そこで、森さんがフェースラインの崩れや体の不調に悩む人にアドバイスしているのは、首まわりの筋肉を“さすってのばす”こと。
たるみやゆるみを解消させる小顔効果をもたらすだけでなく、くすみも一気に改善させ、体調不良ともオサラバできるという。
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「こりかたまった首の筋肉をさすってほぐして、のばすことで、前に出てしまいがちな頭の位置を正しい位置に戻します。そうすると、たるみやゆるみ、くすみが解消されてフェースラインが見違えるほどシャープになります。顔のトラブルだけでなく、体調不良も解消されるので、表情がイキイキしてきますよ!」
【図解】「老け顔たるみ」を解消してキュッと引き上げる“筋肉さすり&のばし”
■フェースラインに効く胸鎖乳突筋さすり&のばし
注目したいのは、顔を横に向けると、耳の下から鎖骨の中央に向かって盛り上がる「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」。
この胸鎖乳突筋を中心に、4つの筋肉がテントのように首を支えている。頭を正しい位置に戻し、首を自由に動かすためには、こりかたまっている胸鎖乳突筋を“さすってのばす”だけでいいという。
まず、「さする」方法から。
人さし指、中指、薬指の腹を、左右の耳の下のくぼみにあてる。指の力は入れすぎないで、両耳の下、首の中央、首の付け根と、左右同時に3カ所、各10回、軽く圧をかけ前後にさする。
次に「のばす」方法。
【1】手の甲の上にもう片方の手を置き、両手で鎖骨のあたりを押さえる。目線は正面に、頭を片側に倒す。すると反対側の胸鎖乳突筋がのびる。
【2】頭を横に倒した状態からそのまま顔を上げ、息を吸いながらあごを上に突き出して30秒間静止する。
【3】首をひねりながら下向きの対角線上の鎖骨に近づけるように、息を吐きながら下を向く。それからはリズミカルに同じ動きを10往復繰り返す。これを反対側も同じやり方で行う。
「片側の工程は3分ぐらいでできますので、全部で10分もかかりません。テレビを見ながらでも、入浴中でもスキマ時間に簡単にできますので習慣づけましょう。1週間から10日ぐらい続けると、見た目で違いがわかるようになります。頭の位置が正しい位置に戻ると、体のあちこちに出ていた不調も解消されてくるのです」
首を前後に倒す、左右に首をひねるなど、首がこりかたまっていないか可動域をチェックしながらケアを行おう。
■ほうれい線に効く内側翼突筋さすり&のばし
続いて、多くの読者世代が悩むくっきりと顔に刻まれたほうれい線も“さすってのばす”やり方で解消されるという。
「咀嚼筋(そしゃくきん)のひとつで、上あごと下あごを結ぶ内側翼突筋(ないそくよくとつきん)が、顔の側面を柱のように両サイドに走っています。この筋肉をゆるめて動かし、あごまわりの筋肉がほぐれて口を大きく開けられるようになると、くっきり刻まれたほうれい線は薄くなります」
「さする」方法は次のとおり。
口を開け、こめかみよりも少し内側、頰骨下あたりを3本の指の腹で優しくさわり、横に軽くスライドするようにマッサージ。次に真ん中部分、下あごに近い部分と、3カ所に優しく圧をかけ、それぞれ上から順に各10回同じようにマッサージして内側翼突筋をゆるめる。
次はあごをストレッチするようにのばす。
【1】口を半開きにして下あごだけを左右に大きく10回スライドさせる。
【2】次は口を開けたまま、下あごを前に突き出しては元に戻す。これを10回。
【3】【2】の動きの10回目は、あごを前に突き出したまま動きを止め、口を大きく開く。
この1セットを1日2~3セット行うと、10日ぐらいで見た目の違いがわかってくるという。
さする&のばすで、完璧なフェースラインを目指そう!
【PROFILE】
森拓郎
整体師。著書に『胸鎖乳突筋ケア マスクとったら完璧フェイスライン』(マガジンハウス)がある