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稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾が5年間で新たに切り拓いてきた“5本”の道 新しい地図設立5周年に寄せて

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 カメラ150台、植物70鉢……と、35年も共に歩んできた草彅&香取も驚くほど、まだまだ知られていない情報が次々と出てくる。その掴めそうで掴めない不思議な人となりが、これからもラジオという特別な空間で、少しずつ解き明かされると思うと完結までまだまだ遠いミステリーを楽しませてもらっているような気分だ。

■テレビの申し子・香取慎吾の逆襲

 新しい地図を広げた当初、3人のテレビ出演はパタリと途絶えた。そのどれもが長い間愛されてきた番組ばかりだったこともあり、残念な気持ちでいっぱいになったことを覚えている。先日、彼らと縁深い放送作家の鈴木おさむがパーソナリティを務めるラジオ『JUMP UP MELODIES』(TOKYO FM)に香取がゲスト出演した際、『SmaSTATION!!』(テレビ朝日系)が終わる1カ月前ほどからバタバタとした結果、現場を離れていた鈴木おさむ自らがスタジオに赴いていたという会話があった。それほど当時、3人を取り巻く環境は異常事態だったことがうかがえる。

 特に幼いころからテレビに出続けてきた香取にとっては、テレビのレギュラー番組がなくなることはかつてない経験だったことだろう。だが、その唯一無二の経験と感覚はしっかりとインターネットテレビ『7.2 新しい別の窓』(ABEMA※以下、『ななにー』)で活かされることになる。『香取慎吾の天声慎吾』(日本テレビ系/1999年から『香取慎吾の特上!天声慎吾』)で味わった“遊び場”としてのバラエティ番組作り、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)を思い出させるレギュラー陣とのファミリー感、『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)のようなゲストと歌うライブコーナー……7.2時間の生放送という『ななにー』の新しさの中に、どこか懐かしさや親しみやすさがあるのは、かつてたくさんの視聴者に愛されてきた番組たちのエッセンスが散りばめられているからかもしれない。

 Twitterに、Instagram、ブログ、YouTube、TikTokと、精力的にSNSで表現の幅を広げ、若い世代の才能ともコラボを実現。さらにウェブドラマ『誰かが、見ている』、お笑いドキュメンタリー番組『ドキュメンタル』(ともにAmazon Prime Video)への出演と、新たなメディアで遊びつくす香取に、もはやインターネットへの露出に慎重なスタイルを見せていた姿を思い出すことが難しいほどだ。今年から『ワルイコあつまれ』(NHK Eテレ)がレギュラー化したことで、また風向きが変わってきたように感じている。香取がインターネットという遊び場で得た経験が、今度はテレビの地上波で生かされていくのではないか。変化の激しい時代に求められる“ハイブリッドビジネスアイドル”として、どこまで輝きが増していくのか楽しみでならない。

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■3人だからこそ見えるコンビの絆&個性

 新しい地図を立ち上げる前後から3人で食事に行ったり、お互いの舞台を観劇したりと、カメラが回っていない間のやりとりが増えたのも新しい動きだった。3人というのは絶妙な数字で、2人対1人という構図になりやすい。この5年はプライベートでのやりとりが増えたことも受けて、その楽しみがより広がってきたように思う。

 かねてより、親友でありラジオ『ShinTsuyo POWER SPLASH』(bayfm)を続けてきた香取と草彅の“しんつよ”コンビの仲の良さに、稲垣がちょっぴり嫉妬するようなくだりは鉄板の流れだが、健康志向やカメラの趣味などで盛り上がる稲垣と草彅の“ごろつよ”コンビに、香取が思わず苦笑い……という図も増えた。

 さらに先述した『JUNON』の特集内鼎談では、香取と稲垣がスタッフと共にごはんへ行き、その流れでカラオケに行ったというエピソードも飛び出した。そして、香取が稲垣にソロ曲「SUZUNARI」をリクエストするも、稲垣が歌わずに帰ってしまい、結局は香取が自分で歌うという展開になったのも、“しんごろ”らしいイジりイジられの関係性が見えて微笑ましかった。ちなみに、草彅はそもそも行かなかったというから、そのマイペースっぷりが想像できて頬が緩む。

 知れば知るほど興味をそそられる稲垣のプライベート情報に翻弄されるしんつよ、しっかり者な香取からツッコまれるまで話に熱中するごろつよ、草彅の俳優としての才能に刺激を受けるしんごろ……と、2人対1人になることで、2人の絆が見えてくるのはもちろんだが、1人になったほうの個性も際立つ。十分に彼らの個性が浸透しているにも関わらず、間接的に映ることで新鮮に感じられるのも、彼らならではの面白いところといえそうだ。

■若手アイドルが背中を追い続けるレジェンドへ

 今月4日にオンエアされた『ななにー』では、CUBERS、BMK、SUPER★DRAGON、IVVYら若手ボーイズグループ4組がゲスト出演し、長きに渡って活躍し続ける極意を聞かれる場面があった。また、先述した香取が出演したラジオ『JUMP UP MELODIES』ではTHE RAMPAGEのリーダー・陣からアドバイスを求められるシーンも。

 事務所を越えて様々な若手アイドルたちとの交流も、新しい地図を広げてからグッと増えた。歌って、踊って、仕切って、演じて、笑わせて……「マルチに活躍するアイドル」という概念を作り出した彼らが大切にしていることとして語ったのは、「当たり前のことを大切に、日々を積み重ねていく」というシンプルなものだった。

 そんな3人がレジェンドとしてリスペクトをしているのが、郷ひろみだという。草彅と香取は最近、郷と共演を果たしたことで、さらにその思いが強くなったようだ。いつまでもスマートにパフォーマンスを披露することができるのは、日々の鍛錬の賜物。会うたびにオーラを感じられるのは、謙虚で明るくみんなにパワーを与える存在でいようという気概の表れ。何よりエンタメの世界でずっと求められ続けるのは、積み重ねてきたものが縁となってつながっているから。

 若きアイドルたちとふれあう彼らを見れば、もうすでにアイドル界のレジェンド的存在と言いたいところだが、3人は決して「まだまだ」という姿勢を崩すことがない。一度まっさらな状態になり、新しい地図を広げたことで若手さながらのひたむきさに磨きがかかったようにも感じられる。この5年で想像すらできなかった活躍ぶりを見せてくれた3人。果たして次の節目となるタイミングにはどこまで地図を広げているのだろうか。何歳になっても、何年続けていっても、いつだって開拓者。これから3人が積み重ねられていく日々も、これからのアイドルたちが尊敬してやまない新たな伝説となるに違いない。 (佐藤結衣)

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