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フジロック不参加でもSNSトレンドに 鈴木雅之、中村佳穂、clammbonらによるYOASOBIへのエール

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 7月末に開催された『FUJI ROCK FESTIVAL ’22』(以下、フジロック)。国内外、数多くのアーティストが出演した同フェスは未だ続くコロナ禍の最中、感染防止の対策のもと来場者、そして配信を介してステージを見届けた視聴者を大いに楽しませた。

(関連:国内外で強まるロックフェスのポップ化、その背景とは? 浮かび上がるメリットとデメリット

 今年のフジロックの目玉の一つでもあったのが、YOASOBIの出演だった。だが、事前のPCR検査により、ikura(Vo)のコロナ陽性が判明。これを受けてYOASOBIはフェス開催直前に出演辞退を発表した。YOASOBIにとっての初のフジロック、それは来年以降に持ち越しとなったのだった。

 YOASOBIのフジロック出演がアナウンスされた際、その意外性から様々な声が上がった。ポジティブな声はもちろん、「ロックフェスにYOASOBI?」と意外性に驚く声もあり、フジロックというフェスには深い愛着を抱くユーザーが数多くいること、何よりYOASOBIがポピュラーな存在としていかに幅広い層に浸透しているかを、それらの反応から実感することができた。

 しかし、今年のフジロックの会場ではYOASOBIの音楽が流れていた。コロナという壁に阻まれたYOASOBIの曲は、他の出演アーティストを通して確かに苗場の地に鳴っていたのだ。

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 特に大きな反響があったのが、初のフジロック出演となった鈴木雅之のステージだ。同ステージで鈴木は「YOASOBIの2人に愛を込めて」と一言添え、「怪物」のカバーを披露。2月にリリースしたカバーベストアルバムにも収録された同楽曲は、原曲よりBPMを大幅に落としながらも、鈴木でしか醸し出せない独特の情緒を纏い、新たな「怪物」の解釈をリスナーにもたらした。当初からこのカバーがセトリに入っていたのか定かではないが、鈴木の歌声を聴いて、改めてYOASOBIによる「怪物」が苗場に響き渡る光景を想像した人もいたのではないだろうか。

 鈴木と同日、フェス最終日に出演した中村佳穂もまた、YOASOBIの音楽を苗場に轟かせた一人だ。冒頭「GUM」のパフォーマンスの流れで「夜に駆ける」のフレーズを差し込んだ場面は、現地、配信問わず、観た者を少しばかり驚かせた。ほぼ即興に近い形での歌唱だったため、中村自身がどのような意図で歌ったかはわからない。だが、鈴木雅之と等しく、そこにはアーティスト同士でしかわからない感情が込められていたように思う。“きっとこの曲をここ(苗場)で歌いたかった”はず、そんな思いが中村のパフォーマンスからは感じられた。

 YOASOBIの出演がキャンセルとなり、フェス開催のわずか5日前にオファーを受けたのがclammbonだった。3人は自らの持ち曲と共にYOASOBI「優しい彗星」を1コーラスだけカバー。原田郁子(Vo/Key)の声のせいか、一瞬clammbonの新曲かと思ったが、ミト(Ba)と伊藤大助(Dr)が音を重ねることで「優しい彗星」の輪郭がはっきりと見えてきた。演奏後、「フルコーラスは彼らがここに戻ってきた時に取っときましょう」とミトが語ると会場は温かい拍手に包まれた。

 SNSのトレンドにもなった3組のパフォーマンス。鈴木雅之による力強く斬新な「怪物」、中村佳穂でしか歌うことのできない即興的な「夜に駆ける」、たおやかに披露されたclammbonの1コーラスだけの「優しい彗星」。YOASOBIがいないフジロックだったが、不思議とYOASOBIがいたフジロックであったように感じたのは、こうしたアーティストたちによる“ささやかなエール”によるものだ。

 来年以降、カバーされた3曲、そしてさらなるアンセムを従えて、苗場にYOASOBIの2人が登場する瞬間が今から楽しみだ。

 
   

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