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“宣伝になるから無償で取材”“報道だから事前チェックなし”はメディアのおごり? 『孤独のグルメ』原作者のツイートから考える取材と報酬のあり方

ABEMA TIMES

■記事の事前確認ができず炎上、訴えたいことと逆の発信がされることも

 記事の事前確認ができないことで被った不利益として、メディアアーティストの市原えつこ氏は「新聞社だと“報道だから事前チェックはない”と一辺倒で突き通されることもある。メディアに出るのは必ずしも宣伝になるわけではなくて、その記事が炎上した時にバッシングされるのは取材対象者だ。私自身、展示イベント中にあるウェブメディアから突撃取材をされて、新聞社のルールに則って事前チェックなしに記事が公開された。それが系列のウェブメディアに転載されて大炎上。私は自殺するかもしれないと思うくらいにボコボコになって、個別に謝罪はあったものの、特に補償はなかった」と説明する。

 「記者独自の観点や偏見、バイアスがあった。自分は言ってないがそう言ってほしかったのだろう。書き変わっていたのが問題になった」とした上で、「無償で受けることはやぶさかではないが、チェックはさせてほしい。記者よりインタビュー対象のほうが知識を持っている分野であれば、明らかに解像度の低い情報がプロフェッショナルとして出回ってしまうリスクがある」と訴えた。

 JETBOOK作戦代表で、児童養護施設にいた過去をもつ山内ゆな氏は、「児童養護施設だとまだかわいそうとか暗いイメージを持たれている記者さんも多くて、それを前面に出される。そのイメージを変えるために動いているのに、そのために取材を受けたのに、全然逆の方向に動いてしまったことがある」と振り返った。

 鈴木氏は「取材先との適切な、リスクヘッジのためのコミュニケーションができる記者もいるが、やらない記者も残念ながらいる。そこは業界全体の課題というか、現場教育が行き渡らない時にこうしたトラブルが起こってしまうのではないか」と推察した。

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■取材報酬目当てに真実が歪む?

 ネット上では、「取材は無報酬が原則。金銭の介在により真実性が歪みかねない」「無償なら真実性の担保ができるって誰が保証してくれるのか」「著者校正なしのほうが、よほど真実性が歪められる」など、取材報酬に対して賛否の声があがっている。

 過去には2008年、日本テレビ『真相報道バンキシャ!』が内部告発を基に岐阜県の裏金問題を報道した際、証言は虚偽であることが判明。告発者は、不正告発を呼びかけたサイトに謝礼金目当てに応募していたとされる。

 鈴木氏は「“タレコミ情報を集めている。ちゃんとした情報にお金を払う”と公言してしまうと、お金を目当ての人がどうしても出てきてしまう。メディア側から申し込んだ場合は報酬を支払う、向こう側から情報が来た場合は払わない、といった線引きをするべきだと思う」とした。(『ABEMA Prime』より)

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