『ONE PIECE FILM RED』ポスタービジュアル (C)尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

【画像】ツッコミどころ回避! 設定がうまいマンガを見る

よく考えてみるとおかしい、マンガの言葉選びや設定

 読者を引き込む独自の世界観が魅力的なマンガ。しかしネット上では「よく考えてみるとおかしい表現がある」と盛り上がっています。

 まず挙げられたのが、敵や反対者に囲まれて孤立していることを意味する「四面楚歌」について「そもそも楚がないマンガの世界の表現としてはおかしい」という意見です。「楚」というのは中国に存在した国のひとつで、敵対する漢の国がありました。味方のはずだった楚の民衆が漢に寝返ったことから生まれた言葉が「四面楚歌」です。同じく中国の故事成語である「杞憂」も、異世界を描くマンガで使われるのはおかしいという声があがりました。

 他に読者から指摘の声があがっているのが、仏教由来の言葉です。日常でも広く使われている「大丈夫」や「安心」といった仏教用語はマンガの世界にもあふれていますが、宗教という概念が存在しないマンガでの使用に疑問を抱く声もあります。

「洋服」についても洋服があれば和服もあるはずですが、そもそも和洋の設定がないマンガであれば「洋服ではなく服と表現すべきでは」と違和感をおぼえる読者も。「言われてみればそうだな」と共感する声も多いです。

『ONE PIECE』の設定についても、「ミサイルがあるのは不思議」「クロコダイルのセリフに銀メダリストってあるけど五輪という概念はあるのかな」と盛り上がっています。「設定が適当」という声がある一方で、「何も考えずに楽しんでいるから別に良い」「設定にこだわりすぎない作者の方が安心する」という意見もあります。

 TVアニメ化もされた『異世界おじさん』では、上記のようなマンガの設定に踏み込んでいます。「おじさん」は異世界に転移し、異世界の言葉が自動で翻訳される能力を得ます。異世界人から「四面楚歌」という言葉が出てくることについて、「翻訳の都合だろうな」というセリフがあります。また『HUNTER×HUNTER』においては「寿司や仏教もあって設定がうまい」という声もありました。「細かいこと考えても何も面白くない」「いろいろ考えて変な言い回しされた方が萎える」という意見も多いです。