥ったり内臓を売ったりする彼の壮絶な人生は、やはり自分からは遠くて…。ただ憂鬱だった時期は僕にもあるので、当時の感情を思い出しては、少しずつ当てはめていきました。制作サイドからは、「アニメっぽい感じを抜いていきたい」「実写の芝居に近い、よりリアルな感じで演じてほしい」とディレクションをいただいておりました。だから、デンジの姿勢をまねしてセリフを練習したり、日常生活で実際に彼の言葉を使ってみたりして、役にアプローチしています。
ーーパワー役のファイルーズあいさん、マキマ役の楠木ともりさん、早川アキ役の坂田将吾さんとはほぼ同世代ですが、アフレコ現場はどういった雰囲気なのでしょうか？
4人でよくしゃべっています。本番が終わった後に「今のセリフ、良かったね」と褒め合ったり、面白い写真を見せ合ったり(笑)。スタッフさん含め本当に仲がいいし、現場の空気がいいんです。アフレコに行くのが楽しくて仕方ないですね。先日は、ファイちゃん(ファイルーズ)が一発ギャグを披露してました。…面白かったです(笑)。
ーーこのチームワークで届ける「チェンソーマン」、自信は？
かなりあります。役者としてもみんなすごいし、相手の芝居を受けてよりいいものになっていますから。スタッフの皆さんもわれわれ役者陣も愛を持って作品作りに取り組み、こだわりの強いものになっています。原作の雰囲気を守りつつ、期待を上回るように努めていますので、楽しみにしていてください！
◆取材・文＝篠崎美緒
