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最初はできないと思っていたーー小池徹平が語る、3度目の『キンキーブーツ』

マイナビウーマン

ーー大好評を得ているブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』ですが、再々演が決まった時の気持ちを教えてください。

決まった時というより、再々演を決断するまでの気持ちの整理に、正直時間がかかりました。

初演からずっとお世話になっているプロデューサーから『キンキーブーツ』再々演のお話をいただいた時にも、「今の状態では難しいかも知れないです」というお話をしました。

ーーそこから、やることを決断するまでにはどういった気持ちの変化があったのでしょうか。

一対一で、そのプロデューサーと何度も話し合いを重ねました。それこそ、『キンキーブーツ』の話はもちろんなのですが、ざっくばらんに色々なお話をしたんです。

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そうやって話していくうちに、徐々にこの作品に対する思いだったり、日本カンパニーの『キンキーブーツ』を「このまま終わりにしていいのかな」という気持ちが生まれてきたりして、少しずつ前向きに考えるようになりました。

「やるのであれば、今のこのタイミングだと思っている」という、非常に熱い思いを話し合いの中で受け取ったことも大きかったですね。

ーーなるほど。様々な葛藤があった上での決断だったんですね。

そこから、どうやって『キンキーブーツ』を再演するか色々と考えました。まずは、すごく大事なローラ役について。

ローラ役を演じる人は新たにローラ役を作り込まなければいけないのですが、それがどれだけ大変な事かを、僕は(これまでの『キンキーブーツ』でローラを演じていた三浦)春馬の姿を見てきていたから知っています。

何より春馬が作り上げたローラは本当に最高のものだったから、それだけのことを絶対にやってのけるであろうという絶対的な信頼ができる人物でなければいけないし、圧倒的な演技力、そして華が必要でした。

あとは、僕自身に必ず起こるであろう心の葛藤などを、きちんと話し合える人。そういう意味でも、絶対的に信頼できる方じゃないとローラ役として接することが難しいと思っていたので、今回ローラ役が(城田)優に決まったことは、本当に心から嬉しいです。

ーー城田さんには決まった時に何と言葉をかけたのでしょうか。

「優で良かったよ」と。まず、やろうと思ってくれたことにすごく感謝をしていますし、オーディションを受けてくれたことにも、受かってくれたことにも感謝しています。

春馬は『キンキーブーツ』をたくさんの人に観てほしいと思っていたので、ここで終わらせるわけにはいかない。そういう春馬の思いも全部背負って、「優なら表現してくれる」と思いました。

やると決まってからはすごく楽しみですし、観に来てくださった皆さんに「最高の『キンキーブーツ』だった」と思ってもらえるようにしたいという気持ちです。

ーーそうやって再演、ローラ役が決まったんですね。

ただ、今までやってきた日本カンパニーのメンバーに対して、「僕はやるから、またやろうよ」とは、自分から言えなかったです。それぞれに色々な思いがあるだろうし、再演に出るかどうかはそれぞれがこの作品と向き合って、自分自身で乗り越えて決めることだと思っていたので……。

でも、みんな同じような気持ちで集まってくれたんですよ。それがすごく嬉しかったです。

ーー同じ気持ちというのは?

メンバーチェンジも多少はもちろんありますが、スケジュールが合わなくて出られなかったメンバーも、今回から新しく加わってくれたメンバーも、全員『キンキーブーツ』が大好きだということです。

僕自身、再演を決めた一番の理由は『キンキーブーツ』が大好きだったから。絶対3回目を大成功させて、「日本中の皆さんを最高にハッピーな気持ちにしよう」「最高の『キンキーブーツ』にするしかない」という強い思いがあって、みんな気持ちは前を向いて臨んでいます。

僕自身も年齢を重ねたことでスキルアップしている部分もあると思いますし、逆にできなくなったこともあると思うのですが、そこはちゃんと自分自身と向き合って、今できるベストを尽くして挑みたいと思っています。

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