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電卓で壮大なオーケストラを演奏 YouTubeで流行する電卓アーティストに聞く、演奏が難しい曲とは

Real Sound

あたりめ:2016年に初めて投稿したエレクトーン動画の再生回数があまり伸びず、その後の投稿を止めてしまいました。ただ、その動画が徐々に伸び始め、「もう一度やってみよう」と思い、投稿を再開しました。

■演奏を断念した曲とは?

――2019年1月、あたりめさんの代名詞である「電卓で演奏してみた」の動画を初投稿しました。電卓で演奏するようになったキッカケを教えてください。

あたりめ: 2018年の8月ごろ、YouTubeで「電卓で千本桜を演奏してみた」という動画を見つけ、その動画に衝撃を受けました。その動画では電卓1台で演奏していたのですが、「電卓の台数を増やして、出せるを音を増やした演奏動画に挑戦してみよう」と思い、電卓演奏を始めました。

――曲選びの基準はありますか?

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あたりめ:いま流行っている曲、また過去に流行った懐かしい曲、個人的に「演奏してみたい」と思った曲をピックアップしています。

――「電卓で演奏するには難しい……」という理由で断念した曲はありますか?

あたりめ:演奏を断念した曲はありません。ただ、電卓から鳴る音程が足りずに断念してしまった曲はあります。たとえば、オペラの「魔笛」はその理由で諦めました。

――苦労した曲はありましたか?

あたりめ:モーツァルトの「トルコ行進曲」やYOASOBIの「夜に駆ける」は、練習と撮影に苦労しました。両楽曲ともにテンポが速い曲でしたので、ボタンの幅が狭い電卓でミスなく演奏するには大変苦労しました。

――電卓のほうがピアノよりも指がつりそうな印象ですが、どちらのほうが負担が大きいですか?

あたりめ:ピアノより負担が大きいです。ただ、曲によってはピアノよりも軽くできるものもあります。

■電卓の“チューニング”が狂うことも

――「AR-8001」「AR-7778」を愛用していますが、それぞれのサウンドの特徴について教えてください。

あたりめ:まず、「AR7778」の電卓は「1→2→3→4→5→6→7→8」が「レ♭→ミ♭→ファ→ソ♭→ラ♭→シ♭→ド→レ♭」で、D-flat major(変ニ長調)の音階が鳴るため、「1」の音は「レ♭」から順番に鳴ります。また、「AR8001」の電卓では1~8で「レ→ミ→ファ#→ソ→ラ→シ→ド#→レ」で、D major(ニ長調)の音階が鳴るため、「1」の音は「レ」から順番に鳴ります。

――「AR-8001」を一番左に置くことが多いですが、各電卓はどのように使い分けていますか?

あたりめ:演奏する時の電卓の配置は、基本的に自分のやりやすさで決めています。ただ、どの種類の電卓をどのように使用するかは、演奏する楽曲で変わってくるので、試行錯誤しながら配置を決めています。

――電卓の使用期間が長くなると、チューニングにズレが生じることはありますか?

あたりめ:あります。電卓は機械なので、普段使用していない電卓に久々に触ると音程がズレていることがあります。演奏用の電卓は予備を含めて10台程持っていますが、予備用の電卓は使用する機会があまりないです。もしかしたら、チューニングがズレているものが何台かあるかもしれません。

――動画投稿をして数々の絶賛の声が寄せられています。印象に残っているリアクションはありますか?

あたりめ:コメントをたくさんいただいており、全てのコメントが印象に残っています。コメントが多いため、たくさんの方々に観ていただいているという嬉しさ、そして今後も、より多くの方々に感動を届けることができたらと思っています。

――ちなみに、2021年4月に投稿した「都道府県の位置を試行錯誤して作る縮小版日本地図」もシュールで面白かったですね。

あたりめ:ありがとうございます。こちらの動画をYouTubeに投稿しようと思った経緯ですが、Twitterに載せた地図の画像がバズったため、「作成方法を動画化してわかりやすくしてみよう」と思ったからです。ただ、この動画はあくまで例外で、演奏動画以外の動画の投稿予定はありません。ただ、何か思いついたら投稿するかもしれないです。

――今後の方針などあればお聞かせください。

あたりめ:動画投稿はいまでも趣味でやっていますが、時間のある限り投稿は続けていけたらと考えています。そして自身の演奏で視聴者の方々に、多くの勇気や感動を与えることができたらと思っています。

(取材・文=望月悠木)

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