マヒトゥ・ザ・ピーポー(監督・脚本・音楽)コメント
耳をすませば潮騒の向こうから聞こえてくる鼻歌、ギターアンプの真空管が焦げる匂い、
そう、わたしたちはたしかにそこにいた。
一夏を駆けて集めた記憶たちがいよいよ旅立とうと窓枠に立つ。
東京国際映画祭のレッドカーペットの前に震える足元を見て、大丈夫だよと声をかける。
記憶はちゃんと記録としてフィルムに焼き付いた。
この映画をバンドの道にわたしたちを引きずり込んだあの人に捧げる。
通り過ぎていった海風に捧げる。
これからあなたが何度となく経験するであろう
おはようと同じ数だけやってくるさよならに捧ぐ。