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泉房穂明石市長 地域政党立ち上げ報道に異論「政党よりも、赤ちゃん抱えたお母さんを当選させたい」

女性自身

 

「まだ市長の任期が半年も残っていますからね。まずはその間、さらなる子ども施策の拡充に全力をつくす。その上で次の市長さんに“たすき”をつないでいく。たとえば市会議員の方も過半数をとって、市長を応援するかたちにしないといけません。

 

そして候補者選び。私が市長になってから、他の街では『そんなことできない』と思いこまれていたことをやってきました。でも、それは“政策面では”です。

 

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今後やろうとしていることは民主主義の根幹である選挙においても、明石発の“新しい形の選挙”を実現していくことです。普通の心ある市民が手を挙げて立候補して、ちゃんと当選する。そんな市民の意見が直接反映されるような選挙です。次の来年4月の市長選と市議会選挙では、ここを変えていきたいんです」

 

 

■赤ちゃんを抱えた普通のお母さんが当選する「新しい選挙」

 

――つまり選挙改革、そのために政党が必要ということでしょうか?

 

「私は政党なんて、ひとことも言っていません。勝手に “地域政党立ち上げ”とか言われているだけで……。

 

たしかに政党立ち上げと言われてもかまいませんが、ポイントはそこじゃない。肝心なのは既存政党や宗教団体や労働団体や業界団体など、既存勢力や既得権益に依拠しなくても普通の市民が立候補して当選できるということを次の市政選挙で証明することなんです。

 

12年前の私の選挙が、まさにそうでした。全部の政党、全部の労働団体、業界団体が敵でした。それでも市民だけに応援してもらうことで選挙戦を闘い、勝てたわけです。それから12年間、政党や業界団体らは私を落とすためにいろんなことをやってきました。けど市民の応援があったからこそ、今まで持ちこたえられたわけです。

 

4月に行われる明石の選挙では市長だけでなく、市議会議員もそうするんだと。政党や業界団体、特定の宗教団体に頼らなくても、市民だけを頼りにすればちゃんと当選できるんだというストーリーを示すこと。これが、一番のポイントです。それができれば、これまでと同じように明石発の新しい選挙スタイルも全国に広がっていくと思います。

 

実際に政策面で明石市は全国初の試みで成果をあげてきました。それは成功事例として、いろんな全国の自治体にも取り入れられつつありますからね。次は明石市発の新たな選挙の姿を示すんだと。そうすることで、全国の人が『明石でやれているのなら私だって当選するかも』と思ってもらえます。政策に続き次は選挙そのものについて、普通の市民が政党や団体に依拠することなく議員になれる道を切り開きたいんです」

 

――今や“明石方式”ともいえる手厚い子育て支援施策を行う自治体が続々と増えてきていますが、それに続く第二の明石改革として「明石式選挙」に挑戦していくということでしょうか?

 

「そうです、そうです。改革といえるかどうかは別にして、今はみんなの中で間違った思い込みがあると思うんです。選挙はお金がかかるし、政党や業界団体などのバックアップがないと当選できない。そういう思い込みを持ってしまっているから、立候補を諦めてしまうわけです。そうでなく、心ひとつで立候補して当選するというストーリーをつくる。私が応援します。

 

たとえば、ちいさなお子さんを育てるお母さんが『こんな私でもよければ』と言ってくれたら、もう充分。子育て真っ盛りのあなたこそが議員になって、その実際に子育てをやっているというリアリティーで政治をしていただく、議員をしていだだく。それこそが明石市民のためなんだと。もっといえば赤ちゃんを抱えたお母さんが選挙に立候補して、それを当選させるのが私の役割だと思っています。

 

でも今、そんな議員さんほとんどいません。女性議員も多くが大きな組織に担がれて立候補される方。本当に普通の市民が自分の思いひとつだけで立候補して当選しているかというと、実際には難しいわけです。でも、そこが当選するようにならないと……。子育てなんてやってないようなおっさん議員ばかりが当選するから、給食の無料化にも『そんなもの、愛情弁当を作れ!』みたいなことを言って反対してくるわけです。『家事も手伝わずに何を言うか、お前こそ弁当作れ!』と言いたくなります(笑)」

 

 

■「政党なんていらない。ビラをまくためのあくまで形だけのもの」

 

――そういう新しい選挙をするために、今回新しく地域政党を立ち上げるということでしょうか?

 

「いや、本当は政党なんていらないんです。迷惑なだけ。政治家が市民のほうを向かず自分の属する政党だけを見ているんだから、まともな政治なんてできるわけがない。政党なんてノーです。私は政党がいいと思ったこと、一度もないですから!政党ではなく、市民なんです!市民が母体で選挙に当選するストーリーを作りたいということ。私はこれしか言っていないのに、マスコミはすぐに『新たに地域政党を立ち上げる』とか言うんですよ。そう書かれるのは勝手だからいいんですけど、主旨はまったく違うんです。

 

マスコミが書いているようなA党、B党、C党とあるなかで、新たに私がD党を作るみたいな話ではなんです。そういういわゆる政党をつくることではなくて、普通の市民が議員や首長になって政治を変えていく。それを実現することこそ、私の醍醐味なんですから」

 

――しかしそういう泉市長のやりかたで当選された方々は、たとえば「泉新党」とか「泉会派」のようなグループや派閥になるのでは?

 

「選挙する以上は、ビラに書く政治団体名が必要です。なので私が代表になって、団体の名前を作って、選挙管理委員会に政治団体登録をする。私が言ったのはそれだけのことなんです。母体がないとビラをまけませんから。政党をつくるというよりも、ビラをまくための政治団体登録というあくまで形だけものです」

 

――“政治家引退”と先ほどの“新しい選挙の形を作って、政治家を誕生させていく”というのは矛盾しないのでしょうか?

 

「まったく矛盾しないです。それもポイントで、政治は誰がやるものなのかという認識が大事。政治は選挙で当選した一部の政治家がやるものなのかというと、そうではない。政治というのは国民、市民がやるものなんです。当選した政治家が政治の主人公ではなくて、あくまでも市民や国民のはず。その認識が薄いから選挙のときだけ有権者に頭を下げて、当選したら好き勝手やる政治家ばかりになってしまう。

 

だから、私の中ではぜんぜん矛盾していない。市長として立候補しなくても、一市民、国民としては当然、これまで以上に関わるわけです。自分が市長だと、たかが一人です。でも市長をやめて応援する側に回れば、5人、10人、100人の市長を作れるわけです。そのほうがいいでしょう。『あそこで市長選がある』となれば市民の声が聞ける人を探して、応援して当選させていく。私は一度も政治から離れると言ったことはないですよ。

 

たったひとりで明石市をいろいろと変えてきた段階から、次のステージへということ。全国を飛び回って、他の街でも明石市のようなことをできるように応援していく。そういう意味では、国の政治も変えていかないといけません。今の国の政治はろくでもないですから」

 

 

■引退表明後もゆっくりできず「カミさんからは何も言われていません」

 

――プレーヤーとしては終わりで、次は監督ということですか?

 

「そうですね。監督のイメージかな (笑)。プロ野球で試合に出ていた選手もある程度時期がたてば引退して、監督になってホームラン王や盗塁王を作ったりしますよね。自分ひとりでホームランを50本打つよりも、30本打つ若手を5人作ったほうがチームは強くなる。そんな感じです(笑)」

 

――10月30日に配信されたデイリー新潮のインタビューでは、市長引退についての奥様からの反応を聞かれた際に「ゆっくり家族で旅行にも行けるねって、優しかったです」と答えていました。しかしゆっくりできると思っていたのに候補者の応援で全国を飛び回るかもしれないとなると、奥様から何か言われませんでしたか?

 

「私は学生運動の委員長をしていましたし、結婚したときも弁護士として事務所の中に 『市民活動ルーム』なるものを作って市民活動なんかも応援していました。その後は国会議員、社会福祉士、市長とやりましたが、いつも今の世の中を良くしようとしてきました。人生一貫してそうだったので、カミさんからは何も言われていませんよ」

 

泉市長は選挙の形も変えることができるのか。全国から注目が集まりそうだ。

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